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株主還元に積極的!自社株買い&高配当銘柄・アムジェン「AMGN」。純資産は減少も、問題はない理由を解説【米国株長期投資】

ダウ平均採用銘柄でもある、アムジェンの株価は、安定した業績を出しており、株価も右肩上がりの傾向にあります。

アムジェン「AMGN」株価・四半期EPS推移チャート

この会社のチャートで特筆すべきところは、薄紫の領域(一株当たり純資産)が右肩下がりの傾向にあることです。ほぼ毎四半期利益を計上しているのに、純資産がへるのはおかしいと思われるかもしれませんが、この会社は、株主還元に積極的で、毎期配当を出すことに加えて、時折自社株買いを行っています。その影響で、株主資本は減少します。結果、自己資本比率は下がる、つまり安全性は低くなります。直近決算の自己資本比率はわずか1.5%しかありません。

一方、純資産が減るので、資本効率はあがります。上のチャートで説明しますと、薄紫(一株当たり純資産)の領域が狭くて、薄緑の領域(一株当たり利益の15倍)の領域が大きいほど、資本効率(ROE)が高いことになります。直近決算のROEは、634.3%と驚異的に高い数字となっています。

ここ数年の日本企業のROEは5%から8%となっています。日本企業は、株主還元よりも、安全性を高める為の内部留保を重視する傾向があるので、AMGNはまったく別時点の経営方針であることがよくわかります。

アメリカ企業の中で比較しても、前回の記事で取り上げた、リジェネロン「REGN」の純資産は増加傾向にあった(つまり、株主還元せず、自己資本蓄積をしている)ので、アムジェンの株主還元重視の姿勢が際立ちます。

ちなみに、2017年12月第四四半期にここ5年の唯一の四半期赤字決算を計上しています。具体的な原因は、Provision for income taxes(法人所得税引当額) が 6,478百万ドルと大幅に増加している為です。(2016年の第四四半期は 348百万ドル)

税金が大幅に増えたのは、税制改革の影響です。
参考記事)Amgen swings to a loss in Q4 after $6B hit from tax reform

営業キャッシュフローについては、ここ5年マイナスになった四半期決算はありません。上述した、2017年12月第四四半期で大きな赤字をだしましたが、本業の収益力をはかる営業キャッシュフローはまったく問題ない水準でした。

アムジェン「AMGN」株価・四半期EPSチャート
https://www.tenq.cc/stocks/AMGN   
過去5年間の配当情報を確認できます。

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