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コミュニケーションの活性化が、逆に組織を疲弊させているかもしれない…

ご挨拶が遅れました。皆様、本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
新年早々大変なことが起こり、色々思うことはありますが、私にできることはしっかり仕事をして経済活動を止めないことなんだと思っております。

さて、今回のテーマは”組織におけるコミュニケーション”。このコミュニケーション、確かに大事なんですが、無条件でのコミュニケーション絶対論はどうなの?という問題提起。
では、今回もいくぞー!テッテレー!

▼忘年会で感じた、日本料理屋さんでの職人さんのお仕事

昨年、スタンスのメンバーで忘年会を行いました。普段在宅で仕事をしている我々が納品以外の対面で会うことはその忘年会だけという・・・w。場所は銀座一丁目の思い入れのある日本料理屋さん。5年ぶりくらいにそのお店に伺ったのですが大将は私のことを覚えていてくれて、非常に懐かしい感情を思い出しました。
予めコースを予約していたので、飲み物を注文し、あとはお任せ。大将の指示のもと、お弟子さん達が無駄のないテキパキとお仕事をされ、それはそれは芸術みたいな料理が出てきました。我々はそれを堪能し、大変満足してお店を後にしました。
(今年もあのお店にいけるように、お仕事がんばりましょ~!)
そこで感じたのは、大将や職人さんが料理に向き合うときの向き合うときに、”今は誰も話しかけんじゃねーよ!”というメッセージを方々に放っているな、とw。一つ一つの作業に全集中したその姿は、職人さんのプロ意識を感じました。

▼ダニエル・キムの組織の成功循環モデルに対する考察

さて1月。有難いことに多くの会社で研修を担当させて頂きました。テーマはそれぞれですが、コミュニケーション系の話も少なくありませんでした。
そこでは、だいたい成功循環モデルの話をします。
具体的にはこんなくだり(後述しますが、私は下記のような説明はしません)。

仕事の結果が上手くいっていないのは、周囲との関係性の質が悪い。だから思考の質が低下し、行動も消極的になる。なので、結果が更に悪くなる。
成功を求めるのであれば、まずは周囲との関係をよくし、思考力を高めて行動の質を高めよう。そうすると結果も変わるはずだ。だからまずはコミュニケーションが大切だ!

(ダニエル・キムの組織の成功循環モデルのよくある解説)

的な。
一見これは正しそうに見えますが、本当に関係の質が良くなれば、ビジネス上の結果が出るのでしょうか?うーん、一部共感はするものの、本当かいな。

銀座の日本料理屋さん、お客さんとの会話のほとんどは大将だけで、お弟子さんは黙々と仕事をされていて、素晴らしい料理を作ってくれました。
翻って我々の仕事では如何でしょうか。
大きく振り子をふって単純に考えれば、上司の関係性が良くても、顧客のニーズに応えることが出来なかったら結果は出ません。逆に上司との関係性が例え最悪であっても、結果を出す人はいます。

▼関係性の向上と結果の向上に因果関係はあるのか?

受講者の皆さんから、
・●●さんがこんなことを考えている、どう会話したいのか
・▲▲さんの価値観はこうだ、だから私と合う/合わない
とか。
少し冷静に、そして引いた視点で見ると、例えば一人一人の価値観や思いを吐露して聞いて共有し、理解することは人として大切なことだけど、仕事の結果が出るのかな?

関係の質が担保されることによって、聞きやすい/言いやすいという状態が生まれ、情報の受け渡しがスムーズになり、仕事の円滑化には必要かもしれません。ただ、色々話すが故に価値観の相違や理解できないことも認識することになったり、理解したが故に本当に伝えたいことを遠慮して伝えられなくなったり。
もしかしたら、組織を円滑に回すためのコミュニケーションが、逆に組織に混乱をきたしているのではないか、と感じてしまいました。

なんとなくですが、我々はコミュニケーションが大事だ、といいつつ、コミュニケーションを気にし、コミュニケーションによって傷つき翻弄され、コミュニケーションの呪縛に囚われすぎているのではないのでしょうか。

そして、研修をする我々発信者も表層的な言葉だけを取り、●●大学の教授が言っているからそれは正しい、と、盲目的になりすぎていませんかね?深層面で理解をさぼっていませんか?
(教授だって論文だって、間違えていることはありますよ。発信者が自分のアタマで考えず、全部鵜呑みにしちゃっている。この現状を、私の言うところのこの業界自体が”権威主義的”になっている、ということ。Wさん、これが私の解です)

ちなみに、ダニエルキムの言いたいことは本当にこのようなことなのでしょうか?言葉だけ独り歩きしていませんか? 
多分、

ちがうちがう そうじゃ そうじゃ な~い

と思っていると思いますよ。

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