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内モンゴルの草原を駆ける

馬に乗った。と言うか、駆けた。
「ちょい浮かせて、やや前傾姿勢で。」
くらいしか事前説明なく、いきなり駆ける。

不要跑啊啊啊〜!駆けること小1時間。

给我站住!慢一点儿!叫び続けるがどうにも止まらない。

怖いと言うより、痛い。どこに力を入れて良いかわからないので、無駄に力が入ってるのだろう。しかも、標高2000mを超える草原では、駆けると息切れするのだ。


内モンゴルでは、女子も3歳から馬に乗ってるそうな。日本人が自転車に乗るより早い。

仔馬は繋いでいなくても、親馬のあとをついて走ってくるのが可愛らしい。

途中、遊牧民のお家訪問。馬乳酒はなかった。代わりに、白酒があった。ミルクを使ったお菓子とバター茶が出てきた。どうやら、馬乳酒は、日本でいう雑穀的(=貧乏の象徴)な扱い。白酒は白米なのだ。

数年前にモンゴルのパオで5日間滞在したときは、毎日人参とキャベツの千切りのようなものと、乳製品しか出てこなかった。肉はほとんど食べないらしかった。馬になった気分がする食事でしたが、その分、乳製品の加工食が色々見れて楽しかった。

特に乳製品の加工食を学ぶにはやはりモンゴルなのです。
モンゴルの馬はあまり言うこと聞いてくれなかったので、お手軽に草原を駆けるなら内モンゴルがおすすめかも?


たぶん、日本じゃ、初心者でこんなけ駆け出すこともないだろう。体が痛いながらに、馬のリズムに合わせようとしていたら、最後風に近づいた気がした。

暮らしを応援するフェア・トラベル

内蒙古での乗馬の時に「100元だったけど値切って40元にしてもらった」とか、なんだか自慢げに話してる日本人がいた。
私は社会人になってから言い値で払っている。ぼったくられてるよ、と言う人もいる。

しかーし!遊牧民の収入は乗馬と羊の肉を売ることしかないのだ。

もし、サラリーマンと同じくらい稼げないなら、きっと遊牧をやめて都市に出て行ってしまうだろう。それって、持続可能じゃない。

逆に、日本で通訳ガイドをするときは1日3万が平均値だ。10人参加者がいたら1人3千円だけど、1人しか参加者がいなくても3万もらう。高いよ、と思う人もいるかもしれない。でも、値切ってくる人はいない。

生産地に生きる民の暮らしが、消費地でしかなく、生産を産まない都市のサラリーマンと同じくらいに稼げなければ、持続可能にならない。暮らしを支えることも、観光客の役割なのだと思っている。だから、物を買うときも値切らないようにしている。ぼったくりと言うか、むしろ、値切ることが搾取なのじゃないかと思う。

まあ、学生だとお金がないのは仕方ないのであるが、都市部の一日のバイト代を考えてみよう。フェア・トレードならぬ、「フェア・トラベル」があってもいいと思うのだ。

(明らかに街中でふっかけてくる怪しいおじさんには、真面目に働こうね、と突っ込むことはありまする・・・)


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