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上阪塾と、さとなおラボと、本気ゼミ。

大人になってから友達を作るのは難しい。
そんな言葉をよく聞く。

というか私の場合、子どもの頃も、友達を作るのはじゅうぶん難しかった。
運動部だったから、先輩はいる。後輩もいる。ライバルもいる。
あと、運動部以外だと、彼氏とか彼氏っぽいのとか。
でも、友達って、なかなかうまくつくれなかった。

なんだけど、この6年ほど。ものすっごく友達が増えた。それは、

上阪塾(上阪徹さんのブックライター塾)と、
さとなおラボ(佐藤尚之さんのコミュニケーションラボ)と、
本気ゼミ(高橋朋宏さんの本気で著者になる出版ゼミ→その後タカトモさんが独立されブックオリティに発展)に通ったから。

大人になってから学ぶ場所。
そこで(多分)生涯の友人を作りやすいのは、おそらく、共通言語を持てるからだと思う。

書くことやコミュニケーションデザインや書籍を出すことの先に、存在して欲しい世界はどんな世界なのか。その共通言語があるから、安心して「違う意見」を言える。

上阪塾では「ライターは作家ではない。ビジネスパーソンたれ」という共通言語を
さとなおラボでは「誰かをちょっとだけ笑顔に、世界をちょっとだけよくしたい」という共通言語を
本気ゼミでは「名刺がわりの本なんか絶対出してはいけない」という共通言語を私たちは学んで、
だから今でも、久しぶり、の次にはすぐに会話が跳ねる。 

私はこう見えても礼儀正しくて警戒心が強いタイプだと思うのだけれど、この3つのコミュニティで、(時間はかかりながらも)心をまっすぐひらけたのは
それぞれの場所で、心理的安全性を担保してくださった、上阪さん、さとなおさん、タカトモさんの存在が大きい。


宣伝会議などでお話していると、「上阪塾ってどんな感じですか?」とか「さとなおラボって楽しい?」とか「ブックオリティ通うかどうか迷ってる」とか質問されることが多いので、この機会に、私のからだの何割かを形成している、この3つの学び舎と仲間、そしてそこから発展して私がこれから取り組もうとしていることについて書こうと思いました。


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上阪さんのブックライター塾は、私にとっては、まっとうで健全で明るい場所。集まってくる人たちも、なにか陽の気をまとっている人が多いと感じます。これは、上阪さんのお人柄によるところが大きいと思う。

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ブックライターは、かつてはゴーストライターと呼ばれた日陰の職業だったけど、それを日の当たる場所に引き出し、めっぽう明るく楽しくいい仕事だと連呼してくださっているのが上阪さんだ。

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↑いま、丸善JUNKU堂渋谷店さんで上阪さんのフェアが行われています。ブックライターがこんなふうに取り上げられる存在になったのは上阪さんのご功績の賜物。

上阪さんはもともときっと明るくポジティブシンキングな方なのだと思うけれど、でも私たちのために、この仕事の光が当たっている部分をより強調してくださっていることがわかる。

この明るさは、ともすれば目先の原稿に参ってしまいそうになる私たちにとっては大きな救いだし、何かあったときに戻ればいい場所があるということは、とってもありがたいことです。
卒塾後も、迷った時は何度も相談にのっていただき、私が10行くらいで質問したことに、100行のメッセージで返信をくださるような方です。

原稿の書き方以上に、プロの仕事人としての安定感や、業界を背負う覚悟のようなものを、私は上阪さんから学んでいます。

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仲間たちも、すごく素敵で、書店に行くと、彼/彼女たちがライティングした書籍がずらっと並んでいる。あれもこれもそれも……。書店さんには友達だらけ。そんな楽しい気分になります。

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日本語を日本語に翻訳する。
同じ仕事をする仲間たち。
だから彼女たちから受けるシビアでリアルな原稿フィードバックも、優しいサポートも、ぜんぶ自分の仕事に直結していて、彼女たちなしの私は、いまや考えにくい。

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上阪さんは昨年、心筋梗塞を起こされて緊急入院された。

上阪さんを失ったら私たちは絶対的な太陽の光を失ってしまう気がする。
だから、毎週末必ずオフにされ、楽しそうにビールを飲んでらっしゃる投稿を見ると、毎週ほっとします。あの投稿は私の癒しでもある。
そして、まだ週末に原稿を持ち越している自分のダメさ加減に毎週気づきます。週末に毎週ビールを飲めるライターにならないとプロとは言えない。

いまちょうど7期を仮募集しているところです。書籍ライターになりたい人は迷わず参加していいと思う。


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一方で、さとなおラボには、酸いも甘いも、陰も陽もある。これは、さとなおさんが、内省の人だし、哲学の人(比喩)だからだと思う。

先日、さとなおさんのもとに、新刊を持参したら、その前日に『悩んでも10秒』を上梓されたジョン(松田紀子さん)がいて、


とても大切な友人2人が1日違いで本出した!昨日松田紀子が『悩んでも10秒』、今日佐藤友美が『女は、髪で、生きていく』。「悩んだら10日」で「男は、髪が、抜けていく」のボクですが、我がことのようにうれしいよ!


もう、これ、さとなおさん、ほんとその通りだなあと笑ってしまったのだけれど(「悩んだら10日」のところ。決して抜けていく髪の話ではない)、

さとなおさんは、すごくいろんなことにくよくよされる方だ。

さらっと誤魔化せばいいところを、逐一丁寧に、くよくよされて内省されて、超大御所なのに、後輩のいうことにも真摯に耳を傾けて、つねに自身と自説のアップデートを繰り返されている。

「いつでも自分を否定する準備を持って、アップデートしていくこと」

これは、いうほど簡単なことではないと思う。これができないから、いろんな「かつてのスター」が消えていくわけで。
そして、さとなおさんが、そんなくよくよしているさなかの背中をいつも私たちに見せてくれるから、私たちも安心してくよくよできる。
さとなおさんだってまだ暫定解で生きてらっしゃるんだ。私たちが迷ったり間違ったりするのは当たり前。そう思わせてもらえる。

さとなおさんはよく、人生のピークを80代に持っていけとおっしゃる。
簡単に飛ばされない、砂のひとつぶになれ、とおっしゃる。

上阪さんが太陽だとしたら、さとなおさんのこの言葉は、私にとって、北極星のような指針だ。

さとなおラボのみんなと会うと、ふとした瞬間に、深いところや昏いところに潜る感覚がある。ままならないこと、うまくいかないことを、私たちは内包しながら、でも世界がちょっとでもいい世界になるようにと祈りながら、生きてるんだなあと、そんなことを感じる。

それは、夜が明ける前のグラデーション。日が落ちる直前のマジックアワー。

このメンバーとは、よく旅行にいった。宮津に、神山に、魚沼に、アイラに。

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旅行ができる仲間ってすごいなと思う。

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毎回メンバーは違うし、毎回「はじめまして」の人もいるのだけれど、いつだって気持ちいい。
いろんな職業のいろんな趣味を持つ魅力的な人たちの話を聞くのは、いつだって楽しい。

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このメンバーには、信じられないくらい弱みを見せた。 
これはたぶん、さとなおさんの影響。

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私はこれまで、リタイアするくらいならエントリーしないと決めていたし、弱音を吐くくらいなら勝負に出るなよと思っていたクチだ。
だけど、最近ちょっとだけキツイ、と言えるねえさんたちがいることは、もう、なんだろ。ほぼセーフティネット。
そのたびに、ねえさんたちは、ビタミン剤やら(文字通り)、カンフル剤やら(比喩)、美味しいお料理や(文字通り)、包むような言葉(比喩)を「ほら、さとゆみ」っていって差し出してくれる。

私にとってここは、病める時も健やかなる時も、まるっと自分のまま暖簾をくぐれる場所だ。

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男も女もみんなめっぽう優しい。ここにいると、わたしも優しい人になりたいなと思う。
誰かのピンチのときにはまっさきに駆けつけられる人になりたいなと思うし、誰かが嬉しいときは一緒に嬉しい嬉しい嬉しいって言いたい。


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そしてそして、「本気で著者になる出版ゼミ」。

サンマーク出版で開催された、「本気で著者になる出版ゼミ」。もうタイトルからしてやばい。

私は最初ちょっとした手違いで、著者になる気は毛頭ないのに、このゼミに申し込んでしまい、すごく苦しんだ。
正直言って渦中にいるときは、ただひたすら苦しいだけだった。なんでお金払ってこんなに苦しい思いしてるんだろうって思った。

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↑今年の新年会。大勢で集まるのは3年ぶりだったけれど、みんなものすっごく人生が好転していて素敵な報告会だった。

当時、そのゼミを主催されていたタカトモさんこと、高橋朋宏さんは、あのこんまりさんの本を編集された、日本を代表する編集者さん。
私は、そのサンマーク出版のゼミを経て、『女の運命は髪で変わる』という本を書かせてもらったのです。

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そのタカトモさんは、いまはブックオリティという出版業界の松下村塾を目指したゼミを立ち上げられていて、

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昨日は、そのブックオリティの1期卒業生から、記念すべき第一号の書籍が出て、出版記念パーティーだった。

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↑私はこのゼミの前身の出身なので、勝手に0期生だと思っているのだけれど、1期の皆さんとは仲良くさせてもらっていて、しょっちゅうお会いしている。同期ではないけど、5分の1同期みたいに思ってる。

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↑Shioriさんを守るナイト(騎士)の気分で黒服コスプレでパーティーに行ったのだけれど、そういう感じじゃなくてちょっと浮いたw

今回

『いぬと話す ねこと話す』

を上梓されたShioriさんは、この日のタカトモさんとのトークイベントで、
このブックオリティのゼミ期間中は「前向きな鬱状態だった」と語ってらして、そこにいたタカトモ門下生は全員「わーかーるー」と大反応していたのだけれど、

私にとっても、この著者ゼミは進退を突きつけられるというか、自分の底の浅さと、それでも書くためには踏みとどまって食いしばらなきゃいけない、血が混じっていても吐き出さなきゃいけない、そんなキツイ時間だった。
5000人の前で話す時も1ミリも緊張しないわたしが、プレゼンで声が震えたのはこの時が最初で最後だ。

卒業生としてタカトモさんに呼ばれ、1期のみなさんの前でトークさせていただいた時も、ゼミの会場に入った瞬間、あのきつかった記憶がフラッシュバックして、会場で吐きそうになった。

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↑同期のベストセラー作家、八木龍平さんと。八木さんはこの著者ゼミで本を出すことが決まったとき(『成功している人は、なぜ神社に行くのか』)、それまで勤めていらした会社をすぱっと辞められた。八木さんも会場に入った瞬間、フラッシュバックして気持ち悪くなったとおっしゃっていた。


間違いで入ってしまった著者ゼミで、縁あって本を書かせていただくことになった私。ありがたいことに、著者にしていただいた。
でも、本当に、著者になる覚悟ができたのは、正直いうと、つい最近です。

私はずっと、ライターだと思ってたし、これからもライターでいると思っていた。

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でも、著者になるとか、作家になるとか。

こういうのは、上手いからとか下手だからとかじゃなくて、「決め」の問題なんだと思った。
「決め」というのは、言葉を変えるとたぶん、覚悟みたいなものだと思う。1冊目のときは、その覚悟はなかったのかというと、それは、ごめんなさい。なかったと思う。

ちゃんと著者として、どこにも退路をおかずに本を書こうと決めて、今年、自分の本を書きました。

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本を出してから、いろんな場所にブックオリティのメンバーが出没してくれては、本を応援してくださる。

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↑のぶちゃん、あんた、公共の電波使って何言ってますのん。

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↑ハワイチームまで……(涙目)

応援もしてくれたし、私を追い込んでもくれた。処女作を書く人たちがこのエネルギーを持って挑んでくるのに、手垢のついた私が、どのエネルギー値で書けば、読んでくれる人に届くだろうか。
そんな喉元にナイフをつきつけてくれたのも、彼らだったんです。

この本を書いていた今年の夏、その半分くらいは、1期生のトミーが横にいてくれた。(ときどき正面にもいた)
もくもくと原稿書いていただけなので、話した時間はトータルで3時間くらいしかないけれど、でも、視界にいつも同志がいるというのは、心強かった。

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彼らの本がこれからどんどん出版されていくのを応援するのも、楽しみなのです。

ブックオリティは、もうすぐ4期生の募集をするそうです。

この間、3期のゼミにお邪魔したら、ビリギャルの坪田先生や、血流の堀江さんがいらして、「え、なんで生徒席に日本を代表するベストセラー作家が……」という、震えのとまらない塾になっていました。さすが松下村塾です。


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というわけで。


上阪塾と、さとなおラボと、本気ゼミ。

この3日間だけでも私は

→上阪塾の友人と一緒に原稿を書き、そこで文字数と原稿の深度の話をし
→さとなおラボの仲間がいる飲み会にふらっと出かけ
→トークイベントの会場についたら上阪塾と本気ゼミの友人がいて
→本気ゼミのご縁で出会った著者さんの出版記念パーティにいき
→新講座に行ったら、ラボとゼミの友人が来てくれていて
→ふたたびさとなおラボの友人とトマトサワー片手に出版の未来について語る
など

もし上阪塾とさとなおラボと本気ゼミに通っていなければ、この数日、私は何をしていたのだろう。(→もくもくと原稿書いてた→むしろ書け)


これまでずっと、ただただ、すばらしい学びの機会と仲間をくださった師匠たちに感謝をすることだらけだったのだけど、
ふと、この感謝の気持ちは何かでちゃんと形に残さなきゃなー、という気持ちになってきたのが、この1年。

次は何を学ぼうかとおもったとき、あれ? もうそっちじゃないんじゃないかと思った。受け取ったものを、ちゃんと手渡していく人にならなきゃいけないんじゃないか、と思った。

というわけで、これまで何度かオファーいただいても、あからさまに避けていた、「自分が生徒さんを持つ」ことに、2019年はチャレンジしました。

欲しがりで
知りたがりで
聞きたがりの私が、

自分が好きで
自分だけが好きで
自分ばかり上手くなりたい私が

誰かに何かを伝えていくことができるんだろうかというのは、ずっと心配だったのだけれど、あ、そうか、伝えるんじゃなくて、一緒に作ればいいのかと気づいたことで、私にもきっとできそうだって気がしてきた。

私にとって0期生ともいえる、ビューティライター講座のメンバーたちとは、なんというか最後、大家族みたいなかんじになれた気がする。

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文章のやりとりをするというのは、結構、抜き差しならない内臓のやりとりをすることに似ている。


だから、彼女たち17人とは、なかなかに密なやりとりをさせてもらったし、この講座の期間中に人生の大きな転機を迎えた人も何人もいた。

7ヶ月の講座の中で、一番考えていたのが、「書くこと」が彼女たちの生きることを支える力になってほしいなあということ。

そしてともに「書く仲間」が、彼女たちのピンチを救ったり、ハッピーを増幅させてくれたりするといいなあということ。


上阪さんや、さとなおさんや、タカトモさんが、私たちに授けてくれたフォースのように。そして4thのように。


ずっと付き合える仲間でいられたらいいなと思う。

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↑最終日に話したのは、ここからは友人になろうね、ということ。講師と生徒ではなく、ただの書いて生きていく仲間として、友人になろうね。で、一緒に書いて ”生き抜いて”いこうね。ということ。


ビューティライター講座の話を聞きつけて、宣伝会議さんが、専任講師のオファーをくださった。
過去の専任講師の顔ぶれを見て、一瞬ひるむが、でもこういうのもやっぱり、「私なんか」とかじゃなくて、「決め」の問題なんだと思う。
「やりたいです」というか、「できます」と伝えて、即決してもらった。

というわけで、師走のもっとも忙しい土曜日である昨日、宣伝会議さんで、全6回、さとゆみライター講座がスタートしました。

蓋をあけてみたら、上阪塾の人も、さとなおラボのゼミ仲間も、本気ゼミの仲間も来てくれて……(若干一名は強引に勧誘したのだけど)。嬉しい。

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↑初回の講座は、「書くことの9割は聞くこと」というテーマ。なので、ずっとずっと聞くことに集中していただきました。


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これから、この20人と、どんな臓物の交換ができるのか、楽しみです。


上阪塾が、さとなおラボが、本気ゼミが、私にくれた、
あったかくてピリっとした時間と包容力を。

わたしはわたしらしいやりかたで。


講座のみなさん、よろしくね。
塾の、ラボの、ゼミのみなさん、これからもよろしくお願いします。


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