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子育てと葬儀

子育てをしていると

『とかく自分のペースで生活できないことがストレスである』

と、よく聞きます。


しかしながら、私の場合自分のペースで生活した日々が遠い過去のようであまり気になりませんでした。

葬儀進行をしていたころの生活を少し紹介します。
私の場合、葬儀専門の司会業としての働き方は特定の葬祭場で専属契約はせず県内の葬祭場にてマイクを握っていました。

通夜葬儀の依頼は当日午前中か、14時前後に確定することが多いのです。時には17時葬祭場入りの仕事の依頼が、1630に来ることも稀にありました。

広いエリアを回っていたので、一日の最高走行距離は150キロを超えるときもあり、その日はさすがに少し疲れたなぁと感じたものです。
いつ仕事が来るかもわからないなか動くため、車の中には常に仕事用のスーツ、司会道具一式、化粧道具、そして遠方かつ早朝の仕事が連続して入った時のために宿泊セット3組が常に積まれていました。

そうそう。当時、独身であったこともあり遠方の仕事が重なった時や台風などの緊急事態に備えてホテル泊の準備もしていました。季節によっては、葬儀に間に合うけれど帰るに帰れない天候の時もありました。不思議と、天気が悪いときにかぎり葬儀が重なったりするもの。
でも大丈夫。
車には常に3着の着替えがありましたから。


大変な働き方に思えるでしょうが、現実はそうでもありません。
時間管理こそ自分の都合ではほとんどできませんでしたが、拘束時間はどんなに長くても4時間。重なったとしても、8時間です。

そんななか、仕事のためでもあり自分自身の楽しみでもあることがたくさんありました。ナレーションを作成するにあたり、家族のお話をどれだけ短時間で受け止めて形にできるか。そのためには、どんなに自分の生活圏内から離れた地域であったとしても土地土地の空気感季節感、細かい風習のこと。地域に詳しくなることがとても重要です。現地の職員にお話を伺うだけでなく、自分自身でその土地を感じる時間を作る。調べる。道の駅や地域の商店街、街をあるく。
そういった時間は個人的な楽しみでもあり、お話を文章に起こすときの大切なことにつながっていました。

このように私は、確定したお休みは元日の午前中のみ、という毎日を9年程すごしてきました。
そんななかでも、車で走る町並みから季節を感じ見聞きする遠い街の生活を肌で感じることを大切にしてきたつもりです。

そんな毎日は、子育ての予行演習だったのかな?と2歳になる息子を見ながら最近感じています。
しかしながら、長期的な予定を組むことは苦手。今後の保育園、幼稚園、小学校入学等長い目で見た計画その他を日常と組み合わせて確実にやっていく部分は自分自身の課題だと感じています


葬儀進行をしていたことは、子育てで一番ストレスだとされる

『自分の思い通りに物事が進まないことのストレス』への耐性をつけることに大変役に立っていたのだ、というはなしでありました。

思い出整理 しちならべ



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