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2024年 4月 短歌まとめ

連作

花をむすぶ

花瓶には色鉛筆のみずいろで描いたカーネーションが息する

花になるための葉と幹と茎と根 すべてが春のための血管

錠剤を押して流して溶かす日々 不入山から始まる運河

前髪をオドレイ・トトゥにした午後は運良く苺がもらえたりする

小さな死 桜の雨は冷たくて アスファルトはアスファルトのままで

副作用につき

リクルートスーツで信号を待つ子ら 生きてるだけでえらいね えらい

友だちは少ないけれど密だから普通に裏切られたりしてる(笑)

要点はパワーポイントにあるからだぁれも話し始めない部屋

悲しみに打ちひしがれることもなく 眠る 空が消灯している

手のひらの真珠を飲んで不安から逃げる足元は浅瀬の海

計算用紙ください

標準化されてしまった「推し活」にわたしの感情が収まらない

不都合な愛はなかったことになるそこらじゅうに散らばるガラス

忘れたと思った夜に夢に出てわたしを決してはなさぬ瞳

戦争が起きたらあなたはどうなるの 私はどうなるのよ、ねえ。

たくさんのとにかくたくさんのたまごを割り続けてるおじさんがいる

夜行船の窓から

いつの日か三十一文字になれるかも 手帳の端にことばの蚕

錠剤を飲み散らかして夜になる きらきらひかる 碧い貝殻

北極星かと思ったらシリウスで 吾が船はあちらこちらの闇へ

「そんな日もあるよね」なんて割り切った 四年一緒に住んでる病気

シール付きチョコレートのチョコレートの方だけど革命家になれるかも

コラム

なかなか思うようにいかない体調を
すべて春のせいにしていたら、
気温が言い訳するなと言ってきたので
ゲロを吐いてしまいました。ね〜。

今月は連作を四つも編めて、
こりゃあなかなかやったぞと我ながら思います。

最近は思いついたフレーズを「言葉の種」として、
手帳に書き留めたり、スマホのメモに残したり。
それらが詩歌として芽吹いていくのを
ぼーっと眺めています。

まあ私が詠んでるんですけどね。

来月もほどほどにね、いのるちゃん……。

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