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銀河帝国本同好会 ②「非Aの世界」A・E・ヴァン・ヴォークト

銀河帝国が出てくる本をご紹介する読書レビューの第2回目です。
この作品での帝国はちょっと趣が違ってて、いくつもの「銀河系帝国」が存在し、それらが一つの「連盟」を形作っているというものです。
しかし、そうした設定はあまり本筋と関係なく、物語はひたすら主人公ギルバート・ゴッセンが自分のアイデンティティを求めてさまよう、いわばハードボイルド宇宙SFというべきお話です。
ゴッセンは、名誉と金星行きの切符が手に入る「ゲーム」に参加するため、巨大なゲーム機械の存在する機械市にやってきます。
ところが到着後間も無く、自分の記憶が何者かに植え付けられた偽物であるという疑惑に直面します。
その後は、もうボーッとしてたら置いてけぼりにされそうな大胆で奇抜な展開が続いていきます。
こうしたSF小説を「ワイドスクリーンバロック」と言うそうです。
一番驚いたのは、地球の都市や金星の森を舞台にゴッセンの主観で続いていたと思ったら、いきなり帝国の権力者が外宇宙の惑星で宇宙生物狩りに興じているというシーンが登場したところです。
いきなり、スペースオペラです。😮
とにかく、不条理小説のような描写に翻弄されるのがお好きな方は楽しめると思います。
しかも、続編があるんですよね。
読んでみようか、迷ってる自分がいたりしますが…

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