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銀河帝国本同好会 ③ 「デューン 砂漠の神皇帝」フランク・ハーバート

最新の映画化作品が絶賛公開間近の「デューン」ですが、あえて「砂の惑星」ではなく続々々編にあたる「砂漠の新皇帝」を取り上げてみました。
理由は、なんと言っても主人公レト二世のキャラクターが強烈だからです。
レト二世は「砂の惑星」の主人公ポウルの息子で、選ばれし者「クイサッツ・ハデラッハ」の遺伝子を持っています。
彼は前作「砂丘の子供たち」の終盤で、砂虫サンドウォームの幼体である砂鱒と合体(全身に小さな黒い生物である砂鱒を付着させ全身タイツみたいな状態になります)し、人に非るものに進化してしまいます。
本編「砂漠の神皇帝」ではほぼ砂虫状の生き物になっていて、その巨体で戦い、相手を押しつぶしたりします。
カフカかよとも思いますが、この姿で千五百年という途方もない年月、銀河帝国に君臨するのですから、そのスケールには唸らざるを得ません。
ある意味、どんな国の「皇帝」も、その権力と人間関係が可視化されたりしたら、こういうお化けに見えるのかもしれません。
究極の君主、銀河皇帝の一つの姿として、大いに興味をそそられる存在です。
いつか「砂の惑星」から読み直してみたいものです。

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