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高齢者の運動は低負荷もいいです!

こんにちは!さっとんです。
毎日朝、職場で同僚と筋トレを行い、37歳の体に刺激を入れ続けている今日この頃です。私より若いスタッフと運動するのは本当楽しいです!

今回は高齢者の「運動の負荷量」ってどのくらいがいいの?ってテーマでお届けします。

・運動は高強度でないと効果ないの?
・自分の提供しているリハビリはもっと強度を上げるべきなのか?
・運動療法中の強度設定が難しい

と思う方もおられるのではないのでしょうか?

今回はその疑問に対して私なりの視点をお伝えしていきます。

結論から申しますと

・高齢者への運動は低強度も効果ありです!
・低強度運動は脳機能にめっちゃいいです!


ではよろしくお願いします。

私が高齢者の運動に対して一番意識していることは「継続」です!

まずは「運動」の定義から見てみましょう。

運動とは体力の維持・向上を目的として計画的・継続的に実施されること
   引 厚生労働省 健康づくりのための身体活動基準2013

とあります。

一般的に筋力トレーニングや有酸素運動において、中等度から高強度の負荷量、主観的運動強度でも「ややきつい」「きつい」が推奨されていますね!もちろんこの運動での効果が高い報告が多くあります!とても大事です。

あくまで私の考えですが、この負荷量だと毎回、高齢者に「きつさ」をともなう運動を提供することにもなります。

継続の視点や安全面から考えても、果たして「きつい」運動を毎日積極的に取り組んでいけるのかなと考えてしまいます。
自分におきかえても続けられません(汗)

中等度以上の運動に対して高齢者が日常的に実施しているかの調査で、対象者1349名中、週2回以上中強度で8.6%(116名)高強度で0.8%(11名)に過ぎない。99.8%(1222名)は基準を満たしていない。

との報告もあります。強い負荷量で運動を継続することは容易ではないとゆうことですね。

以上のことから、私は継続運動への運動意欲を高める為にも低強度の運動も必要だと考えています。

脳機能における低強度運動の効果とは?

運動の指令や体を動かしているのはですよね!なのでこの重要な脳機能にどんな効果があるかお伝えしていきます。
ごちゃごちゃ書いてしまいますので、お時間が許す方はお読み下さい(汗)

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【視床下部】

身体のホメオスタシスを常に一定にしている重要な役割

中等度以上の運動⇒ホメオスタシスを維持することが困難となり、身体へのストレス増加、負の感情、疲労が蓄積される。

低強度での運動⇒視床下部の高まりは認められない。
運動に対してのストレスを感じにくくなるとゆうことですね!

【脳幹】

運動に対して呼吸や循環の調節

低負荷でも呼吸数や心拍数は高まり機能向上、ストレス減弱ホルモンの分泌が増加する。
ホルモン名(プロラクチン放出ペプチド)
←ややこしい(汗)

【海馬】

神経新生、脳が活性化する

【運動前野】

実行機能を司る、運動のプログラミング。高齢者では機能低下が著明。

活動性の増加、左右の前頭前野を補助する機能が高まる

目が疲れてしまった方すいません。

ざっくりまとめると低強度の運動はストレスを軽減し、脳機能を高めるアプローチにもなるとゆうことです!

加齢により脳機能は低下していきます。
機能低下していく大きい負荷量で脳に更にストレスを与え続けることはもしかしたら、リスクかもしれません。

筋肉や可動域も大事ですが、常にそれをコントロールしているのはなので運動療法を行う際は、必ず脳機能への影響を考えることは重要なのではないでしょうか。←客観的な評価は外側からはできないですが(汗)

低強度での筋力トレーニングの効果は?

・低強度の筋力トレーニングは、高強度の筋力トレーニングよりも筋肉量や筋力の増大にやや効果が低い可能性があるが、筋肉量や筋力の維持には十分効果がある
身体機能の向上については顕著な違いはない
・筋力トレーニングとしての強度を従来の基準より低く設定しても、期間が長期にわたれば効果が得られる

との報告があります。血圧の上昇や安全面からも低強度での筋トレは臨床でも使えるのではないでしょうか!そして継続することは大事みたいですね。

低強度での有酸素運動の効果は?

最大酸素摂取量の30%に相当する運動を10分行うだけで、脳の前頭前夜の機能が強化され実行機能が高まる

との報告もあります。
負荷量を上げ続けなくても効果がある可能性はありますね。

私は普段、自転車エルゴメーターの運動で「どの位でこげばいい?」と聞かれた際は、30~50%の酸素摂取量で心拍数を計算しています。

日常生活動作に必要な有酸素能力
・低負荷の動作⇒靴ひもを結ぶ、スカーフを巻くなど
 32.2±8.1VO2max
・中等度の動作⇒掃除、洗濯など         
 42.7±10.8VO2max
・高負荷の動作⇒歩行階段昇降など       
 50.3±12.3VO2max

主観的には「会話しながら行える位」でお伝えし、そうすると「これ位でも大丈夫なんだね」と安心される方も多いです。

低強度運動の効果を勉強してからは、利用者様に
「無理をしない運動でも十分効果がありますよ!」と根拠を持って声かけできるようになりました。運動は「きついこと」の先入観がなくなることで、運動意欲や活動性の増加にも繋がると考えています。

最後にお伝えしたいこと

低強度での運動に効果があるとゆうことは、日常での生活動作は十分な運動になるとゆうことです。少しの例ですが、

・入院患者様であれば病院内のトイレまでの移動が自立すること
・シンプルに歩くこと
・少しでも活動時間が増えること
・家事をすること
・家族と外出すること

私達、専門家が関わることができるのは一日の中でほんの少しの時間です。
それ以外の時間に特別な器具がなくても、専門家がいなくても日常生活動作の中に有効な運動効果があることをお伝えできればと思います。

運動効果=難しくて、きつく、特別なことをしないといけない

そんな運動への先入観もなくしていければ、もっと高齢者も楽に運動やリハビリが継続できるのではないでしょうか!

もちろん、状態やリハビリの段階によっては高強度の運動が必要になると思います。一つの視点の広がりとしてお伝えできればと思います。

長々とえらそうに書いてすいません。
お伝えしたいことが多くなってしまいましたが、普段のリハビリで何か参考になると嬉しいです!

最後までお読み頂き本当にありがとうございます。

高齢者のパフォーマンスアップをお手伝いしていきます!


参考文献
・市橋則明 高齢者の機能障害に対する運動療法 文光堂
・久保山直己 高齢者の健康づくりにおける低強度運動の有効性について
・久野譜也 高齢者の筋特性と筋力トレーニング

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