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グルと過ごせば…(2)

夢は正夢


サダナンダ先生が一番饒舌になるのは、いつも成田のゲートを出てきてからの2時間です。

車の後部座席に乗り込むと、チャイを一杯飲みながら、堰を切ったように、「ダンナは元気かね?いつ会えるのだ?」とか、「今度こんなプロジェクトを始めることにした」とか、積もり積もった話を、流れるように語りはじめます。

今回、先生はガンプロジェクトなどにつづいて、新しく3つのプロジェクトを始めようとなさっていました。

1)神経系の疾患 特にパーキンソン病に対して
2)糖尿病に対して
3)心臓病に対して

「そのためには質の良い薬が必要だ。今、人々は化学的なものに侵された食物ばかり口にして、免疫力が落ちてしまっている。本当に良い薬草に出会えることも少なくなった。インドには28の州がある、そこに それぞれセンターを作って、例えば、1つの州で 、そこの名産である薬草の、本当に品質の良いものを10づつ入手できれば、全部で300にはなる。それを使って….」と、こんな話をする時に、決まって先生の口から出てくる言葉は3つ。

3つの言葉

ひとつめは、But we need money(だが、金が必要だ)。

…ああ、ビルゲイツでも、誰でもいいから、超お金持ちが、この計画の素晴らしさに気づいて ポンと寄付をしてくれないものか…。

先生に、お金の心配なく、こうしたことをさせてあげられたら、人類のために飛躍的によいことができるだろうに…と、つくづく思い、そうさせてあげられない自分のビジネスセンスのなさを残念に思うのでした。

ふたつめは、Quality should be(品質を落としてはいかん)で、

みっつめは、No compromise(妥協してはいけない)....

こんな調子で、先生は私に語るというより、あたためてきた夢を語りながら、車の中に、ポジティブなエネルギーを溢れさせていく。

日本についても、こんなやりとりになった。

「日本には、血液を浄化するプログラムが必要だ。」

「アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患ですね?」

「そうだ。とても特徴的だ。そのためには人々を一箇所に宿泊させて、治療を行い、夜は教育をして、午後は料理を作って…という具合に..」

「ああ、リトリートですね….まさに私たちも今それをしたいと思っていました。そのために、福島にお連れするのですよ。ここの施設で私たちは一週間くらいのキャンプをやりたいのです。」

「わかった。人々の役に立つように、実践的に、臨床経験豊富な、若い医師を1人送ろう。ここの気候や食べ物をわかってこそ初めて、最適な治療ができる。そのためには2〜3か月はかかる。最低でも1年くらい日本にすまわせれば…」

「いやいやいや、そんな人送られても食べさせられないですよ〜!」

「日本のあちこちにセンターを作って、そこへ行って治療をするようにしなさい、一度に無理なら、まず1つを作ってそれから次でもいい。」

「先生、私は医者じゃないから、治療ができるって言えないし、インドのお医者さんを送ってくれても、日本の医者とセットで働いてもらわなくてはならないんですよ。そんな人たちを養うほどには稼げないし、もう60歳なんですから、あとは後進に道をゆずって、私は自分の糊口をしのげればそれでいいので…」と、いいかけると「Listen (聞きなさい)」、と話を遮られた。

「Listen (聞きなさい)」

「聞きなさい、今、君は、この20年の経験、知恵、技術、全てが熟している。これを注ぎ込んで国内のあちこちにセンターを作りなさい。そして、そこへ教えに行って、そこの人たちを教育して、そこから広げていくようにするのだ。そうすれば、自分の稼ぎにもなる。お金は必要だ。我々は知識を占有しているべきではない。知識を与えても、独立していくものもあるだろう。だが、一緒にやる人たちもいるはずだ。だから、やりなさい。専門家として、優秀な人材に来てもらうためにはお金が必要だ。彼らは低いレベルに降りてきてはくれない。だから、我々が高いお金を出して教えにきてもらい、その高みへいくのだ。そのためにもお金が必要だ。稼ぐことは悪いことではない。飲み食いやパーティーをしようと言うのではない。こういう目的のためには稼ぐことも必要なのだ。」

こんな話を、先生はいつも、私にしながら、自分で自分に言い聞かせたり、確認したりしながら話しているようにも見える。

トンネル

面白かったのは、日立を過ぎたあたりで、長く、いくつものトンネルが続くところがある。先生が、重要なことを言おうとするたびに、トンネルが来て、うるさいので、黙らなければならず、話し出すと、またトンネルが続いて話の続きはお預けになってしまい、6つ目のトンネルに入ったあたりでは 私はもう、何の話をしているのか思い出せなくなってしまった。笑

だが先生はしっかり覚えていて、さっきの続きのところからドンピシャと、まるで何もなかったかのように、ビデオの再生ボタンを押したかのように、話し始めることができる。さらに、そんなことをしながらも、「次のトンネルで最後だろう。明るさが違う」とか、しっかり観察していて、その通りになったりするのだから、本当に能力が高い。

人生の宝物

そして先生は時々、「そうだろう?」と言って、にこやかな笑顔を向けられた。それは本当に、本当に、もう、心の中のフィルムにしっかりと焼き付けておきたい笑顔だった。それが2回もあった。心の中の風景を現像できるアプリはないものかと思った。それほどに、貴重な瞬間だった。私の人生の中の宝物だ。

私にはビジネスセンスがない。自由診療のクリニックのチェーン店をつくるような、畑ちがいのハードワークは私にはできない。だが、そのために働く人たちを作ることならできる。明日からは福島へいって、セラピスト養成コースを行います。

アーユルヴェーダの部分施術をきちんと習いたい人は、

10月のインドで行うセラピストコースへ来てください。

また、サダナンダ先生にあってみたい人は、同じく10月にゴアで行われるグルックラツアーへおいでください。

どこまでもポジティブな、先生のパワーに触れることができますよ!

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