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【お知らせ】渋谷敦志写真集『今日という日を摘み取れ』の売上金を、パレスチナで緊急対応中の「国境なき医師団」に寄付します(2023年11月25日〜12月25日)

2023年10月以降、イスラエル-パレスチナ間の衝突が激化し、パレスチナ・ガザ地区の人道状況が著しく悪化していることが報道されています。

この情勢を受け、サウダージ・ブックスは2023年11月25日から12月25日まで、写真集『今日という日を摘み取れ』の売上金をすべて、国境なき医師団「緊急チーム募金」に寄付します。同団体によるパレスチナおよび近隣諸国での緊急援助に必要な活動資金が、「緊急チーム」募金から充当されます。


今日という日を摘み取れ 渋谷敦志写真集 Carpe Diem Photographs by Atsushi Shibuya【国境なき医師団寄付キャンペーン実施中(2023/11/25〜12/25)】


小社より刊行した写真集『今日という日を摘み取れ』には、著者で写真家・フォトジャーナリストの渋谷敦志さんが2002年にパレスチナ・ヨルダン川西岸で取材した写真とテクストが収録されています。

パレスチナ、カルキリア 2002 イスラエルがヨルダン川西岸の町カルキリアに建設した壁
©️渋谷敦志

 その土地で先祖代々暮らしてきた多くのアラブ人は故郷を追われ、難民となった。パレスチナ問題の発端だ。そして今も、分断を乗り越える橋はつくられず、人びとを分かつ壁ばかりが増えている。
 2002年、イスラエルとパレスチナの境界線に沿ってヨルダン川西岸を旅していたとき、目の前に突如、巨大なコンクリートの壁が姿を現した。
 イスラエルがテロ防止の名目で建設していたその壁は一般には「セキュリティ・ウォール」と呼ばれていたが、パレスチナ人は自分たちの移動の自由を奪い、囚人のように塀の中に監禁する壁を「アパルトヘイト・ウォール」と呼んでいた。
 異質な他者への恐怖心が生み出した壁。それは本当に人びとの生命と安全を守るものなのか。壁の存在によって深まる断絶は不信を増大させ、結果として先鋭化していく対立や憎悪を抑え込むために、さらなる暴力を引き起こすのではないだろうか。

——「Palestine パレスチナ ヨルダン川西岸」『今日という日を摘み取れ』(サウダージ・ブックス、2020年)より


渋谷さんは1999年、国境なき医師団が主催するMSFフォトジャーナリスト賞を受賞し、いまも写真家として活動を続けています。今回の寄付キャンペーンは、著者の全面的な協力のもとに実施されます。

写真集『今日という日を摘み取れ』は、世界各地の紛争・飢餓・災害をめぐる渋谷さんの証言活動の集大成として編まれました。本書がパレスチナをはじめとする人道危機の現実、そしてどんなに困難な状況の中でも生きようとする人間の尊厳について、理解を深めるための一助となることを願っています。

寄付の詳細に関しては、2023年12月末にあらためてサウダージ・ブックスのウェブサイトで報告いたします。みなさまのご支援・ご協力をいただければ幸甚に存じます。何卒、よろしくお願い申し上げます。

サウダージ・ブックス
代表 浅野佳代
編集人 アサノタカオ

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