「死」によって生命は永遠になった 読書記録#37
『面白くて眠れなくなる植物学』, 稲垣栄洋
身近な植物を、新しい観点から見れるようになる本です!私が特におもしろい、考えたいと思った部分を紹介します(^^)
1000年の命と、1年の命があるとしたら、あなたはどちらを選びますか?
本書で投げかけられている質問です。あなたの答えは、どちらでしょうか?
私は、しいて言えば、1000年かなあと思いました。1000年って長いなあ、でも1年は短いなあ… というのが正直な感想です。
では、植物の世界で考えてみましょう。数千年生きるような植物と、一年で枯れるような植物では、どちらが進化した形なのでしょうか。
本書によると、一年草の方が進化の過程では新しく出現したのだそうです。
なぜ?って疑問に思いますよね。
人間社会では、いかに長生きをするかに注目が置かれていると、私は感じています。なんだか、今までの観念とは反対のような、進化の過程です。
ここでポイントとなるのは、
永遠の命があることと、永遠の時を生き抜くことは別の問題であるということ
「死」は世代交代をする方法であるということ
です。
生き抜くことができなければ、永遠の命をもつ意味がありません。そして、個体が死んだとしても、種としての命は続いていくのです。
何千年の間には、地殻や気候の大きな変動や、病原菌による侵食など、さまざまな障害が起きる可能性があります。これらの変化に対応するためには、同じ個体が長生きするよりも、世代交代をしたほうが確実だというのです。
このようにして、植物は「限りある命」を選ぶようになったそうです。これは植物に限ったことではなく、動物を含む生物が、命をつなぐために、進化の過程で「死」を作りだしたというのです。
なんだか、ふわふわとした、ふしぎな世界をさまよっているような感覚になります。
「命」や「寿命」という言葉がもつ意味は、植物と人間では大きく異なりそうだと思いました。植物と意思の疎通ができたら、「そんな風に考えてるの!?」っていうカルチャーショックをたくさん受けそうです(笑)
この植物だったら、どんな風に考えるかなあ
って想像してみると、新しい観点から物事を考えられそうですね。
あの人だったらどう考えるかな?っていうのと同じように、想像してみる機会をもとうと思いました!
稲垣栄洋さんの本は、生き物の不思議な世界に飛びこめるので、とても好きです。興味がある方は、ぜひのぞいてみてください。この本は、kindle unlimitedでも読むことができます!
それでは、また~。
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