見出し画像

10代女性の【後輩のタメ口が気になる】をコーチングするとしたら?

😞 今回は、相談者が「タメ口をする後輩に振り回されている」事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#179


 16歳の高校生です。所属している部活動の1年生のうちの1人が敬語を使わないことが不満です。

 最初は10回に1回程度だったのですが、今ではもう10回に9回ぐらいの頻度になってしまいました。入部したばかりの頃は大目に見てあげようという気持ちでしたが、最近はやっぱり先輩に対する話し方としておかしいと思うようになってきました。

 言葉遣いも悪く、こいつ、お前、バカなどと言うこともあります。ふざけているとしても、やっぱり先輩と後輩の線を引く敬語がなくなってしまうのはおかしいと思います。

 その子は部内で最も技術があり、注意しづらい雰囲気があります。普通に接していると、面白くて、楽しい面もあるので関係を壊したくもありません。私は副部長という立場で、部長や仲間にも相談しています。本人に直接タメ口をやめるように注意しようと考えましたが、部のその後を考えるとためらってしまいます。今後、後輩とどう関わればいいでしょうか。(神奈川・F子)

(読売新聞2022年10月8日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者が話したい「困りごと」を受けとめ、まとめると

・部活動の1年生のうちの1人が敬語を使わず、言葉遣いも悪い。自分は副部長という立場で、本人にタメ口をやめるように注意したいが、その1年生は、部内で最も技術があり、注意しづらい雰囲気があり、部のその後を考えるとためらいがある。

▶︎「困りごと」を「願いごと」に転換して、話してもらうと

・今後、この後輩とどう関わればいいかを知りたい。

▶︎ 相談者の「困りごとのパターン」を考えてみると

  • 願いごとが不明確

  • 相手(タメ口をする、技術力の高い後輩)に振り回されている

  • 相手をコントロールしよう(変えよう)としている

  • かっとうに悩んでいる


🚩 ①相手の困りごと、願いごとを受けとめたうえで、②次の質問や展開をしてみること、を考えました

・なかなか悩ましい問題ですね。

・仮に、その後輩の言動が、もっとひどくなったら、どうしますか?
どのくらいまでがまんできそうですか?

・今の状況を放置すると、どのような展開になっていきそうですか?

もし、後輩の言動がもっとひどくなったら、どのような問題が生じてくるでしょうか?

・一方で、逆に、あなたが期待する方向で、その後輩が、本人自身で言動を修正してくれたら、どのような良い変化があると思われているのですか?

・あなたが副部長という立場で、部長や仲間にも相談したとき、ほかの人の意見はどうなのでしょうか?

・ところで、仮に、「あなた自身の言動が、あなたには悪気がないのに、その後輩のように、部のリーダーや仲間から問題だと思われている」と仮定したとき、あなたなら、リーダーや周りの人から、どのように注意やアドバイスを促してほしいと思いますか? 

どのように話されたら、素直に受け入れられそうですか?

注意を受けても、言動を変えるかどうかは、本人次第のところがありますが、「自分の言動が周りの人を不愉快にしていることに、本人も気づいていない場合」に、周りの人が、注意やアドバイスをしてくれないとしたら、本人としたら、そのことはどう思うでしょうか?

あなたなら、どう思いますか? もちろん、人によって考え方は違うと思います。

・話は変わりますが、今回のことをきっかけに、部の中で、「最低これだけは、お互いに守りたい、言葉づかいのルール」のようなものを、先輩、後輩も含めて、みんなで作るとしたら、どのようなルールになるでしょうか?

・そして、リーダーの立場として、そのようなルールを守れない部員がいた場合、注意される本人にとっては、そのことだけを指摘され、注意されるのと、その人の日頃の部活動への貢献や、その人のプラス面や強みのこと、などをいろいろとフィードバックしてもらったうえで、「これだけは守ってほしい」と丁寧に注意やアドバイスをされるのとでは、どんな違いがありそうですか?

・そして、以上のようなことをいろいろ考慮し、そのうえで、自分たちが話し合って決めた「いろいろ配慮したうえでの注意やアドバイス」を、その後輩に対してしたにもかかわらず、、その後輩が守ろうとしないという事態になったとき、それでも、その後輩の「技術力の高さ」をとりますか? 

そのような選択もあり得るとは思いますが、そのようにしたとき、部活動にどのような影響が出てくるでしょうか?

・今回のことは、「高校生の部活動のこと」とはいえ、割と難しい、人のマネジメント、組織のマネジメントの話であり、あなたのこれからの人生でも、ときに遭遇せざるをえない問題だと思います。この機会に、このような問題に、どのように対処していくかを学ぶよい機会だと思います。

がんばって、いろいろ、試してみられたらよいと思います。どんなことでも、すべてが、未来に向って、よい学びとなるでしょう。

✅参考:回答者(増田明美さん)の言葉です💖

 後輩のタメ口はこのまま放っておいたら、10回に10回になりそうですね。あなたが「おかしい」と思う気持ちに全く同感です。

 部活動は教育の一環で、勝つことだけが目的ではありません。そしてスポーツにおいても「心技体」と最初にくるのは「心」。目上の人に対する礼儀や言葉遣いを学ぶ場でもあります。それは社会に出てから役立つ、基本になりますからね。

 こういう選手が1人いると、チーム全体のムードにも影響がでると思いますが、なぜ顧問の先生は何も言わないのでしょうね。彼女が競技で活躍する人だから、機嫌を損ねないように気を使っているのかもしれません。でもこのままでは彼女自身も裸の王様になってしまいますよ。

 ここは顧問の先生に、しっかり言ってもらうようお願いしましょう。「部活動の時は先輩に敬語を使う。強いからこそ謙虚にならないといけない」ということが伝わればいいと思います。

 キンモクセイの香りも漂い始めました。あなたの知恵と勇気が、きっと部の空気を爽やかにするはずです。

(読売新聞2022年10月8日)

💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

 😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たすと幸せ感が増ず基本的欲求(ニーズ)

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい。人間関係、結びつき、親密、メンバーの一員など)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい。コントロール、達成、競争、影響力など)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい。自立、移動、選択、創造など)

  • 楽しみの欲求(楽しみたい、学びたい、追求したい。面白い、喜び、笑い)

  • 生存の欲求(生存に必要なことを満たしたい。安心、安全、健康、生殖など)


2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル


3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理 
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って、自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

🌻 選択理論の第2の原理 
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わる」と考える)

🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていること、に気づきましょう。

・同じ行動をするなら、いやいやでなく進んで行動をする方が自分のコントロール感も高く、自由度も広がる、と考えましょう。

🌻 外的コントロールをやめて、人間関係を近づける
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受けとめると相手は近づいてくる」ということを理解しましょう。

・いやがる相手を変えよう(コントロールしよう)としても、相手の抵抗を生み、相手との人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・(本人を外側から変えようとして)相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。

・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受けとめる、尊敬する、意見の違いについて交渉する、などの行動です。

・「人間関係を害する行動」をやめましょう。具体的には、強制する、批判する、責める、脅す、文句を言う、ガミガミ言う、罰を与える、ほうびで釣る、などの行動です。

🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動や反応(抵抗、攻撃、逃避など)も、自分のと同じく、相手が本人の基本的欲求やニーズや価値観を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。

相手も、あなたとの関係で、相手のどのような基本的欲求やニーズ、価値観が満たせていないか、について考えてみましょう。

・相手の大切な基本的欲求やニーズ、価値観を考えてみて、相手がそれを満たせるように、「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し、貢献しましょう。

・相手が相手の基本的欲求やニーズ、価値観を満たせるような、自分にリクエストしたい具体的な行動が何かあるか、を相手に聞いてみましょう。

 
🌻 自分と相手の「現状(のステージ)の知覚と将来の願望」
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるか、を具体的に考えてみましょう。

・相手は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入っていて)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるか、を具体的に考えてみましょう。

🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない)関係でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)を考えてみましょう。

そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのか、考えてみましょう。

・相手はあなたとの関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(立ち対置をどこにするのか)を考えてみましょう。

そして、そうであることによって、相手(職場、グループ)は自分とどのような関係を得たいのか、を考えてみましょう。

🌻 かっとう(二方向の矛盾する願いごと)への対処
・二方向のかっとうでは、それぞれの極端を考えてみることが、どちらの方向を選ぶにしても、また、自分の望む「立ち位置」を明確にすることにも役立ちます。

仮に、どちらかを選んだとして、それによって生じる問題に対して、どう対処するかを考えることで、最終的に自分のどのような選択をしたとしても、その選択に納得感を得ることに役立ちます。

🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指します)

そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。

・もし、第3者が「今の自分」の状況だったら、自分は「その第3者」の状況をどのように考え、どんなアドバイスをするか、を考えてみましょう。

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切な基本的欲求やニーズ、価値観が何か、を考えましょう。

・もし、自分の願いが実現したら、今とどう違ってくるか、そのときは、今と違う何をしているかを考えてみましょう。

🌻 現在とっている行動の自己評価と、これからの行動プラン
・自分が願っていることを実現するために、今どんな行動をしているか、それを続けていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるか、を考えてみましょう。

・「願いごとを実現するために、今、自分はどんな行動をとっているか」
「今している行動を続ければ、願いごとや欲求が満たされるだろうか」
という、自分の行動や状況の「自己評価」を口癖にしましょう。

・「もし願いが実現したときは、今と違うどんな行動をするだろうか」という具体的な行動を考えてみて、それらを先どりしてやりましょう。そして、どんな変化があるかを見てみましょう。
 

🌸<選択理論でコーチング塾のご案内>

将来に向けての、自分の社会活動のプラットフォームとして、「選択理論でコーチング塾」のサイトを立ち上げました。選択理論とコーチングについても、わかりやすく紹介しています。よかったら訪問してみてください。

「選択理論でコーチング塾」へはこちらからどうぞ


「選択理論でコーチング塾」へはこちらからどうぞ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?