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✅60代男性【中高生時代の悔しさ今も】を選択理論でコーチング人生案内#48

 「60代の男性。子どもたちは独立し、妻と2人暮らしです。世間的には満ち足りており、幸せだと思いますが、いまだに悔しく許せないことがあります。」

 中高一貫の進学校時代、次第に成績が下降して不登校気味にもなりましたが、自力で苦境を脱出して卒業しました。しかし、教師らが私に吐いた言葉や態度が忘れられず、今も「この野郎……」と口に出して怒りに打ち震えます。そんなやつらが世間では人の道を説く人間として評価されていたことも許せません。

 私は今では会社社長をしており、収入は平均以上あって、ボランティア活動や公的な役職にも就き、地元ではリーダーと見なされています。ただ、母校は進学校なので私が突出して成功しているとは言いがたいのがまた悔しいところです。

 同窓会でも「中高時代の挫折がなければ、俺が音頭を取っていたはずなのに」と思えてしまい、今は彼らのSNSも見ていません。心の持ちようを教えてください。(兵庫・H男)

(2022年3月6日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・中高生時代に教師らが自分に吐いた言葉や態度がいまだに悔しく許せず、心の持ちように、困っている。

・中高生時代の教師らが、世間では人の道を説く人間として評価されていたことも許せず、心の持ちように、困っている。

・自分は今では会社社長をしており、収入は平均以上あって、ボランティア活動や公的な役職にも就き、地元ではリーダーと見なされているが、母校は進学校なので、自分が突出して成功しているとは言いがたいのが悔しくて、心の持ちように、困っている。

相談者の「願いごと」

・中高生時代の教師の自分に対する言葉や態度、彼らが人の道を説く人間として評価されていたことなどを、許せるような(それはそれとして受け入れられるような)心の持ちようが出来るようになりたい。(推測)

・母校の卒業生の中で、「突出して成功しているとは言いがたい自分」を受け入れられるような心の持ちようができるようになりたい。(推測)

【ふだん使いをしやすいコーチングモデル】

「自分の考え方や見方、行動は、
自分が自由に選択できるし、変えられる」
と考えてみましょう。

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「中高生時代の教師の言葉や態度、彼らに対する世間の評価」に、自分が振り回されて、困っている。(今さら変えることができない「自分の外側のこと」に、振り回されている)

・「突出して成功しているとは言いがたい自分」に、自分が振り回されて困っている。(「もう一人の自分」に自分が振り回されている)

以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。 

【心に響く回答者(山田昌弘さん)の言葉】

 「たら、れば」をなくすことが幸せに生きるコツ、と聞いたことがあります。「あの時、もっと勉強していたら」「あんな教師がいなければ」と、過去が変えられないことはわかっていても、空想にふけって怒りをため込む。誰でも感じることです。それは悪いことではないですが、それにとらわれてしまうと人生が苦しくなります。

 「このような苦しい経験があったから、今の幸せな私がいるんだ」と考えることもできますね。神様をもちださなくてもよいですが、人生の「試練」を乗り越えて、幸せな生活を作り上げているという自信をもってよいと思います。

 「たら、れば」を感じるのは、どのような時ですか? たぶん、今現在、思い通りにいかないことがある時ではないですか。そのような時には、「過去は過去、今の問題に集中しよう」と唱えてください。

 「昔の嫌な人」を恨むのもけっこう、「自分より成功している同級生」に嫉妬するのもけっこう。ただ、彼らの存在はあなたの今の幸せをこれっぽっちも脅かすものではないことを心に留めてください。

(2022年3月6日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・ひょっとして、「中高生時代の教師の言葉や態度、彼らに対する世間の評価に対して、口に出して怒りに打ち震える時間」と「突出して成功しているとは言いがたい自分を悔しく思う時間」が未だ十分でないのではないでしょうか? 1ヶ月ほど、もっと徹底的に、毎日、時間を決めて、一人の場所で、それぞれ1時間ずつ、足りなければ2時間ずつ、大きく声に出し、表情や態度に出し、徹底的に、怒りや悔しさを出し尽くされたらいかがでしょうか?

・上のことを、徹底して、1ヶ月続けても、「中高生時代の教師の言葉や態度、彼らに対する世間の評価」に対する許せない気持ちも、「自分が突出して成功しているとは言いがたいことの悔しさ」も無くすことが無理なようでしたら、そのときは、「怒りも、悔しさも、消すのは無理なことなのだ」とあきらめてください。そして、それらのマイナスの気持ちを抱えながらも、それはそれとして、できれば、「どんな自分」でありたいと願っていらっしゃるのかを考えてみてください。

 そして、もし、そのような「なりたい自分」「ありたい自分」になれたとしたら、そのときは、具体的に、今とは異なる、どんな生活や行動をされていそうですか?
 できるだけたくさん、挙げてみてください。そして、その中の出来そうな行動を、小さくてもかまいませんので、やってみてください。すでにやっておられたら、もっとやってみてください。

・ところで、順番が逆になったかもしれませんが、今のマイナス感情に振り回されている状況を、あとどれくらいの期間はがまんできそうですか?

 ずっとがまんできそうなら、その理由は何でしょうか?

 もう一刻もがまんできないということなら、その理由は何でしょうか?

 ある程度はがまんできそうなら、その理由は何でしょうか?

・「中高生時代の教師の言葉や態度、彼らに対する世間の評価に対する許せない気持ち」や、「自分が突出して成功しているとは言いがたいことの悔しさ」がずっとあなたの中にあったために、あなたの人生にとって、有益だったことは何でしょうか? どちらも、あなたにとって、100%無意味なことだったのでしょうか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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