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中国発クライムサスペンス『ゴールド・ボーイ』を観てきた。

映画好きの友達が「面白かった」と言っていたので興味を持って、『ゴールド・ボーイ』を観てきた。
水曜日のサービスデーで祝日ということもあってか、思いの外混んでいた。満席だったんじゃないかと思う。3月8日公開なのに、もう1日1回上映になってしまっていて、何だかもったいない。レビューサイトの口コミも良いし、実際面白かったのでもったいないことだ。
早期に上映終了となってしまうかもしれないので、これから観るつもりの人はどうか早めに観に行ってほしい。観る価値はある。最後まで飽きさせない話だった。
原作は中国の小説で、日本では『悪童たち』というタイトルで文庫版が上下巻で発売している。上下巻ということはそれなりの長さがあるわけで、この話を2時間10分にまとめた脚本家の腕前はすごいな、と思った。原作も読みたい。
この映画に関しては、ネタバレなしで見た方が確実に面白いとネタバレ許容派の私ですら思ったので、どうかこれから観る人はネタバレ踏まずに見に行ってください。
というわけで、いつも通りネタバレありの感想は下にスクロールしてね!

















サイコパスの完全犯罪を偶然動画で撮ってしまった少年少女が、それをネタに金をゆすりとろうとする、クライムサスペンス。
しかし途中から風向きが変わり、急にお金のことを諦めて「その代わりに自分を殺人犯だと決めつけた自殺したクラスメイトの母親と、その母親と再婚した自分の実父を殺して欲しい」と主張し始める主人公。
主人公は実行犯にならず補習に出てアリバイを作り、ヒロインとヒロインの兄が実行犯になるんだけど、それも主人公の計算だった。
証拠隠滅に自分たちを毒を飲ませて殺そうとしたサイコパス岡田将生を出し抜いて殺し返し、更に実行犯の2人には毒のことを知らせずにそのまま死なせるという。
自殺した少女を殺したのも実は主人公。
本物のサイコパスは主人公だった、というオチ。
主人公の完全犯罪の唯一の綻びとなるのが、ヒロインからの手紙というのも良い。
彼女の手紙が母親の目に触れることで、主人公の罪が露見するのだけど、ヒロインは主人公のことは少しも責めてないんだよね。純粋に主人公のことが好きで、主人公のために人を殺して、主人公のせいで殺された少女の純情が、全ての罪を暴き出すきっかけになってしまう。恋心が全てを壊す。
主人公とヒロインは、名演技でしたね。演技上手いな、この子ら。将来が楽しみだ……。
主人公、羽村仁成くん、『リボルバー・リリー』の時は頼りないお坊ちゃんの役でパッとしない(そういう役だったんだが)感じだったのに、この映画ではバリバリのサイコパス少年を見事に演じていて、良かった。普通に怖かったもんな。平然と仲間を実行犯に仕立てて、平然と人を殺して、被害者を装うために自傷して、事件のことを聞かれてもいけしゃあしゃあと言い逃れする。犯罪を犯罪として理解していながら、何も悪いと思ってないのがわかる。
13歳までなら法律で守られるから殺人を犯しても大丈夫って平気で言うし、自分が14歳の誕生日を迎えたその日に殺人を犯したことも「困ったな」で済ませてしまう。末恐ろしい子。「5分もたないんだ」ってサラッと言ったところ、ゾクリとした。
いや、原作の『悪童たち』というタイトルはなかなかにピッタリで秀逸なのだけど、映画に関してはそれだとタイトルがネタバレといえばネタバレになるので(まあ、殺人犯を脅迫するあらすじは出ているけど)、この『ゴールド・ボーイ』というタイトルにしたのはある意味正解かもしれない。
いや、将来が楽しみな少年たちだな、というのが感想だった。あと、沖縄の景色が良い。絵になるよな。

ダブル主演なのに岡田将生の話をしていないけど、岡田将生も罪を罪と思わぬ外道サイコパスで良かった。

岡田将生の映画主演を観た最初が『さんかく窓の外側は夜』だったので、あの時の気弱そうなイメージがあったけど、こんな役もできるんだなぁ。

あー、上質なサスペンスを観た!という満足感があった。観に行ってよかったな!
また明日から原稿頑張ります!!

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