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オハヨー乳業が好きだから、その原材料を説明してコーヒー飲料の宣伝をしようと思う

 オハヨー乳業という乳業メーカーがある。
 ここのメイン商品で「ルカフェ」というチルドコーヒー(商品の種別としては乳飲料)がある。

Le CAFÉ MILK LATTE (ル·カフェ ミルクラテ) | コーヒー他 | オハヨー乳業株式会社 (ohayo-milk.co.jp)

 多くのスーパーで置かれており、品質にも定評があるので、見たことがある方も多いと思う。
 今回はこの商品の宣伝をもくろみ、原材料のコーヒー豆の話をしてみる。
 別に誰からも頼まれていないし、こんなところでそんなことを書いて何の宣伝になるのかと言われると耳が痛いが、まあまあいいじゃないですか。

 さてこの商品、フタ部分に、「100%ARABICA BEAN(100%アラビカ豆を使用しています)」と記述されている。
 これはなんのために書かれているのか? 100%アラビカ豆だったらなんだというのか? …という話だ。

 結論から言うと、アラビカ(種)というのはコーヒー豆の品種のことだ。
 特徴としては、一般的に味わいがよく香りがいい(もちろん低品質のものもあるだろうが)。半面、病気に弱く、育てるのが大変なので値段が高い。

 ルカフェはこのアラビカ種を100%使っていますよ、おいしいコーヒー飲料ですよ、というのがオハヨー乳業の主張なのだろう。
 いや、まあ、似たようなことしてるのはオハヨーだけではないんだけど、少なくともルカフェの品質を支えているのは、アラビカ種の厳選された豆というわけだ(多分)。

 あまり一般的にアラビカ種という名称が浸透しているとは思わないが、ただ「高品質の豆」「高級豆使用」とか書かれるよりは具体的だ。
 こうした細かいところに出るメーカーの矜持は、なるべく汲み取りたい。
 そもそもただ「高級」などと書いてあっても、アラビカ種とは限らないし。
 ま、そこは商売ですからね。

 一方、じゃあアラビカ種以外にはどんな種類があるんだという話になる。有名なのはカネフォラ種(ロブスタ種という方が有名だが)、ブルボン種などか。ティピカなどはアラビカ種に含まれる。

 アラビカ種に次ぐ生産量のカネフォラ種は、ベトナムなどが主な生産地で、アラビカよりも病気に強く栽培しやすく、価格が安い。
 アラビカ種のコーヒーにこれを入れることで、価格を下げることができる。
 ただしその味には、なかなかの癖がある(個人的には100%カネフォラ種のコーヒーはかなり飲みにくい。ほとんどの日本人は、知ってか知らずか、基本アラビカ種ベースのコーヒーを愛飲していると思う)。
 苦みに特徴のある種類なので、缶コーヒー、インスタントコーヒーなどによく使われる。
 よく缶コーヒーなどで「麦茶を焦がしたよう(茶を焦がすというのも変だが)」と表現される独特の苦みは、カネフォラ種によるものが多い。
 缶やインスタントを苦手とする人には、覚えのある癖の苦みなのではないか。

 コーヒーが大好きな人が缶やインスタントを敬遠することがあるのは、別にあれらが低質で他に劣後するからではない。
 単に、アラビカ種のコーヒーを好む人が、カネフォラ種は特に好まないというだけだ。
 ダージリンは好きだけどアールグレイは苦手な人が、「紅茶大好き」と言ってとがめられるいわれもないのと同じである。

 その癖ゆえによく「まずい」と言われてしまうカネフォラ種なのだが、もちろん大事なのは使いどころである。
 今アラビカ種を主に使っているメーカーだって(オハヨーだって)、その必要があればカネフォラ種を使うことがあるだろう。
 実際、アイスコーヒーで苦みを強調したい時や、ブレンドに強い苦みを加えたい時などにはよく使われる。
 近年では「ほろ苦いレトロなブレンド」「昔懐かしい苦みが特徴の昭和ブレンド」といった名前で、カネフォラ種独特の苦みを加えたメニューも散見される。
 私は昭和以前のコーヒー事情に明るくないのだが、こうしたネーミングを見ると、当時の喫茶店ではカネフォラ種が今よりも版図を広げていたのかもしれない。

 話がほとんどコーヒー豆の種類のほうへ行ってしまったが、この記事の目的は、徹頭徹尾オハヨー乳業の宣伝である。
 オハヨー乳業の作るコーヒーはおいしい。ヨーグルトもプリンもアイスもおいしい。
 果肉や果汁の扱いも一流だ。
 こんなメーカーはなかなかない。

 
東日本に住んでいるのが、時に悔やまれるほどである(オハヨー乳業の牛乳関係の商品は、本社工場と長船工場が岡山にあることもあってだろう、基本的に西日本で流通している)。
 だからこそ、時にはその高品質な中身だけでなく、何気なく施されたパッケージの表記に思いをはせるのもいいと思う。

 とりあえずは、オハヨーの焼きプリンでも大人買いしてみてはいかがか。
 私は今日、そうする。

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