■ハマス対イスラエル戦争について: その1 【ハマスによるユダヤ人・非ユダヤ人問わずの民間人虐殺と拉致について】

■ハマスによるユダヤ人・非ユダヤ人問わずの民間人虐殺と拉致について
アメリカ・英国等の政府はハマスを断固非難する声明を出しました。通常、ハマスによるロケット弾攻撃に対してのイスラエル空軍による空爆に直面すると、両側に自制を求めるのが普通。今回は違います。何故か。
 ハマスによる今回の攻撃はこれまでの自爆テロとかロケット弾攻撃とは性質を全く異にするからです。この違いがわからないと、ハマスも悪いが、イスラエルも悪いという認識をもってしまいます。そのような認識は人道的見地からして誤っていることを歴史的経緯も含めて詳しく論じます。
 と書きましたが、詳細な解説は長いので、ここで簡単に言います。
イスラエルとハマスを「どちらもどっち」と同例に「公平」に扱うことはそもそも論理的に誤っているということ。
・ある地域において、勢力Aと勢力Bが対立しているとする。
 AはBの存在そのものは認めて話し合いによる解決を求めているのに対して、BがAの存在事態を認め無い場合、その地域での共存は不可能となる。
 かろうじて可能なことは、その地域を A と B で分割して、共存ではなく別々に棲み分けること。これこそ、第二次大戦後に国連が決定したパレスチナ分割決議であった。アメリカ、ソ連など賛成した。
 当時のパレスチナ人は統合された政府を持たなかったが、分割を拒否し、周辺のアラブ諸国全ても分割を拒否した。だから、イスラエルが独立宣言した直後に、アラブ諸国はイスラエル国を消すために軍事侵攻。国連憲章違反の明々白々な侵略戦争です。
 その時、アラブ連盟は戦場となるパレスチナのアラブ人に「一時的退去」を求めた。当地のアラブ人はイスラエルが負けることを疑わずにとりあえずは逃げた。
 ところがイスラエルが勝利。その戦争期間中、そして戦後において、アラブ諸国に千年以上住んでいたユダヤ人迫害が激烈となり、正式に追放もして、アラブ圏のユダヤ人が再び諸国に離散した。多くはなんとかしてイスラエルに逃げた。
 60万人のアラブ人が「一時的」の気持ちでパレスチナから逃げて、ほとんど同数のユダヤ人がイスラエルに戻った。この人口交換が単純な事実である。
 別の観点の事実は、北アフリカ等のアラブ諸国のユダヤ人は千年くらい以上継続して住んでいたのに対して、パレスチナのアラブ人は一カ所に定住することは少ない遊牧民がほとんどであったということ。つまり、「父祖伝来の地から追い出された」とのパレスチナ人の物語が該当するのは極めて例外的なパレスチナにおける定住農民であり、そもそもイスラエルは追い出してなく、アラブ諸国政府が逃げなさいと命じたのが本質であった。
・ハマスはパレスチナ人の代表である西岸の自治政府(イスラエル国の存在を認める)とは異なり、イスラエル国の消滅を目指している
・ユダヤ人の絶滅を国の目的としたナチスとユダヤ人を「公平」に、つまり
 どちらにも言い分があるとしてはならない。ナチスとユダヤ人は共存できない
・ハマス及びイラン政府はイスラエルの存在を認め無いのであるから、ハマス・イランとは少なくとも同一地域で共存が不可能であり、敵対する両者について同一の人道的見地とか国際法にて判定することは間違っている。
・これまで常にハマスはロケット弾による無差別攻撃を最初にしてきたのであり、イスラエルは自衛権行使として報復してきたのみ。ハマスは民間人の建物そのものに拠点を置いたり、建物から地下都市への入り口がある。建物攻撃の前、イスラエルは常に電話などで民間人に逃げよと知らせてきている。報復の程度を減じろとのイスラエルに対する意見は一定程度正当ではあるが、ハマスの指導部・軍事部門は民間人が住んでいる建物の地下、最も安全に場所にいるのであり、ハマスによる無差別攻撃は常にイスラエル空軍による二倍以上返しとわかってて、ハマスはそうしてきた。ハマスはイスラエルの民間人の殺傷が平気などころか、イスラエルによる報復が必ずあり、二倍以上の民間人が死傷することをわかっていて、それをしてきた。今回もそうである。ハマスはいつもいつも、イスラエルの報復による莫大な死傷者をマスコミに宣伝し、日本等の西側マスコミはハマスも悪いけど、イスラエルがむしろ悪いとの歪んだ理解による報道を継続してきた。この意味で、日本と欧米の報道機関はハマスとイランに加担してきたと言えよう。

今後、詳しい解決を何度かにわけて記します

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