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No.006:巨人達が大暴れ!!全日本プロレス

皆さんこんにちは!サックスマン上野です!

今回の記事は大迫力の試合を展開する団体、全日本プロレスをご紹介したいと思います。プロレスファンのほとんどの方からは「HAHAHA! それは常識でしょ笑」とツッコミが入る内容になってしまうかもしれませんが、初心者の方にわかりやすい内容にしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。尚、プロレスの考え方は千差万別ですので、これからご紹介する内容はあくまでも私の個人的な考えですのでご了承ください。

1.全日本プロレスとは?

全日本プロレスは1972年に"世界の巨人"ジャイアント馬場さんによって設立された団体です。”明るく、楽しく、激しいプロレス”や”王道プロレス”といったスローガンを掲げ、他団体で見られるような勧善懲悪的なストーリーを展開するのではなく、リング上での精神的、肉体的な攻防といったスポーツ面に重きを置いた試合を展開していきました。特に1980年代からは、”ミスタープロレス”天龍源一郎さん”完全無欠のエース”ジャンボ鶴田さん、“超獣”ブルーザー・ブロディさん、”不沈艦”スタン・ハンセンさんなどといった身長190cmクラスの巨人達による闘いが激化し、スローガンにある”激しいプロレス”の部分が濃くなっていきます。また1990年代からは、団体を離脱した天龍源一郎さんに代わり、”王道の継承者”三沢光晴さん”鉄人”小橋建太さん”デンジャラスK”川田利明さん”ダイナミックT”田上明さんといった”四天王”による闘いでさらに激しさが増していきます。相手選手を脳天から垂直に落下させたり、リング場外へ頭から落下させたりなど、ほとんど受け身が取れない危険な技の応酬によってプロレスファンからは”四天王プロレス”と呼ばれ、熱狂的な支持を集めました。

ところが2000年代になると、団体運営の方向性の違いによってジャイアント馬場さんの夫人である馬場元子さんと選手たちの間に亀裂が生じます。これにより三沢光晴さんら多くの選手が大量に離脱してしまいます(後に三沢光晴さんは新団体”プロレスリング・ノア”を設立します)。さらに2010年代前半には、新日本プロレスから移籍していた”プロレスリング・マスター”武藤敬司選手やその他の選手も大量に離脱してしまいます(後に武藤敬司選手は新団体”WRESTLE-1”を設立します)。その後も団体運営に関わる様々な問題が生じたため興行数が激減し、全日本プロレスの存続がますます厳しくなっていきます。

ですが2010年代後半から現在にかけて、”満場一致で最高の男”宮原健斗選手を始めとする若手選手達の台頭により、全日本プロレスに復調の兆しが見え始めています。さらにプロレスリング・ノアやWRESTLE-1など他団体選手との熱い試合を展開して好評を博しています。全盛期と比べればまだまだ厳しい状況ですが、今現在も”王道”の復活に向け、選手たちが激しい試合を繰り広げています!

2.全日本プロレスの主な選手と勢力図

下図は全日本プロレスの主な選手と勢力図になります。全日本プロレスでは精神的、肉体的な攻防をリング上で魅せることを重視しているので、ベビーフェイス(善玉)やヒール(悪玉)といった明確な役分けはありません。各ユニットがリング上で独自の色を出しながら試合に勝ち続け、全日本のトップを争うといった構図になっています。またこれ以外にも他団体の選手やフリーランスの選手が参戦しますので、あくまでもこれは一例になります。画像1

ここで主なユニットとプロレスラーのご紹介をしていこうと思います。

まずは”スターネス”秋山準選手(下写真左側(引用元:Wikipedia))や”ワイルドハート”大森隆男選手(下写真右側)が率いる正規軍(本隊)。秋山選手は四天王時代から活躍されているベテランで、全日本プロレスの代表取締役を務めたこともあります。現在はDDTプロレスリングという他団体で選手の育成に当たっています。大森選手は身長190cmという体格を活かした大迫力でワイルドなプレースタイルが売りで、入場曲にはテレビアニメ「シティーハンター」のエンディングテーマ曲「Get Wild」を使用しています。この他にも、”王道の伝道師”渕正信選手”ジャパニーズバズソー”TAJIRI選手といったベテラン選手や”ロックスター”青柳優馬選手などといった若手選手も揃っています。 

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次にご紹介するのは”人間凶器”諏訪魔選手(下写真)が率いるEvolutionです。諏訪魔選手は身長188cmという体格と必殺のラストライド(相手選手を頭上まで持ち上げて、相手の背中をリング上に叩き落とす技)で数々の試合を制してきた選手です。元々ラスト・レボリューションというユニットを組んでいましたが、ラスト・レボリューションをさらに「進化」させるためEvolutionというユニットを結成しました。全日本プロレスを代表するような存在で、現在は三冠ヘビー級王者(全日本プロレスで一番権威の高いタイトル)です。

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続いてはイケメンレスラーとして高い人気を誇る”クロスオーバー”ジェイク・リー選手(下写真左側)が率いる陣 JIN。似た名前のドラマがあったような気がしますがきっと気のせいでしょう。現代の医者が幕末にタイムスリップしそうな名前のこのユニットですが、2019年の王道トーナメント覇者(全日本プロレスで開催される無差別級トーナメント戦)のジェイク・リー選手や、現在の世界ジュニアヘビー級王者(全日本プロレスのジュニアヘビー級の中で一番権威の高いタイトル)である”王道の孤高”岩本煌史選手(下写真右側)などといった強豪が揃っています。高い人気と実力を兼ね備えたユニットです。

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次はPURPLE HAZEというユニット。リーダーは”浪速の筋肉獣”ゼウス選手(下写真(引用元:プロレスTODAY))が務めています。北欧神話に出てくる神様のような名前ですが、ボディビルダーやプロボクサーの経験を持つ異色のレスラーで、その経歴で鍛えられた肉体はフライパンを折り曲げるほどの怪力を持ちます。2020年のチャンピオンカーニバル覇者(全日本プロレスで開催されるヘビー級選手によるリーグ戦)に輝き、パートナーの”大阪の猛虎”イザナギ選手と共に現在のアジアタッグ王者(60年以上の歴史を持つ日本最古のタイトル)のベルトを保持しています。まさに神のごとき強さの持ち主です。

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続いてご紹介するのは、芦野祥太郎選手が率いるEnfants Terriblesです。元々WRESTLE-1で活躍していたユニットですが、WRESTLE-1が2020年4月に団体活動を停止したため、全日本プロレスに参戦してきたユニットです。全日本プロレスでは珍しく、セコンド介入といったヒール的な試合を展開してきます。参戦してまだ半年ほどですが、日に日に存在感を増してきているユニットです。

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次のユニットは”ワールドフェイマス”ヨシタツ選手(下写真(引用元:バトルニュース))がリーダーのヨシタツ・キングダムです。赤と青のコスチュームがトレードマークのヨシタツ選手は、WWE(世界最大手のプロレス団体)や新日本プロレスなどといった数多くの団体を渡り歩いてきた選手です。その経歴から得られた実力を広く知らしめるため、全日本プロレス内にヨシタツ・キングダムを”建国”し、富国強兵を推し進めています。現在はGAORA TV チャンピオンシップ王者(三冠ヘビー級王者に次ぐタイトル)です。

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そして最後にご紹介するのが2020年に結成された新生ユニット”健斗とアキラとHAYATOの大冒険”です。リーダーは”満場一致で最高の男”宮原健斗選手が務めます。一見チャラチャラした変な名前のユニットですが、「この未知なるプロレス界、どうなるか分からねぇ!このご時世で俺たちは大冒険してるんだ!俺らが日本を照らす太陽になってやる!」という宮原選手の熱い思いが込められています。そんな熱い志を持つ宮原選手、今までに三冠ヘビー級王者に4度も戴冠している実力者で、次世代の全日本プロレスを背負って立つ若手選手です。マイクパフォーマンスも特徴的で、「全日本プロレス最高でしたか~??」と観客に問いかけると、「最高~!!!」と全力で観客が返すパフォーマンスで会場を沸かせます。

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3.全日本プロレスの主な3つの特徴

このように個性的なプロレスラーが揃う全日本プロレスですが、全日本プロレスの主な特徴として、以下の3つが挙げられます。

①大迫力の巨人たちが勢揃い!!

まず他の団体ではなかなか見られない高身長、高体重の選手が多いことが挙げられます。そのため試合内容も大迫力で、ラリアット(相手に自分の腕の内側を叩きつける技)1つ受けただけでもまるで交通事故が起きたかのような衝撃音がします。効果音で表現しますと、一般的なラリアットが「バーン」だとしたら、全日本プロレスは

「「「「バアァーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!」」」」

といった具合でしょうか。またそういった打撃技だけでなく、ブレーンバスター(相手を逆さまに持ち上げて、相手の背中をリング上へ叩き落とす技)などの投げ技も行います。一般的な身長のプロレスラーでも迫力あるブレーンバスターなのに高身長、高体重のプロレスラーともなれば超ド迫力です。

②ヘビー級選手によるタッグリーグを毎年開催!!

そんな巨人たちが揃う全日本プロレスですが、毎年年末に「世界最強タッグ決定リーグ戦」を開催してます。ヘビー級選手二人がタッグチームを組んで優勝を目指すリーグ戦ですが、プロレス界で行われるイベントシリーズの中では日本最長の歴史を持つ大会です。毎年激戦が繰り広げられますが、出場チームの中でも身長188cmの”人間凶器”諏訪魔選手(下写真右側)と身長195cmの”王道の大巨人”石川修司選手(下写真左側)によるタッグチーム"暴走大巨人"は特に大迫力の闘いを繰り広げています。その証拠に、東京スポーツが毎年主催するプロレス大賞(その年に活躍したプロレスラーを表彰するイベント)では、最優秀タッグチーム賞に3年連続で輝いています。この大巨人達の進撃を止める調査兵団...という名のタッグチームが現れるのか。今後が注目されます。

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③選手と観客の一体感が凄い!!

全日本プロレスの試合会場に足を運べば体感できることですが、選手と観客が一体となって大会を盛り上げている雰囲気があります。前述しましたが、宮原健斗選手の「全日本プロレス最高でしたか~??」という問いに、「最高~!!!」と全力で観客が返す光景は圧巻です。今のコロナ渦の現状では声援が禁止されているのですが、宮原選手の問いには「最高~!!!」という意味を込めて全力で観客が足踏みで答えています。初めて観戦する際は戸惑われるかもしれませんが、このマイクパフォーマンスは宮原選手の気が済むまで何度もやりますので是非参加してみてください。結構楽しいですよ?

以上が全日本プロレスのご紹介になります。一時は存続が危ぶまれた全日本プロレスですが、選手や観客の協力により、現在は確実に”王道”復活に向けて歩み続けています。また2020年11月28日に全日本プロレス初となる女子プロレスラー部門の立ち上げが発表されました(引用元:東京スポーツ)。女子プロレスについては今後掲載する記事でお話していこうと思いますが、今後はどういった全日本プロレスになるのか。気になった方はぜひ試合会場へ足を運んでみてください!

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