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相手との距離感が分からない人

「お別れホスピタル」の3話を観ました。
原作の核となる人間の影の部分がドラマではそぎ落とされている感じがして、それが残念でした。
が、俳優さん達の演技が素晴らしいので原作とは別物として観ています。

*    *

ドラマの中で注目しているのが主人公の妹のさとこ。
さとこは中学時代に受けたイジメが切っ掛けで鬱、摂食障害、自傷行為、ひきこもりの状態です。
なので、さとこは誰とも会わず、話すこともなく、誰かと会っても逃げてしまうような感じなのかと思っていました。

が、3話で姉とさとこ、姉、医師の広野の3人で居酒屋で食事をしている時の事です
そこでのさとこの雰囲気は家に居る時とは全く違う雰囲気でした。
自分のペースで飲んだり食べたりしている姉と広野とは対照的に
さとこはニコニコと自虐しながら広野に話しかけたり、お店に貢献しようと頑張ってビールを飲んでいます。
そして、広野に対しての距離感が近いのが印象的でした。

「作りたい女と食べたい女」に出てくる南雲さんも、他人に対して独特な距離感ですね。

さとこや南雲さんを見ていると、過去の自分を見ているようでした。

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私自身、人との距離感がおかしい時期が長くありました。
初対面の相手に「夫と離婚を考えてるんですよー。夫が浮気してるんで!」みたいな事を平気で言えるタイプでした。
しかも相手がドンびいてる事すら気づかずに、です。
当時の私は自分のそのような言動をフレンドリーと勘違いしていて「誰とでも仲良くなれる」「人を信頼しやすい」「疑う事を知らない私」とプラスに捉えていました。

が、自分の感情に向き合い始めると、人が怖くて怖くてたまらない
出来ればすべての人間から距離を取りたいと願っている自分を見つけるのでした。

そこから、私にとって「他人」とはいつ攻撃してくるか分からない敵でしかない事。
私の行動は、敵から身を守るための防御策でしかない事
コミュニケーションの全てが、仲良くなるため、わかり合うためではなく「敵から自分の身を護る」だけで
防御策の一つとして「明け透けに自分を語れば、私は危険人物じゃないと相手が分かってくれるはず。そうすれば相手は私に攻撃しなくなる」と思っている事にも気づきました。

それに気づいてから、人に妙にフレンドリーに振舞う事は減りました。
そしてそこに気づいてから、初めてドラマや映画で、私みたいなタイプを嫌がる人が多い事を知り、適度な距離感を保つことは礼儀なんだという事を知ったのでした。

長い間「誰とも分かり合えない」「孤独」「寂しい」と思ってきましたが、分かり合える相手が居ないじゃなくて
そもそも私はコミュニケーションのスタートラインにも立っていなかったという事実は衝撃的でしたが
でも、やっと「原因」が分かったのは嬉しかったです。

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さとこも南雲さんも「食に対する問題を抱えている」事が注目されますが
その奥には「人が怖い」けど「人と仲良くなりたい」があるのではないか、と思っています。
だから、人との距離感を見誤ってしまうし、見誤るからこそ、より傷つくことがあるのでは、と思います。
でも、自分が抱える人に対しての恐怖心などが癒されれば、傷つく可能性は減るのでは?と思っています。




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