騙されないための本 2
では次はシャーマーを。
マイクル・シャーマーは世界的な懐疑派(スケプティック)の現在のリーダーだ。本業が科学史で、学問的なバックグラウンドは神学と心理学。Skeptics Societyの創設者でそしてSkeptics Societyの創設者でSkeptic 誌の編集長。本業が数学のガードナーやマジシャンのランディなどより、この課題にずっと深くコミットしていると言ってよいだろう。
またしても訳が読みにくいという声しきりなのだが、シャーマーは真面目な人で、心理学、神学、哲学を駆使してどれも真正面から論じているので、娯楽本として楽しめると思っていると裏切られるかもしれない。懐疑論、心理学にすでになじんでいる人ならなじみのある話だと思うだろう。これも可能なら死ぬ前に新訳してみたいかも。
原書はこれ
目次は
上巻
第1部 科学と懐疑主義(「われ在り、ゆえにわれ思う」―懐疑主義者宣言
人間にとって何よりも大切なもの―科学とニセ科学のちがい
思いちがいのメカニズム―奇妙な現象をもっともらしくみせている二五の嘘)
第2部 ニセ科学と迷信(逸脱―自然現象、超常現象、そしてエドガー・ケイシー
霊の世界を通じて―臨死体験と不死
誘拐―異星人との遭遇
告発の流行―中世と現代の魔女騒ぎ
ありそうにないカルト―エイン・ランド、客観主義、そして個人崇拝)
下巻
第3部 進化論と創造論(はじまり―デュエイン・T・ギッシュとの夕べ
創造論者との対決―創造論者の二五の主張と、進化論者からの二五の解答
科学は弁護し、定義した―最高裁判所での進化論と創造論)
第4部 歴史と偽史(ドナヒューの行動―歴史と検閲と言論の自由
誰がホロコーストはなかったと言ったのか、なぜそう言ったのか?―活動の概観
どうすればホロコーストがあったことがわかるのか―否定論者の嘘を暴く
ピジョンホールと連続体―あるアフリカ系‐ギリシャ系‐ドイツ系‐アメリカ人が人種について考える)
第5部 希望は決して潰えない(ティプラー博士、パングロス博士に会う―科学はすべての可能性の中から、最良の世界を見いだすことができるのか?
なぜ人々は奇妙な物事を信じるのか?)
私たちをだましている心理学的な仕組みに興味がある人、そして、ニセ科学批判批判をしたい人には読んでほしい。
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