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行きたいと思うなら、ともかく行けそうな時に行ってみる

noteでフォローしている方のお店に行きたいと思っていた。
東京にライブ鑑賞に行く際に、行けるのではと思い、計画を立てた。

そこは、尾久COMPLEXさんが営む持ち帰りの天ぷら屋さん「天ふじ」。尾久COMPLEXさんは、その名が表すとおり、東京都荒川区にある尾久の街の様子を、noteにもたびたび書かれている。

記事の中に、お店がNHK WORLDの取材を受けたとあった。どんなお店なのか興味を惹かれ、動画を拝見した。空き家を活かすクリエイティブな解決策を探る、といった内容で、その一例として尾久地区が取り上げられていた(天ふじの登場は19分30秒頃)。下町の商店街に、昔ながらの店構え。道路に面したショーケース。その中に並んだ天ぷら。店の中には、上にある画像と同じ、笑顔の尾久COMPLEXさんがいた。

noteを読んでいるだけでお会いしたこともないのに、動いている姿を見て、なぜか親近感が高まった。お話ししてみたいし、天ぷらも気になる。東京に行く機会があればお店にお伺いしてみたいと思ったのだ。

そして上京の日。東京駅から宿に移動し、荷物を預け、まず王子を目指した。王子駅前から東京さくらトラム(都電荒川線)で小台に向かう。都電に乗るのはこれが初めてだった。ゆっくり進む電車にしばらく揺られる。小台駅に到着し、スマホでマップを出し、商店街を歩いていく。しばらく進んだ先に、動画で見た店舗が見えた。

天ぷら「天ふじ」

店内に向かって声を掛けると、奥から女性が出てこられた。奥さまだろうか。店の前にあるベンチで食べていいか聞き、大丈夫とのことで「天ふじ天丼」を注文する。「旦那さんのnoteを見て来ました」と言うと、伝えてくださるという。尾久COMPLEXさんにはお会いできなかったが、来られてよかった。さて、天丼をいただこうと、ベンチに座って食べ始めた。

天ふじ天丼

天ぷらはさくりとした食感でとてもおいしかった。油っこさはないのに、するすると口に入っていくような感覚があった。たれの甘みもちょうどいいし、ご飯もおいしい。この内容でお値段650円とはなんてことだ。お得過ぎる。夢中になって食べていると、なんと、尾久COMPLEXさんが出てきてくださった。しかも、私だとわかってくださったのだ。

しばらくお話しをさせていただいた。その間にもお店にはお客さんが訪れ、尾久COMPLEXさんが対応されていた。ご本人にもお伝えしたが、私の家の近所にも、気軽においしい天ぷらが買える「天ふじ」みたいなお店があったらいいなと思った。

尾久の街の雰囲気も、これは観光客目線での感想なのかもしれないが、いい感じだなと思った。ごく普通に人々が暮らす生活の場だから、飾ったところはない。もしかしたら、大きな街に比べると、ない物もあるのかもしれない。NHK WORLDで取り上げられていたように、空き家も多くあるのだろう。でも「天ふじ」のような小さなお店が今もあり、店主の顔を見て買い物ができる。そこには安心感があるような気がした。

天丼を食べ終え、天ふじを後にした。尾久COMPLEXさんとお会いしてお話しができたし、おいしい天丼をいただくこともできた。行ったことがない場所に行くということで不安もあったが、行ってみてよかった。なかなか上京する機会もないのだ。ともかく行けそうな時に行ってみる。その勇気を出したことで得られた物は大きい。

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