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小学校建て替えに向けて、わたしが大事にしたかったもの、見つけたもの

わたしの住んでいる宮代町は、埼玉県東部にある人口3万4千人ほどの小さな町です。
自然が豊かで、高い建物がないため空が広く、人と人の距離が近いことが特徴です。


そんな宮代町にある4つの小学校のうちのひとつが、老朽化のため建て替えすることになりました。
地域拠点を含めた施設として生まれ変わる予定です。

新しい小学校をどんな学校にしたいかをみんなで考える「どんぐりとピアノ はじまり、はじまり会議」に9月から毎月参加しました。
昨日が最終日でした。

第一回「ミライの小学校で何する?」をテーマに、「これやってみたい」「こんなミライ、素敵かも」をお互いに伝えあう場。

第二回「ワクワクする場所、どんなの?」をテーマに初回で出たアイデアを具体化する場。

第三回「建築家さんの考え、聞かせて、聞かせて」をテーマに、2回の話し合いの内容を受けて、設計者が配置計画やプログラム案などを説明し、それをみんなで「ここいいね!」「こうしたらさらによくなりそう!」を話し合う場。


最初のうち、わたしはモヤモヤしていました。
なぜなら、わたしが大事にしたい教育の中身のことは「こんな学校もあります」という紹介以外には出てこなかったので。
もしかしたら、教育が大きく変わるチャンスになるのでは…という希望が強かったんですね。

建物がミライの学校になっても、教育が昭和のままだったら悲しい。
こんなチャンスはなかなかないのに…と感じていました。

モヤモヤがありながら出席し続けたのは、町がなにを大事にしたいと思っているのかを知りたかったことと、町に住む人たちがそれぞれなにを大事にしているのかを知りたいと思ったから。

町外の友人たちには「町民の声を聞くなんて、宮代ってすごいね」って言われました。

最初はモヤモヤにかき消されて実感なかったけれど、三回参加して感じているのは、町もみんなの声を聞きたいし、出来る範囲で反映させていきたいって真剣に思っている、ということでした。

ファシリテーターや建築家も遠くから呼んで、新しいことをはじめるって大きなパワーを使うこと。

先生たちと地域と話し合いが分けられたままだった、という点に関しては残念さは残りましたが…。

あえて予算と時間をつかって遠回りを選択したって、すごいことだなって。それはわたしが描く未来への一歩になっているんじゃないかって。

これがない、あれがないってないものばかり探しているとモヤモヤが募るけれど、あるものにも気づくことができました。

第三回である程度の大枠が発表になりながら、その枠をどうぞ壊してもいいですよという建築家久保さんの受け皿の大きさにびっくりしました。

話を聞き、模型をみたら、すでに素敵な案だったけれど、さらにみんなの声が足されたら、どんな校舎になるのかなってワクワクしました。

そして、ファシリテーターの内海さんがみんなが話し合っているときに、子どもたちと全力で遊んでいるのが印象的でした。きっとお子さん連れで来ているかたは、安心して話し合いに参加できたのではと思います。


小学校建て替えに大事にしたいものは、一人ひとりが違うということを改めて認識できました。

ミライの学校を作ろう!というコンセプトの中で、先生たちの動線の効率性とか、過度な安全性など「それ、本当に大事にしたいもの?」と問いたくなることもありましたが、その疑問はグループワーク内で、声にして伝えることもできました。

わたしはこれからも変わらず、ないものではなく、自分の中にあるものをみつける楽しさを味わっていきたいし、それを多くの人に伝えていきたいと改めて思えた時間でした。


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