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計画的に「ぼーっとする」ことのススメ

「何も考えずにいると心が回復するよ」
「心が疲れた時には、ぼーっとしてみるといいよ」

どちらかというと心の疲労が溜まりやすい私は、色んな方からこれまで何度もこんな言葉をかけてもらったのだが、当時はさっぱりこの言葉が分からなかった。

「ぼーっとする」「何も考えない」って何だ?どうやってやるんだ? と、また考えてしまい、心が疲れるという調子だ。
これでは休めたい頭も心も、いつまでも休まらない。

そんな私が、以前に10日間瞑想したことをきっかけに

「ぼーっとすること」「何も考えないこと」がどういうことかを理解し、日頃から心の疲労を取れるようになってきた感覚があったので、今日は「ぼーっとすること」について書きたいと思う。

今日はそんなお話。


「ぼーっとする」とは、目の前に起こっていることを感じること

そもそも、私たちは考える時に必ずと言っていいほど、過去か未来のことを考える対象としている。

(対象が過去)「この発言って大丈夫だったかな?」
(対象が未来)「将来、どんな人生を送りたいんだろう?」
という具合だ。

逆に、今この瞬間だけを生きようとすると、
感じることはできても考えることはできない。

今この瞬間に空を見たとして、

視覚で空(雲)を感じると
「この雲はとてももくもくしているなー」となるが、

そこに考えることを組み合わせると、
「この雲はとてももくもくしているなー。この前も同じような雲があった気がする。なんだったっけ。」と、今の話から過去の話へと移ってしまうのである。

つまるところ、ぼーっとすること=何も考えないこととは「今に集中し、今身の回りで起こっていることを五感で感じること」で、計画的にできることなのだと思うのだ。

ポカリスエットのCMに出てきそうな雲。


おすすめな「ぼーっとする」方法8選

個人的におすすめな「ぼーっとする」方法を8つほど紹介させてもらおう。

①空を見る・雲を見る

疲れたら空を見よう。空の色合い、雲の速度、雲の形の変化、雲の形そのものなどなど。空の色や雲は常にゆっくりと変化するので、いつまでも見飽きない。
「空の色って、雲の形って、時間が経てば変わって行くんだな〜」と、当たり前すぎることを感じながら空を眺める。
そうすると、不思議と大抵のことはどうでも良いと感じられる気がする。

夏を象徴するようなもっくもくな雲の後ろに、冬らしさを感じさせる線上の雲がある。

②目を瞑って深呼吸する

できるだけ野外で、かつ車の交通量が少ないところで、目を瞑って大きく息を吸ってみてほしい。
深呼吸することだけに集中して何回か深呼吸していると、頭を巡っていた考えが止まっていき、心が落ち着く。摩訶不思議。空気の匂いから自分を取り巻く季節を感じられる時があるのも一興。
春の太陽の匂い、季節の花の香り、雨が降りそうな時の土ぼこりの匂い、新緑の香り…
幼い頃に感じていたような、懐かしい季節の匂いとも出会えることもあるかも知れない。

③水に浮かぶ

日常で水に浮かぶ機会は少ないと思うが、身近に海や、湖、川、プール、大きすぎるお風呂があれば、ぜひ仰向けで水に浮かんでみてほしい。

寝ないように、目を閉じて、水のぼこぼこした音を聴こう。気づいた時には考えていたこともすっかり忘れ、きっとそこはユートピアになっていることだ。
※耳に水が入ることがよくある。
※寝るとかなり危険なので、あくまでも意識を飛ばさないように。
※水が怖い方にはおすすめできない。

海や湖で水に浮かぶと、空と雲を真下から見ることもできる。

④散歩する・サイクリングする

自宅の周りでも、出先でも、国内でも、海外でも、歩いたことのない道をひたすらに歩く。自転車に乗ってもいい。
趣のある喫茶店や、公園、お寺、とてつもなく大きな木、可愛らしいお花、井戸端会議など、その街のシンボルやチャーミングだと感じられるような場所・物・人に出会えるかも知れないし、「この道とあの道はここでつながっていたのか!」という思わぬ発見があるかも知れない。
風景を見る以外には、同じテンポで歩くことに集中するのがおすすめ。心臓の音と同じくらいのテンポで歩くのは、シンプルに楽しい。

不規則に綿毛を全身につけているような木に出会ったり。
ヤギと出会うことだってある。稀にね。

⑤波音を聴く

海が近くにあったらぜひ行ってみてほしい。
少しだけ勇気を出して浜や堤防に寝っ転がり、目を閉じて波音を聴けば、自然のASMRを心ゆくまで堪能できること間違いなし。
※当たり前だが夏は特に日焼けするので、日焼けしたくない人は日焼け対策が必須。

波は音を聴くだけでなく、見るもよし。

⑥食べ物を味わう

日頃、食べ物を味わっているだろうか。
目の前に出てきた食べ物を、さも人生で初めて食べるかのように、じっくりと味わって食べることがとてもおすすめだ。
ただひたすら、口の中に入れた食べ物の味、鼻に抜ける香り、食材の食感、食べ物の温度などを感じながら味わうのは、実は至福のひと時である。味わうことに集中すると、より旨みを感じやすい気がする。
食べ物のそばに、味変できる薬味や調味料があれば、それもまた一興。ぜひ味の変化を感じてみてほしい。

⑦サウナに入る

「上で挙げてきたものでは、なかなかぼーっとできません!」と思った際には、サウナに入ってみるといい。
特に、高温であること・汗の流れを感じやすいことから、ウェットサウナよりもドライサウナが個人的なおすすめ。90度越えの室内に入れば、暑過ぎて自然と何も考えられなくなる。「汗が出てるわ」と感じながら、ぼーっとできる。

⑧瞑想する

できればとても静かな部屋や屋外で。耳栓をしても良い。目を閉じて自分の呼吸や体の感覚に集中し、ただ起こっては消える感覚を捉えよう。少し長い時間行うと、頭と目が冴えるようになる。


「ぼーっとする」ことは、私たちにとっての緊急脱出口だから

日々に忙殺され、
重圧に押し潰されそうな中で、
歯を食いしばって目の前の1日1日を紡ぐこと。

時に私たちは、誰からともなくそんなことを強いられてるような錯覚に陥る気がする。

そしてそんな日々で溜まった心の疲れを、他者と関わることでなく、自分自身でのみ癒し、減らしていける方もいらっしゃるかも知れない。
少なくとも私はそうだ。

そんな時、計画的に「ぼーっとする」ことで自分自身の心を救うという、人生の緊急脱出口のような選択肢が手元にあれば、少しばかり気楽に心を壊さずに生きて行けるのだと思う。

そうであってほしいなと願いながら、今日も私は空を眺めてぼーっとしている。

夕方の空。見ていて何故だか癒されるのだよ。

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