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遠距離なんて些細なことで

いつだって、必要なのは言葉だと思う。

彼は付き合った当初からずっと、LINEでも電話でも毎日「好き」という言葉をくれる人だ。それがなかった日なんて一日たりともなかった。そんな彼と5か月の遠距離を経て、4月12日、初めて会った。

これまでで一番長い5か月だった。いつになったら会えるんだろうとか、ひょっとしたら私は彼に騙されていて、会えないんじゃないかとか。いろんなことを考えながら、でも喧嘩すらなく毎日の電話越しに彼との時間を共有していた。だからなのか、初めて対面して彼と話してみて、その違和感のなさに心底驚いた。

彼と過ごすうちに彼の方から「なんかこれまでもずっと一緒にいたみたいだね」と言われて、本当にそうなんだよねって。ずっとそばにいたみたいな安心感がずっとあって、だから本当に一緒にいる時間が心地よくて。これは少し誇張した表現かもしれないけれど、家族みたいだった。

彼を好きになった最初のきっかけだった「声」も、彼の容姿も、仕草も、匂いも、言葉も、そのどれもが全部まるごと心地よくて。かけられる言葉すべてが優しくて、嬉しくて。改めて、私はこの人のことが大好きなんだなと思えた。そう思わせてくれた彼には感謝でいっぱい。

彼とは片道およそ500kmの遠距離。だけどそんなものは些細なことなんだと思えた。勿論、寂しさはこれからもついて回るだろうし、お互いに環境が変わったりすれば不安なことだって増えるかもしれない。これからどうなるかはまだ分からないけれど、この距離は私と彼を引き裂く理由には到底成り得ない。

遠くから、今日も彼が幸せでありますようにと願って、今日も当たり前に「好き」と伝える。その幸せの中に私の存在がありますようにと思ってみる。それが私の幸せで。遠くても近くても、二人の間にいつでも優しい言葉がある限り、離れることなんてないんだと思う。

彼と過ごした後の彼の帰りはあまりに寂しいものだったけれど、その日の夜も彼は電話で話してくれた。会ったときに山ほど伝えてくれた「好き」を、まだまだと言わんばかりに何度も伝えてくれる。

「ありがとう」も「ごめんね」も「好き」も「愛してる」も、こんなに短くて優しい言葉を日常的に伝えるだけで、伝えてもらえるだけで、二人の幸せは続いていく。そんな気がする。

今夜もまたお話しよ。

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