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もし「NPOに寄付したことがない」なら

Tokyo Art Beat(通称TAB)で働いてて名刺交換したり初めてお会いした方とかによくつっこまれるのは、NPOで運営されてるんですね?ということ。確かに法人格としてはNPOなんですが、広告モデルのメディア運営なので、私たちの日々の仕事は株式会社なんかとまったく変わらないんです。

でもやっぱりNPOは数も少なくてよく知らないし、もの珍しいかもしれません。私もスタッフになってから、会社と何が違うの?と調べました。会社は事業を継続的に成長させることが目的だけど、一方でNPOは自分たちの事業拡大や組織の成長というよりは、社会のための/公益性のある活動をするための法人、です。
もちろん事業のためには人件費も家賃もサーバー代も必要なので、それは事業収入や寄付でまかなってやっていくよ!ということで、事業収入メインで運営してるTABはかなり「会社っぽい」方だと思います。

とはいえNPO「だからこそ」できることにも興味があり、かっこいいNPOや中の人を何人かフォローして、勝手に参考にさせていただいています。最初に知ったのはgreenz.jp(ソーシャルなウェブマガジン)でおなじみのグリーンズ。寄付会員はgreenz peopleと呼ばれるコミュニティに参加できていろいろ特典があります。

↑会員には完全オリジナルの冊子が年2回届きます。この号は会員によるブックガイド。コメントを載せていただいてました!

あとはオンラインを活用してすごく上手に広報や寄付募集をされているDxP。その代表の今井さんのnoteで、寄付したことある?っていうエントリーがありました。面識も何もないのにリンクするの恐縮なのですが、納得と衝撃が両方ある内容だったので、ついご紹介させていただきたくなりました。

「NPOに寄付したことある?」の質問に、半数が「ない」と回答。寄付しない理由のトップは「どこに寄付すればいいかわからない」。前述の2法人もそうだし意義ある活動されてるNPOが多いのはまあ想像でわかるけれど、きっかけがないですよね。そして寄付しない理由の第二位が「何に使うのかわからない(意訳)」。誰だってわけのわからない人に大切なお金を寄付したくはない。要するにリーチできる情報が少なすぎるのでしょう。

記事にもある通りDxPは「寄付型NPO」、つまり寄付がおもな収入源のNPOだそうで、色々私の勤めるGadagoは「事業型NPO」で事業収入で運営しています。寄付はまだまだこれからです。

事業型のNPOは何に一番資金を投じているの?

収入の使途、支出としては、大きいのはやはり人件費。編集やバックオフィス、翻訳者、エンジニアなど。ついでオフィス家賃や各種サーバ代などの固定費です。プラスが出たら、次年度以降への投資(ほぼ開発)にまわします。マイナスだったら、どうやったら来期以降プラスにできるか本気で考えます。収支に応じて法人税も勿論納めますよ。

あとよく聞かれる質問で「助成金けっこうもらってるの?」っていうのがあるんですが、アート業界にも助成金はありますが、ほとんどがアーティストを対象としたもので、「メディア(あるいは書き手)」を対象としたものはほとんどありません。たぶん世界的に超少ないと思う。私たちも法人化して以来3回助成金をいただいたことがあるのみなのですが、いずれも重要な局面で新しいフェーズに踏み出すために使わせていただきました。(深々とお辞儀)

事業型のNPOの収益予測の難しさ

私たちの事業領域に関しては特に、将来の予測が難しい環境だと思います。ボランティアで関わってる理事やライター含めても10数人という小さい規模。アプリ市場は変化が激しい(新OS・製品発表の日はAppleへの愛憎が入り混じることも)。収益に波がある広告モデルに頼っている。文化事業は公的・民間セクター問わず予算が乱高下する、文化事業を広報しようっていうマインドがそもそも足りていないし、(以下略)

まあどんな状況であろうが、そこで何ができるかなので、分析したらあとは自分たちで動いて周り巻き込んで変えてくしかない。そういう時に、非営利だと動きやすいこともままあります。

事業型NPOは、やっぱりサービスを応援してほしい。でもそのためには

ここまで14年(!)続いたTABの歴史の中で、少しずつではありますが事業も組織も成長を続け、実感としてアートはいろんな人の生活に身近になってきています。社会の中で、一定の理解を得てきたのだと思うと、もっとやらなきゃいけないことが頭に浮かんできます。運転資金がない、投資ができないなんてあきらめず、できることを考えたい。私たち、ここだけの話、マーケティング予算も使ったことないし(その割にはユーザや応援してくれる人が非常に多いけれど)、アプリで使える機能をウェブサイトでも使えるようにしたいし、Androidアプリもちゃんとしたいし、そもそも開発もデザインもPMも超少人数でやっているのです。コーヒー1杯分、飲み会1回分からでも、こちらからご寄付をいただけたらたいへん嬉しいです。大切にお預かりして使わせていただきます。
https://syncable.biz/associate/gadago
ソフトバンク決済が便利な方はこちらから https://ent.mb.softbank.jp/apl/charity/sp/careerSelect.jsp?corp=454

そして一番嬉しいのは、TABのサービスを使ってアートイベントに足を運んでいただくこと。
そのときにiPhoneアプリが!役に立ちます。行きたいイベントをブックマークしたり、「ミューぽん」で展覧会の割引を受けたり。
こちらは映画1回分よりちょっと安いぐらいで1年間使えます。
http://artbeat.ly/iOS-TABapp

Androidユーザの方は「ミューぽん」2018年版は大みそかまで有効です。残すところあと半年なので、定価の半額で使えます。いますぐ使える展覧会はこちらからチェック!
http://www.tokyoartbeat.com/apps/mupon

けっきょく鬼のように宣伝しましたが、言わないと伝わらないんだな!ってのが今年のテーマというか何度も実感してて、だからnoteも始めたんですよね。この記事はかなり言いたいことを読んでもらうために、話し言葉みたいな勢いで書いてます。それも個人のnoteという場所だから実験できることかなと。

寄付の良いところって、寄付した先の活動を通じて、将来の世の中をちょっとだけ想像してみることで、今の生活を未来の自分の目線から見ることができることだと思います。私たちTABはこれからも、アートを愛する/応援してくださる方の先の楽しみがひとつ増えるような活動をしていきます!

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