回収のターン(裏)
父が死に、義父母が死に、母が死んでから、私はかつて自分が住んでいた土地や祖父母が住んでいた土地などをめぐる旅をした。懐かしい街並みもあったが、もう記憶とはまったく違ってしまっている場所も多い。
三歳から十七歳まで住み、性格形成がなされたと思われる土地では、楽しいことばかりあったわけではない。それどころか、小学校高学年、中学三年の時期には、学校に行くのがつらくて、毎日「明日の朝目が覚めませんように」と祈りながら眠りについたり、学校なんか消えてなくなってしまえと呪い続けるほど暗い