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そっと受け入れてくれて、ありがとう

よくメールをしている大学の友達に、
不妊治療の話をするのは
ずっと辞めようと思っていた。

気を遣わせてしまうのが、申し訳ないから。

いつも趣味の話や仕事の話、
ときどき娘ちゃんや家族の話をしながら、
悩んでた。



"話す話さないは、人それぞれだろうけど
皆さん(治療をされている方は)、
友達にどんな風に伝えているんだろう"

"話したいときもあるけど、
正直ものすごく話しづらい。
無理しなくていいかな"

"こちらの気持ちが軽くなったとしても、
気を遣わせてしまうから嫌だな"


いつもそんな気持ちがグルグルと
拮抗してせめぎ合い、
ずっと話せずにいた。

でも、この前手術を受けて、
この話はちゃんとしたいと思いました。
そのとき、麻酔の話の流れで
治療のことを打ち明ける形に。


前日までカラオケの話をしていて、
突然で相当びっくりさせてしまったね。
ごめんね。

"全身麻酔で日帰り手術とはいえ、
不安だったんじゃない?"という話になって、

"実は3月に採卵をしていて、
全身麻酔をしたのは2回目なんだ"
と伝えた。


彼女は、この言葉を聞いて
詳しい話を何もしなくても
全てを察してくれた。

「そうかそうか
この2ヶ月いろいろあったね。
ご家庭の大事な話を伝えてくれてありがとう!

さざなみちゃんにも気を遣わせちゃったね。
ごめんね。

ぞれぞれ色々とあるけれど、
気持ちが落ち着いたときに
お互い伝えたいタイミングで
伝え合える仲になれたら嬉しいな。」

と言ってくれて、
とてもやさしい気持ちになった。


そんな、彼女はなんにも謝らなくて良いのに。

話を聴いてくれて、
そっと受け入れてくれてありがとう。



不妊治療を続けていると辛いこともあるけれど、最近は"ありがたいな"としみじみ感じることが多い。

人工受精は私の場合、
「多胎妊娠の可能性があるから、危険」と判断され中止になってしまった。

この時が1番しんどくて号泣した。
可能性が閉ざされてしまった気がして、
苦しかった。

でも、お陰で自分の体質に合った1番良い方法が分かって良かったと思う。

移植前にポリープが見つかったのも、
きちんと手術を受けて
取り除いて頂けたのもありがたい。


「治療をしたい、受けよう!」と思えば、
治療を受けられること自体がありがたいなあと思う。

昔の方は、今よりも原因が分からないで
ずっと思い悩んだり、
苦しかったのかもしれない。

ご本人も原因が分からなかったら辛いのに、
それをもし周りに責められたとしたら
もっと苦しいよね。。

色々考えるときがあります。


手術を受けたのはクリニックの3F。

待機していたベッドは数台あり、
カーテンできれいに仕切られていました。


近くには採卵室もあり、
採卵予定の方々もいらっしゃった模様。

"この前ね、私全滅だったの。
今回はちゃんと進むといいな。
楽しみだけど、怖い"

"はい、全身麻酔で大丈夫です。
前回は局所麻酔でかなり痛かったから"

ベッドに横たわりながら、
他の方々と看護師さんの会話が聴こえてきて
静かにスッと涙を拭いました。


みんな真剣に向き合っていて、
葛藤を抱えながらも
前に進もうとしている。

私もゆっくりだけど、
また少しずつ前に進みたい。

最近は、近所のスーパー、手術前の待合室、
夫が出かけた映画館。

至るところで
SAMBA DE ORFEUが流れていて、
なんだか嬉しいです。

ご縁があるのかな。

たくさんの記事がある中、 時間を割いて最後まで読んで下さり、 本当にありがとうございます☘️ きっと素敵な方ですね^^ 記事との出会いも一期一会。 ご縁の1つだなあと思います。 自然に続いていくご縁を大切にしたいです。