J1第20節 vs札幌戦

サッカーって難しい…

スターティングメンバー

リザーブ:GK松原、DF毛利、MF秋野、MF鈴木冬、FW野田、FW松田、FWトカチ

スタメンは3試合連続で同じ顔ぶれ。
今月加入が決まったDF毛利駿也とFWエメル・トカチが、登録早々ではありながらベンチ入りを果たした。

(前半まとめ)
・開始15分までに決めておきたかった先制点。
2失点+中心選手の負傷が起こるとキツい…


試合開始の笛が鳴ってから、連勝した勢いをそのまま北海道の地に持ってきたように攻めるベルマーレ。
チョウさんの哲学として、“開始の笛が鳴った瞬間からゴールを狙う”というものがあるが、これはアグレッシブさをチームとして発信すると共に、早いうちに先手を取って試合をできる限り優位に進める、という狙いもある。

この日も早いうちに先手を取れれば、少しでも優位に試合は運べたのかもしれない。
しかし現実はそう甘くはなく、前半17分から21分の4分間のあいだに2失点を喫し、強力な3トップを携えていて尚且つ、“ミシャ式”と呼ばれるJリーグファンならお馴染みの可変システムでいとも簡単にいなされてしまう、という悪循環に陥ってしまう。

3トップの中央のジェイがポストプレーで周囲を活かしながら得点を奪い、2シャドーの一角の鈴木武蔵は湘南ボランチの脇の位置で的確な位置を取りながら持ち前の健脚で揺さぶり、札幌の小さな巨人ことチャナティップは“タイのメッシ”の異名の如くキレのあるドリブルとパスで翻弄し続けた。
古巣対戦となった札幌右サイドの白井康介は試合を通して対面の杉岡大暉の存在を無効化し、この試合ではかなり目立っていた。
3バックの左右の福森晃斗は正確なキックを生かして2アシスト、その福森からのクロスを先制点に結びつけた進藤亮佑のパフォーマンスも素晴らしかった。

ベルマーレはコーナーキックの流れから大野和成が決めて1点差に詰め寄ったまでは良かったが、梅崎司を負傷交代で失ってしまったのは痛恨の極みだった。
攻撃を加速させるだけでなく、落ち着かせることも出来る唯一無二の選手が居なくなったことで、流れの中からの攻撃がほぼ機能しなくなっていた。

(後半まとめ)
・トカチ投入のギャンブルも実らず。
5失点で済んだのがまだ救いか。


前半から危ない場面を作られていたベルマーレだったが、後半に入っても札幌の多彩な攻撃を有効的に防ぐ手段は見つけられず、札幌の攻撃においての崩したシュート練習のような時間が続き、フレイレ、山根視来のスーパーブロックがなければ後半の終わり半分に突入する前に試合が終わってしまってもおかしくないくらいの展開だった。

後半開始早々に訪れた齊藤未月の決定機が決まっていたら、試合はまた別の様相を呈したのかもしれないが、前半途中に梅崎に変わってピッチに入った松田天馬もイマイチ流れには乗り切れず、綱渡りの状態のまま時間が過ぎていく。

そして、ボランチの金子大毅に変えて19歳のドイツ人FWトカチを投入したベルマーレだったが、トカチが入ってから数分後に福森のクロスからジェイにこの日2得点目の得点を許し、途中出場のアンデルソン・ロペス、コーナーキックの流れから被カウンターを食らって最後はチャナティップに決められる、という具合に醜態を晒し、気づけば5失点。
言うまでもなく、ベルマーレの今季の最多失点数である。

終盤に野田隆之介を投入して、最終的にその野田がコーナーキックから頭で決めたのはある意味結果オーライだったが、デザインされた攻撃の形がほとんど見られず、選手の個々のクオリティ頼みだけになってしまうのがベルマーレというチーム。
相手の守備の良さが出たのもあるが、攻撃は大体が単発で終わってしまって、計ったように札幌のカウンターを受けてしまう場面が目立った。

試合後のインタビューでミシャ・ペトロビッチ監督が「今日は10点取れた」みたいなことを言っていたが、たしかに、この日のベルマーレは10点取られてもおかしくない試合ぶりを見せていた。

2-5で終えられたのは、ラッキーだったんじゃないのかな。

(まとめ)
・ミニキャンプ実施で流れは作れるか?
選手の起用法にも重要度が増してくる。

札幌とは今季4試合(リーグ2試合、ルヴァンカップ2試合)を戦って1勝1分2敗。
4試合で11失点をしてることが分かるように、相性が本当に良くなかった。笑

攻撃に関しても、守備に関しても、これまで以上にベルマーレは研究も対策もされている。
ベルマーレだってやればそれなりに出来るはずなのに、どういうわけかチョウさんがチーム造りをそれとなく履き違えて、対策もへったくれもない試合の闘い方を施した上でやるせない大敗を喫することがある。汗

場当たり過ぎではなく、試合を通してデザインされた攻撃の形、5バックで守ってる意味あるの?と疑いたくなるくらいスペースを空けられてしまう守備陣形…と言ったチーム全体での闘い方の見直し、をミニキャンプで少しでもブラッシュアップしてほしいところだ。

また、この日はほろ苦いデビューになってしまったが、北海道の地でJリーグの試合に出たトカチは、ベルマーレとしてはめちゃくちゃな展開の中でもなんとか自らの良さを出しながら、チームの攻撃を活性化しようと動いていた。

トカチ、そしてJ1残留に向けての大きな切り札になりそうなクリスランサイドをより活発化してくれそうな毛利駿也ら新戦力と、今は戦線離脱中の菊地俊介、岡本拓也、坂圭祐が復帰してくれば、さらに手持ちのカードが増えて、競争も激しくなる。

それは、試合はもちろん、チーム状況に応じてのメンバー起用の選考の仕方が難しくなってくるし、監督の選手起用においての見極めの質の良さが問われてくる、ということを意味する。

目の前の試合に最大限のパワーを注いでで勝利を掴みとる、選手もスタッフも同じ方向を目指して、これからも勝ち点を積み上げていってほしい。

時々つまづくのも、度々立ち上がるのも、それは紛れもない自分自身。
迷ったら一回立ち止まって、前に進めば良い。



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