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「子どもがまんなか」長野県池田町の教育大綱#1

教育大綱とは、教育などに関して自治体が定める総合的な目標や施策の根幹となる方針のこと。地域ごとの教育課題や社会情勢を踏まえて会議を重ね策定される。対象期間は4、5年が多い。

1、各地の教育大綱

岐阜市は一昨年におきた中学生のいじめ自殺を機に教育大綱の見直しを行い、昨年末に改定。「生命の尊厳を理解し、一人一人が価値ある大切な存在として互いを認め合う教育を推進する」という基本方針を掲げた。

茨城県つくば市は、オランダのイエナプラン教育の視察や14回の総合教育会議を重ねた上、「一人一人が幸せな人生を送ること」を最上位の目標とした教育大綱を昨年3月に策定。「管理から自己決定へ」など公教育の転換を掲げている。

私の住んでいる愛知県岡崎市の教育大綱に代わる「学校教育等推進計画」は前回のブログでご紹介させていただいた。

2、長野県池田町の教育大綱

そのような中で、長野県池田町(いけだまち)は人口1万人弱の自治体だが、ユニークな取り組みをしている。

掲げたキーワードは「子どもがまんなか」だ。

江戸時代には住民創設の「池田学問所」があり、貧富も男女も分け隔てなく学んでいた歴史がある。現在も「地域の子どもは地域で育てる」という精神が根付く。そんな町で2020年元日に第二次教育大綱が施行された。基本理念は、シンプルな3つの言葉だ。

子どもがまんなか
未来を拓く
ひとづくり
基本理念に続く内容を要約すると、〈学びの主人公は子どもであり、自分を信じて人生を切り開いてほしい。全ての子どもに公教育は寄り添う。自立した大人を育む「ひとづくり」こそが「まちづくり」でもある〉
強調するのは、「一人一人に最適な学びと育ちの機会を保障し、環境を整備することに力を尽くします」という子どものための誓いだ。(中日新聞より抜粋)

また池田町では、保護者の立場からも教育について学び、学校や行政に働きかける動きが活発化しているようだ。教育行政を自分の事として考え、主体的に関わろうとする機運が、小さな町から芽吹き始めている。

このように保護者の声が学校や行政に届きやすいのは、人口があまり多くないということもあるかもしれない。各地の学校にはPTAはあるかもしれないが、基本的には学校の授業は教育委員会と先生の方針で、1年に1回程度学校に関するアンケートはあるが、その内容によってスピード感をもって、学校の改善が行われるとは到底思えない。

池田町のように、子どもたちを真ん中に置いて、誰一人取り残さないように、人づくりをすることが、住み良いまちづくりになると思う。

各自治体の行政もさまざまな決定事項があるだろうが、全ての大人がその強弱はあるかもしれないが、教育行政を自分事と考えて、子どもをまん中に、学校・保護者・行政が未来を見据えて教育環境をより良くしていけるといい。

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