冷静と情熱のあいだの「不動産テック」 ~ 攻略難易度3つ その③ ~

さて、今回は難易度の3つ目になります。(というか、まだこのパーツか、、挫折しそうww。)

■Summary
・不動産業界の商流は、①管理会社と仲介会社を経由する②その組み合わせは多数③その関係性は緩く・弱い、という複雑な商流になっている。

・管理会社、仲介会社という不動産業務の在り方そのものが進化のボトルネックになっている。

■不動産業界最大の難易度 商流が複雑

「商流が複雑」。これです。不動産業界攻略の難易度の正体はここにあります。理由はそのママ複雑であるため、外からは非常に見えづらい(理解しづらい・理解できない)ということかと思います。不動産業界に知見の無い方はなかなか理解できてないでしょうし、少し理解されている方でも、ここがどれだけのボトルネックになっているかを腹の底から理解している方は少ないと思います。(少なくとも、私は今までここを本当に理解されている方は、不動産会社様当人で1人だけ、不動産周辺の方では1人もお目にかかっていません。すみません、私は本当にここだと思っているので。)

まず不動産会社といっても下記の2つにわけられます。(解りやすくするため2つの分類に留めます)

①管理会社:家主から物件の管理委託を受け、リーシング業務(入居率を高く保つ)、入居者対応、建物管理などを行い、家主の方を向いて商売をされる不動産会社です。イメージは、「西野不動産」みたいな社名で、地味な看板を掲げ、ご年配の方が営んでおられるような不動産屋さんです。

②仲介会社:お客さん受けのよさそうな物件をかき集めてポータルサイトに掲載して集客する、エンドユーザーを向いて商売される不動産会社です。イメージは、カタカタ社名で、駅前の1Fの店舗で若い方が営んでおられるような不動産屋さんです。

で、この管理会社、仲介会社を経由し、家主から賃借人に物件が流通していきます。

モノの流通で例えると、管理会社が卸、仲介会社が小売店、になります。で、昨今のモノの流れにおいては、卸売りは消滅し、リアルな小売店舗はインターネットにとって代わられようとしています。ここではそのトレンドが不動産領域においてどうなるかは置いといて、賃借人が部屋を借りるまでには管理会社と仲介会社という2つのプレイヤーを必ず経由する(未だに卸と小売が商流のど真ん中にいる)、ということです。

さらに、管理会社と仲介会社の商流について記載すると下記になります。

直接、管理会社が集客し、賃借人を見つけてくる、ということもありますが、私のハダカンでは、賃貸マーケットの3-4割くらいしかなく、管理会社→仲介会社と経由する割合が6-7割を占め、商流のほとんどを占める、と考えてます。※ちなみに、この管理会社・仲介会社の情報のやり取りを「業者間流通」と呼び、弊社はキマRoom!というサービスで効率的な情報流通プラットフォームを創出することを事業ミッションにしています。

で、ここからなのですが、賃貸の契約のほとんどが、「管理会社と仲介会社」のやり取りで行われるということは、無数のやり取りが発生している、ということです。(すみません、アタリマエですが。。)

例えば上記のように、管理会社と仲介会社の組み合わせは無数に発生することになります。上記は適当に数字を置いただけですが、たったこれだけの管理会社と仲介会社の数だけで、この組み合わせの数になります。いわば、蜘蛛の糸が複雑に絡み合うように業務のやり取りが行われています。

■そのお互いの関係性は?

では、複雑に絡みあっている2社の関係性はどうなのか、というと下記になります。この関係性について「営業代理店」を例に進めたいと思います。

①他社に依存している(自己完結してない)

まず、「商流の7割が管理→仲介を経ている」ということですが、管理会社の立場からすると売上の7割を他社に補ってもらっている、ということになります。更に、この管理会社と仲介会社の間には、通常の商習慣では発生している「代理店契約」のようなものは一切発生してません。これ、冷静に考えてすごくないですか?私の会社の売上の7割を他社さん経由であげてもらっていて、その会社とは代理店契約・業務委託契約のような契約関係が発生してないなんて。。。他の業界ではまずアリエナイと思います。ちなみに、業界TOP某企業さんは、年間1.2万店舗からの仲介会社からの客付で成り立っています。

②他社が固定してない(毎月変わる)

更にすごいのが、その7割の仲介会社さんは固定されてません。契約関係が発生していないので、極端な話、毎月顔ぶれが変わります。あるいは、毎月売上NO1 の仲介会社がある月からパッタリ売上を上げてくれなくなります。これまたすごくないですか?私の売上の会社の売上の7割をあげてくれてもらっていた会社が来月にごっそり入れ替わるなんて。。。考えただけでもゾッとします。

③情報共有の共通インフラが無い

自社の売上の7割が代理店を経由している場合、通常であれば最低でも毎月代理店を集めて営業会議をするでしょう。そして、「ホウ・レン・ソウ」に滞りの無いように、チャット・グループウエアなどを整備して情報を共有化を図ることと思います。が、この業界にはありません。。一切。。電話とメールとFAXです。。。なぜなら互いに契約関係はないので。例えば上記の②の売上NO1の会社が廃業します、とかNO1営業マンが退職します、とかの情報は基本的には共有されていません。これまた恐ろしいですよね。。

■まとめ

ということで、非常に緩く・弱い関係性でお互いが蜘蛛の糸の様に絡み合いながら業務を行っている、ということになります。これは逆に言うと、全く統制が効いてない、ということになります。

要は、指揮官一切不在の中、全国12万社が、各商圏の独自の生態系・ローカルルールを形成し、互いが弱い繋がりで繋がっている、ということになります。

ここがこの不動産業界(流通)攻略の最大の難易度です。何かを変えようとしても(最新のIT機器を導入しようとしても)、たくさんの他社が絡みあっているために(明確に規定できないたくさん)、それら関係各社(緩く・弱い関係性の各社)を全て巻き込んで動かさないといけない、ということになります。要は不動産会社の生きる術である管理仲介という在り方そのものがボトルネックになって、物事を前に進ませることができない・できづらい・できても徐々に、になり、ドラスティックなチェンジを仕掛けることが難しい、ということになります。

これはトライすれば分かりますが、なかなかにして難しいです。


以上が、不動産業界攻略の難しさ3つ(非日常・裾野が広い・商流が複雑)になります。次からはこの前提を基に、世の中的に間違って理解されていると思われる3つ(不動産会社は紙とFAXが好きの嘘、情報の非対称性の嘘、不動産テックまずその前に)を書いていきたいと思います。

※この後、ポジティブなことも書きたいと思ってますのでしばしお待ちください・・!


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