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読書会感想文

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読書会に提出した読書感想文です。
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記事一覧

トルストイ『戦争と平和 第四部第一篇、第二篇』読書会(2024.4.19)

トルストイ『戦争と平和 第四部第一篇、第二篇』読書会(2024.4.19)

2024.4.19に行ったトルストイ『戦争と平和 第四部第一篇、第二篇』読書会の模様です。

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解説しました。

私も感想文を書きました。

大地の潜熱としてのジャガイモNHK BSでYBC山形放送の制作した『三つめの庄内~余計者たちの夢の国~』というドキュメンタリーを見た。戦後帰国(8割はソ連侵攻ののち満州で死去)した庄内出身の満州開拓団の人たちが、青森の

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トルストイ『戦争と平和 第三部第三篇』読書会(2024.3.29)

トルストイ『戦争と平和 第三部第三篇』読書会(2024.3.29)

2024.3.29に行ったトルストイ『戦争と平和 第三部第三篇』読書会のもようです。

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日本人の潜熱
(引用はじめ)

出て行こうとし、最初に出て行ったのは裕福で、教養のある者たちで、ウィーンやベルリンが無傷のままだったこと、そこではナポレオンの占領中に、市民たちが魅力的なフランス人といっしょに楽しく時を過ごしたことを知っていた。しかもそのフ

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トルストイ『戦争と平和 第三部第二篇』読書会(2024.3.8)

トルストイ『戦争と平和 第三部第二篇』読書会(2024.3.8)

2024.3.8に行ったトルストイ『戦争と平和 第三部第二篇』読書会の模様です。

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解説しました。

ロシア正教は、ロシア国民の関係を樹立し、リアリティを創造している

(引用はじめ)

権力が実現されるのは、ただ言葉と行為とが互いに分裂せず、言葉が空虚でなく、行為が野獣的ではなく、言葉が意図を隠すためではなく、リアリティを暴露するために用いられ、行為が関

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読書日記(2024.2.23) 大江健三郎 江藤淳 全対話

読書日記(2024.2.23) 大江健三郎 江藤淳 全対話

書店で立ち読みした。1400円でも買いたいとは思わなかった。

大江健三郎が存命だったら出版されていないであろう本である。

『万延元年のフットボール』が発表された頃の対談が掲載されており、江藤淳は、作品に対して、見当違いの批判を延々、大江健三郎にしていた。

安保闘争という政治運動への挫折をテーマにしているのに、そのことに関して、江藤淳があまりピンとこないのか、触れていなかった。

(おわり)

読書日記(2024.2.20) こんなこと

読書日記(2024.2.20) こんなこと

ウェンダースの『パーフェクトデイズ』で役所広司が古本屋のゾッキ本の棚から幸田文の『木』を選んで購入するシーンがあった。

ゾッキ本、見切り品のことである。100円均一の棚である。

私は、『パーフェクトデイズ』を松竹相生座に見に行った帰りに、アーケード街にできた(いつからできたのか知らないが)古本屋に寄ったら、ゾッキ本の棚に幸田露伴の岩波文庫が2冊あったので買ってきた。

微妙に渋いラインナップの

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トルストイ『戦争と平和 第三部第一篇』読書会(2024.2.16)

トルストイ『戦争と平和 第三部第一篇』読書会(2024.2.16)

2024.2.16に行ったトルストイ『戦争と平和 第三部第一篇』読書会のもようです。

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解説しました。

私も書きました。

憲法にとらわれない民兵組織による国防は歴史的標準である

フランス革命によってブルジョワ階級を政権に組み込んだフランスは、ブルボン王朝に通じる周辺王国の反革命的介入を阻止すべく国民皆兵制を整備した。これが、ナポレオンの大陸軍(グラン・ダル

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トルストイ『戦争と平和 第二部第五篇』読書会(2024.1.26)

トルストイ『戦争と平和 第二部第五篇』読書会(2024.1.26)

2024.1.26に行ったトルストイ『戦争と平和 第二部第五篇』読書会の模様です。

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解説しました。

思想上の大祖国戦争
第二部 第五編の内容は、ナポレオンのモスクワ侵攻の前夜祭といった印象である

ロシアの近代化の旗振り役だったスペランスキー伯爵の突然の失脚と流刑、アンドレイとナターシャの婚約破棄、そしてモスクワ上空に現れた、時代と運命の転換点を象徴するよう

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トルストイ『戦争と平和 第二部第三、四篇』読書会(2024.1.12)

トルストイ『戦争と平和 第二部第三、四篇』読書会(2024.1.12)

2024.1.12に行ったトルストイ『戦争と平和 第二部第三、四篇』読書会の模様です。

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私も書きました。

ロシアの魂

年末NHKBSで放送していたので大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』を久々に見返した。ビートたけし氏演じるハラ軍曹を見ていて、ロストフ家の狩猟頭ダニーロみたいだなと思った。

財政破綻で大変なロストフ家ではあるが、まだ一

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トルストイ『戦争と平和 第二部第一、二篇』読書会(2023.12.15)

トルストイ『戦争と平和 第二部第一、二篇』読書会(2023.12.15)

2023.12.15に行ったトルストイ『戦争と平和 第二部第一、二篇』読書会のもようです。

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私も感想文を書きました。

『戦争と平和』を読めば、現代のロシア人のこともよくわかる

フランス革命によって国王政府が打ち倒され、教会の権威も失墜したフランスでは、ブルジョワの政治参加とナショナリズムの高揚により、一気に近代化が進んだ。そして、ナ

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トルストイ『戦争と平和 第一部第三篇』読書会(2023.12.1)

トルストイ『戦争と平和 第一部第三篇』読書会(2023.12.1)

2023.12.1に行ったトルストイ『戦争と平和 第一部第三篇』読書会の模様です。

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私も書きました。

デジタルネイチャーのニコライ

負傷して、戦場で捕虜になりそうになったので逃げ回り、シェングラーベンの戦闘で大活躍した「マトヴェーヴナおばさん」という大砲に乗せてもらって、退却し、誰にも開放されず、孤独で惨めな思いをしたニコライだが、

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トルストイ『戦争と平和 第一部第二篇』読書会(2023.11.17)

トルストイ『戦争と平和 第一部第二篇』読書会(2023.11.17)

2023.11.17に行ったトルストイ『戦争と平和 第一部第二篇』読書会のもようです。

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解説しました。

戦争という現象

解説音声で、自分の感想はもうだいたい喋ったので、抽象的なことを書かせてもらうことにした。

200年前にあったナポレオン戦争をいろいろな側面から描いている小説である。『戦争と平和』を読んで、何を学べるかといえば、戦争という「現象」のわ

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読書日記(2023.11.10) 徒弟制度とイデア

第4章『仕事』に書いてあった話。

職人には独居(ソリチュード)が死活の必要条件だと書いてあった。

職人はもののイデアと対峙して、材料を支配している。

親方(マスター)とは材料を支配(マスタリー)して、頭の中のイデアに近いものを創作するということだそうだ。

徒弟制度における親方というのは、弟子を育てるためにあるのではなく、独居においてイデアと対峙する姿勢を示しているだけである。

基本は、独

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読書日記(2023.11.8) エルドアンと宗教右派

読書日記(2023.11.8) エルドアンと宗教右派

NHK BS1スペシャル トルコ大統領選 あぶり出された少数派の声をみた

ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルとガザ地区の戦争などでトルコの外交的重要性がますます増しているという。

そんなトルコで、少数派であるイスラム教アレヴィはやクルド人が、エルドアン政権によって右傾化したトルコ社会で迫害されているという。

600年続いたオスマン帝国が第一次世界大戦後に崩壊し、現代のトルコを建国した初代大

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読書日記(2023.11.7)モラル・ハラスメントの加害者は論争が好き

読書日記(2023.11.7)モラル・ハラスメントの加害者は論争が好き

積ん読であったこの本を少し読んだ。

夫婦間のモラハラ、職場でのモラハラについて具体例を出して紹介している。

モラハラというのは、自己正当化からはじまるものであるというのが持論である。

私も、もしかしたらモラハラ気質の人間かもしれないので、謙虚に戒めとして読んだ。

また過去にモラハラ気質な人間が同僚にいたので、そういう人間の思考や行動の因果関係を知るとともにに、モラハラに対処するためにはオス

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