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【ざっくり】東急レクリエーション業績推移/109シネマズ(過去5年間)

109シネマズは東急レクリエーション経営のシネマコンプレックス全国チェーンである。
今回は東急レクリエーションについて業績推移分析(トレンド分析・財務分析)をしてみた。

【業績推移サマリ】
・過去5年間売上は横ばい、直近は減少傾向
・全セグメントにおいて売上が減少傾向
・利益の半分以上は不動産事業が稼ぐ構造(他の映画会社同様)


■会社の特徴

映画興行や不動産業を手がける東急グループの企業である。
もともとは新日本興業株式会社という名前の会社であった。
そこから1998年に109シネマズの営業を開始した。

それでは今回は東急レクリエーションの過去5年間の業績推移(連結ベース)を見ていきたいと思う。以下は開示されている決算書のデータを参考に作成した。

■会社の業績

キャプチャ

・売上
過去5年の売上は300億円~330億円で推移しており、横ばいが続き、直近過去3年間ではダウントレンドである。2016年については東映、松竹の分析からもわかる通り、映画業界全体が好調であり、2016年は売上が高い。

・営業利益
営業利益も売上と同じようなトレンドであり、2016年が好調であり、それ以降はダウントレンドが続く。粗利について改善傾向である。

■売上分析
まずは売上について見ていこうと思う。
(単位:百万円)

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売上については上記に記載したように映画業界全体で好調であった2016年をピークとして、直近ではダウントレンドである。

売上の増加要因について調べていきたいと思う。

以下がセグメント別売上(ビジネス事業別売上)になる。
円グラフは2018年度の内訳になる。

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決算資料によると各セグメントの詳細は以下である。

映像事業:映画館の経営(109シネマズ)、イベントの企画制作

ライフ・デザイン事業:ボウリング場・フットサル場・フィットネス施設・
コンビニエンスストア・飲食店。ランキンランキン・ホテルの経営

不動産事業:ビル・住宅等の賃貸

東急レクリエーションの売上約316億円に対して、映画事業は約172億円で全体の55%を占めている。(参考:全体の売上に占める映画事業の割合:東宝65%、東映68%、松竹53%)

セグメント別の売上を見てわかるのは”その他”セグメントを除く、全てのセグメントにおいて売上が減少しているということである。

■利益分析
さらに深掘りをするために今度はセグメント別の利益の内訳を見てみた。
円グラフは2018年度の内訳になる。

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セグメント利益からわかることは、不動産事業は売上が減少してるが、
利益ベースでは増加しており、全体を支えている状態である。
利益割合では映像事業を逆転して不動産事業が53%を占めている。
大手映画会社3社と同じように不動産事業が利益に大きく貢献していることがわかる。特に不動産事業への依存度は松竹に似ている。

今後の注目ポイントとしては、
東急グループの得意の不動産事業に映画事業やライフデザイン事業をどのように絡めていくかである。昨今の競争環境では映画館単体経営では難しいため、映画を見終わった後に、その近辺で買い物や飲食で時間を過ごしてもらう不動産開発が今後必要であると思う。

【業績推移サマリ】
・過去5年間売上は横ばい、直近は減少傾向
・全セグメントにおいて売上が減少傾向
・利益の半分以上は不動産事業が稼ぐ構造(他の映画会社同様)


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