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【これからの日本漫画⇔海外コミック】書店やりたい私の市場研究

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「好きな漫画は読んで終わりではなく人にもススメたい、というかリアル店舗で売って仕事にしたい!」と夢見る中年サラリーマンの、日々の市場リサーチの結果をアップしていきます。 特に外… もっと読む
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#コミック

【バットマン】世界各国のコミック作家がそれぞれの「国」を舞台に描いたバットマン集が凄くよかった!(※推薦図書)

アメリカ、フランス、スペイン、イタリア、ドイツ、チェコ、ロシア、トルコ、ポーランド、メキシコ、ブラジル、韓国、中国、日本。 14ヶ国からクリエイターが集結。 それぞれがそれぞれの国を舞台に解釈した、短編バットマン集です。これ、よいです! 私が気に入ったのは、ドイツ版↓ 中国版↓ トルコ版↓ かなり異色作ですが、スペインからは名作アニメ「しわ」で有名なパコ・ロカさんが参加。これもよい! そして日本からは崗田屋 愉一さんが参加!なんと江戸時代に時代設定をしております

バナナをめぐる奇妙な物語027:イギリスのコミック界には「バナナマン」というスーパーヒーローが存在する

バナナを食べることで変身するマッチョなヒーロー、「バナナマン」が存在する。 ただしこれはアメコミに対するイギリス文化側からのパロディ。二重アゴがいくらなんでも強調されすぎていたり、イギリスからみた「アメコミヒーロー」観が面白い。 ちなみに、イギリスの若者が読むコミックといえば結局はアメコミですし、イギリス出身の志あるアーティスト(アラン・ムーアとかニール・ゲイマンとか)も結局アメリカでコミックを出している状況です。が、アメリカに押されつつも、イギリス土着のコミック出版社と

【トルコのマンガ事情】トルコの日本マンガ販売サイトに伊藤潤二の『うずまき』トルコ語版が!!

先日このnoteでご紹介した、トルコ在住のライター、Ö.Burcu Öztürkさん。 この方にトルコにおける日本文化の受容について質問したところ、いろいろなことを教えてくれました。 総論としては、トルコでも日本のサブカルは人気! その証拠として、トルコにおける日本マンガのECサイトのURLを教えてくれました! ▽以下のURLから入ると、gerekliseylerというサイトの「トルコ語に翻訳された日本マンガの販売ページ」にたどり着きます!▽ ざっと見てみても『ON

【海外マンガ事情】西欧各国での日本マンガ・ご当地コミックの売れ筋ランキング分析(2019.08.26~2019.09.01):※イランと韓国からの発信の話

毎週の火曜か水曜にアップしている「各国のマンガ事情」ですが、今週はいろいろと立て込んだ為、土曜日になってしまいました。ともあれ集計が完了しましたので、先週の記事に引き続き、今週分(ほとんど先週分・・・)のデータ公表と考察を行いたいと思います! ■amazon.comでのアメリカご当地コミック売れ筋トップ20:イラン発コミックの好調と、日本での韓国文学ブームがパラレルに見える! まずはアメコミの市場から! 先週に続いてイラン人作家が描いたコミック『ぺルセポリス』が第2位。そ

【海外マンガ事情】西欧各国での日本マンガ・ご当地コミックの売れ筋ランキング分析(2019.08.19~2019.08.25)

先週の記事に引き続き、今週分の「海外市場での日本マンガ売れ筋データ」の公表と考察を行いたいと思います。(※データの収集方法はこちらの過去記事を参照ください) ■amazon.comでのアメリカご当地コミック売れ筋トップ20:イラン発『ペルセポリス』がついに2位へ!! G7ではイラン問題も揉めに揉めたそうですが、そんな中、アメコミ市場では先週に続き、イラン出身のマルジャン・サトラビによる『ペルセポリス』が絶好調。とうとう2位にまでやってきました! ハリウッド映画でイラン系を

【海外マンガ事情】というわけでアメコミ『クライシス』で夏休み読書感想文を仕上げてみました

前回の記事でご紹介したアメコミの大作『クライシス』について、有言実行、夏休みの読書感想文として以下にまとめてみました! なつやすみは、おじいちゃんとおばあちゃんのおうちで、クライシス オン インフィニット アースズを よみました スーパーマンがふたりも でてきたり グリーンランタンが たくさんいたりして おもしろいです でも いくつものれきしがひとつになったとき かたほうのスーパーマンがきえてしまったり ハントレスはバットマンのむすめ というせっていが みんなのきおく

【海外マンガ事情】夏休みの読書感想文にオススメ!究極のアメコミこと『クライシス』!

夏ですね。私もあと少しで仕事に区切りをつけて子供らと夏季休暇を取ろうとしています。 夏休みならば、普段はとても読まないような厚い本を、しっかりと読み込む時期にしてみたいですよね?というわけで、お子様の読書感想文の題材にもピッタリな、壮大な大河物語を紹介しましょう! 『CRISIS on Infinite Earths』です! 「アメコミじゃないか!」と怒るなかれ。これこそ20世紀のアメコミを総括してしまう傑作、というか、怪作だと思うております! 一冊の豪華本に、全12

【海外マンガ事情】ギリシアのコミックを買いたいならこのサイトは如何?

古代ギリシア語学習をきっかけにすっかり現代ギリシアとも縁が深まってきた私。現代ギリシアのサブカル事情ももう少し知りたいな、とも思い。 amazon.comで「ギリシアのコミック」と検索しても、「アメコミをギリシア語に翻訳したもの」ばかりが出てきて、ギリシアのご当地コミックというものを見つけるのはなかなか大変。 でも、いろいろ探していたら、こんなサイトがありました! bibliagoraというギリシア商品通販サイトの、「ギリシアご当地コミック」専用のページです。数は少ない

【海外マンガ事情】西欧各国での日本マンガ・ご当地コミックの売れ筋ランキング分析(2019.07.08~2019.07.14)

先週の記事に引き続き、今週分の「海外市場での日本マンガ売れ筋データ」が揃いましたので、以下7/8~7/14分データの公表と考察を行います!(※データの収集方法はこちらの過去記事を参照ください) ■amazon.comでの日本漫画売れ筋トップ20(2019/07/08~2019/07/14) 先週と同じ集計方法で、7日間での売れ筋ランキングをスコア化し、ランキング上位20までを出力しています。 銃夢(Battle Angel Alita)と同率1位に出現したのが、Teen

【海外マンガ事情】西欧各国での日本マンガ・ご当地コミックの売れ筋ランキング分析(2019.07.01~2019.07.07)

先週の記事に引き続き、今週分の「海外市場での日本マンガ売れ筋データ」が揃いましたので、以下7/1~7/7分データの公表と考察を行います!(※データの収集方法はこちらの過去記事を参照ください) ■amazon.comでの日本漫画売れ筋トップ20(2019/07/01~2019/07/07) 今回からは、7日間あのランキング推移ではなく、「7日間のランキングの総合スコア」を出して、20位までをリスト出力してみることにしました。 ・日ごとに推移を追っても、上位に動きが少なくて面

「聖闘士星矢」のスペイン語版も届きました!第一印象:「やけにデカい」「出版社はまたしてもバルセロナ」

以前に別の記事で、イタリア語版の聖闘士星矢のことを紹介しましたが、今度はスペインから翻訳版が到着しました!さっそく早起きして読み耽っております! 第一印象その1:やけにデカい 梱包を解いて、取り出してみて、まず思ったのは、「あれ?やけに大きい!」ということでした。B5版のハードカバーくらいの寸際で作られています。 上の例でいえば、右から「日本の文庫版」、真ん中が「日本の単行本」、左がスペインの聖闘士星矢です(うちにたまたまあった、「うしおととら」と「蟲師」を比較対象に使

【漫画の海外展開の話のつづき】EU各国でのマンガ市場動向を扱った論文を発見!(※抄訳してみました)

私がEU圏での日本漫画事情について調査をする際、いつも頼りにしているのは、イタリアの社会学者、Marco Pellitteriさん。 The Dragon and The Dazzleという浩瀚な大著を書いた方です。ヨーロッパの学者さんが書いた日本漫画研究書としては決定的な一冊じゃないでしょうか! 昨日の話の続きとして、フランスの漫画事情⇒その他のEU各国の漫画事情と調べているうちに、このPellitteriさんも関わるプロジェクトの一環として、以下のような論文がネット公