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フランスの漫画家が描くスターリン時代の歴史コミック!陰惨で重厚でしかし洒脱!

フランスに詳しい方には「いまさら」な話とは承知ですが、

フランス(と隣国ベルギー)には、バンドデシネと呼ばれるコミックの伝統があります。

日本の「マンガ」とも、アメリカの「アメコミ」とも違う伝統と表現方法を持っており、たいへん興味の尽きない題材ですが、残念ながら日本ではなかなか翻訳されない

日本の「マンガ」が、こんなにもフランスで読まれている時代なのだから、お返しに日本ももっと「バンドデシネ」を輸入してほしい!という想いもあり、私がゴールデンウィークに読んだ以下の作品をオススメとして宣伝させていただきます。

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これは映画にもなりまして、そのおかげでタイトルを知っている人が多いかもしれません。スターリンが死んだ直後の、ベリヤやフルシチョフらの権力闘争と、それに翻弄される民衆の陰惨な運命を描いた傑作です。

現代政治というものに対するペシミズムが貫く重いテーマなのですが、構図やカラーリングの美しさで、本棚に飾っておきたいオシャレなアートに完成している。まさにバンドデシネの伝統

どれだけ憲兵に脅されても辛辣なジョークを交えてスターリン批判をやめない女性音楽家など、民衆の側にたくましく魅力的なキャラが揃っており、洒脱な形を残しているところに好意を持ちました。

私はこれを神田で見つけて手に入れ、たちまち気に入ったのですが、すでに中古品取引になっているわけで。バンドデシネは日本ではすぐに絶版してしまう厳しい状況。日本にもファンを増やして、もっと盛り上げたい

※ちなみに、フランスにおける日本マンガの受容については以前、記事にしたことがあり。こちらへのリンクも再掲します↓


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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!