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決算説明会資料は、シナリオの技術でもっと魅力的にできる、っていうセミナーをした話

決算説明会資料にも、シナリオの技術が使えるよ、っていう話を、12月9日にログミーファイナンスさんでさせて頂きました。

題して『ドラマ「半沢直樹」シナリオライターの養成スクール講師が リライトする「投資家がときめく決算説明会資料」』!(下段にリンク貼りました)

決算説明会の資料と、シナリオの技術。
まぁ結びつかないですよね。
決算資料=お堅いもの
シナリオの技術=エンタメのもの
このふたつには、ギャップしかない。

でも、シナリオの技術は、たいしたもので、伝えたい相手がいるなら、どんなものにも使えるのです。だって、シナリオの技術には、伝えるための技術が詰まっているのだから。

決算説明会の資料は、つまらない

ぼくは、個人投資家ではありません。決算説明会の資料を読むことはありません。

ただ、今回ログミーファイナンスの秋元さんと話をしていて、決算説明会の資料をもっと魅力的にしたいという企業はいるはず。そこに、シナリオの技術って使えないの?

という話になり、

「使えるんじゃない?」

という軽い一言から、今回のセミナーが誕生しました。も少し、ちゃんとした背景もありますが、興味がある方は下段のリンクをご覧ください。

で、改めて決算資料なるものを、いくつか読んでみたいのです。ログミーファイナンスさんのサイトに、たくさん書き起こしもあったし。
で、思ったのが、つまらないなぁ、ということ。

・情報の羅列で、何が言いたいのかよくわからない
・情報そのものに一貫性がないから、会社の姿勢がわからない
・読み手がどう受け止めるのか、考えていなそう

というのが、えらそうですが率直な感想。
投資目的の方は、もっと真剣に読み込むのかも知れないけれど……と思いきや、IR担当の方の悩みの一つに、個人投資家の方に資料を読み込んでもらえない、というのがあるとか。

でも、この悩みはけっこう簡単に解決できるとも思ったわけです。シナリオの技術で。

『なにを言うか』と『どう言うか』

決算資料には、『なにを言うか』と『どう言うか』の二つの面があります。ぼくには、『なにを言うか』はわからないけれど、言いたいことがあるのであれば、それを『どう言うか』を整理することはできます。そう、シナリオの技術で。

だって、シナリオ・センターは、『何を書くか』は作家それぞれが待つものだけれど、『どう書くか』は技術としてお伝えできる、と1970年から始まって、今に至るわけです。

シナリオ・センターは、1970年からシナリオ(脚本)、小説を書きたい方向けに講座をして50年。ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど700名以上の脚本家、小説家が誕生しています。https://www.scenario.co.jp/
祖父の新井一が投げ打った私財で、できあがった教室です。

なので、『なにを言うか』がある程度決まっている決算資料であれば、より魅力的に個人投資家の方々に伝えるために『どう言うか』について、力になることはできるわけです。

まずは、ざっとシナリオの構成を押さえちゃえばいいんです。※詳細は、下記のログミーさんの書き起こしを読んでくださいまし。

IR資料ブラッシュアップサービス_関連資料より

シナリオ・センターでは、構成は起承転結でお伝えしておりますが、みなさんが知っているようで知らないのが、起承転結にはそれぞれ機能があるという点。
この機能からずれてしまうと、視聴者に伝わらないわけです。逆に言えば、最低限の機能を満たしていれば、それなりになります。

起承転結の機能にそって考えることで、ドラマも決算資料も伝わるものにできます。

決算資料でも、構成を意識すりことで、必要な情報をヌケモレなく、かつ魅力的に!伝えることができます。

決算資料に決定的に足りない視点

このセミナーをやるために、決算資料をいくつも読みました。で、だいたいの資料には、決定的に足りない視点があります。
それは、読み手の思考です。

資料を読む人が、なにを考えながら読むのか、その視点が足りない、というか、『ない』!実際、セミナー後のアンケートでも、

・読み手の視点が足りない、という話に目からウロコでした

という言葉がありました。むしろ、その視点なしで資料をつくるの難しそうだけど……と、思わずにいられませんでしたが、意外にそう言うものなのかもしれません。

この点については、伝えたい『テーマ』に対する『アンチテーゼ』を常に想定することで解決できます。

読み手の視点が足りないから、ぶつ切りで終わる資料

読み手への視点が足りないことで、起きる弊害があります。
それは、テーマを言ったら、ブツっと終わるということです。

起承転結というと、皆さん『結』でテーマを伝えると思い込んでいるようです。結論の『結』と思ってしまうのかもしれません。でも、テーマは『転』で伝えます。『転』で伝えたテーマが、定着し、余韻が残るのが『結』です。この『結』を作ることで、テーマを感じる時間が生まれます。

もし『結』がなければ、ラブストーリーの映画だったら、なかなか素直になれない二人が、クライマックスでやっと素直になり抱き合ったら、すぐにエンドロールが流れます。余韻もへったくれもありません。
いっとき流行ったZoom飲みのごとく、いきなり現実に戻されるわけです。

『結』、めっちゃ大切です。
なのに、決算資料にはものの見事に、『結』ありません。投資家の方が、「なるほどな〜確かに成長する企業かもなぁ〜」と考えに浸る時間を与えず、資料は突然終わります。そりゃ、心に届かないはずです。

結を意識すりこと、それは読み手を意識することにも繋がります。

ヴィスさんのIR担当者の方も、「結、が抜けているなと、自社の資料を見て改めて思った」おっしゃっていました。

ってことで、資料の作成ポイントをまとめると、こんな感じです。この内容全部、下記のリンクに書き起こしてあるので、ご覧ください。

当日のセミナー資料より

シナリオの技術は、決算資料にも使えるのでした

実際のセミナーでは、もちょっと丁寧に、そして、実際にヴィスさんという会社の決算資料をもとに、リライトをしています。
11月29日(月)から突発性難聴になっていた、シナリオ・センターのあらいでしたが、なんとか、役目を果たすことができました。

ぼくは、祖父の新井一が体系化させた『シナリオの基礎技術』は、伝えたいと思うすべてのものに使えると思っています。
まだ軽くめまいがありますが、体調もだいぶ回復してきたので、来年は万全の体調で、『日本中の人にシナリオを書いてもらいたい』と思っています!

▼セミナー内容の書き起こしです▼

▼ご興味ある方は、シナリオ・センターのビジネスシナリオへお問合せください▼

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シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html