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Ain’t Nobody Business/Tain’t Nobody’s Bizness If I Do

ポーター・グレンジャー(Porter Grainger)とエヴァレット・ロビンス(Everett Robbins)によって書かれたヴォードヴィル曲だが、実は作詞・作曲者不詳のトラディショナルを下敷きにしている。とくにブルースとジャズのミュージシャンが数多く演奏している。「おれはなにもできないし、うまくいかないこともある。でもおれはおれがやりたいようにやるよ」という、まさに憂鬱な状況において前を向くポジティブな歌詞の曲。

またAin't Nobody's Business but My Ownと親戚関係の曲だと思われ、それについては こちら を参照のこと。

録音

この曲は1923年のベッシー・スミスの歌がまず有名。ちなみにこのときのピアノはファッツ・ウォーラー。その後ジャズとブルースでさまざまな録音がなされる。1940年にはファッツ・ウォーラーも自分のバンドで録音している。さらに1947年にジミー・ホワイタースプーン(Jimmy Witherspoon)が録音をし、この録音がリバイバル・ヒットする。こうしたブルースの路線だとローウェル・フルソン(Lowell Fulson)の録音とBBキング (BB King)の録音を挙げたい。わたしとしてはサム・クックの録音も外せない。比較的最近のバンドでも多数録音されている。

Marty Grosz (NY February 24 2004)
Marty Grosz (Guitar, Vocal); Jon-Erik Kellso (Trumpet); Dan Block (Clarinet); Scott Robinson (C-Melody Sax); Vince Giordano (Bass); Arnie Kinsella (Drums)
インスト。マーティ・グロスのインク・スポッツのトリビュート盤から。かなりゆっくりのテンポのやさしいギターからはじまってダン・ブロックのトランペットが入る。美しいですね。そのあとテンポが速まって楽しいシカゴ・スタイルのスイングを聴くことができます。とくにグロスのコード・ソロは本当に職人芸で聴き惚れます。最高!

Aurora Nealand (New Orleans 2014)Aurora Nealand  (soprano saxophone, vocals); David Boswell (trumpet); Colin Myers (trombone); Oliver Bonie (alto saxophone); Matt Bell (guitar); Matt Perrine (sousaphone); Josh Gouzy(bass); Paul Thibodeaux (drums)
天才ニーランドの録音。ブルージー。

Ralph Sutton & Kenny Davern (NY 1980)
Ralph Sutton (Piano, Vocal)
ファッツ・ウォーラーの録音をもとにした録音。これもとても好き。ラルフ・サットンが歌った珍しい得音。

Ralph Sutton & Ruby Braff (NY 1980[?])
Ralph Sutton (Piano); Ruby Braff (Cornet)
ラルフ・サットンはルビー・ブラフのデュオでも録音している。ルイ・アームストロングとファッツ・ウォーラーが共演したような演奏で泣ける。

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