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Alcoholic Blues

「アルコホリック・ブルースAlcoholic Blues」は1919年にアルバート・ヴァン・ティルザー(Albert Von Tilzer)とエドワード・ラスカ(Edward Laska)が書いた禁酒法反対ソング。禁酒法prohibitionは1920年1月に施行されたので、おそらく歌詞はあとから書かれたものだろう。みんなで歌えるような簡単なメロディが特徴。

内容は、「もう酒が飲めないなんて…憂鬱だ…ビールはない…ウィスキー…さようなら。ハイボール…ジン…。いつ戻ってくるか教えてくれ…」という嘆きの歌詞。おしゃれなところは、”So long gin”と”coming back a-gin (=again)”で韻を踏んでいるところ(カタカナにするとロング・ジンとバック・ア・ギンみたいな感じ)。

禁酒法とマフィア

ジャズと禁酒法は切っても切れない縁にある。ジャズ・ファンにとって禁酒法は矛盾した2つの感情があるだろう。人々の消費行動を妨げる禁止法は効果的とは言い難いし、いまもし施行されたら大きな反発を招くだろう。なにより禁酒法はマフィアなどの組織犯罪を増加させた。

他方で、この組織犯罪がジャズを育てたことは言うまでもない。禁酒法はカクテルを流行らせもして「二人でお茶を Tea for Two」はまさにカクテルの曲だし、ファッツ・ウォーラーやアール・ハインズはマフィアに愛された。

たしかにマフィアは民衆の味方だったり英雄的に描かれることもる。ファッションもかっこいい。ただ、そういうマフィアばかりではない。昔の、それもアメリカだから関係ないと思うけれど、自分の国や地域でこんな悪法が施行されたら絶対いやだと思うはずだ。さまざまな考えが入り混じるのがまさにこうした禁酒法という悪法にほかならない。

録音

わたしが聴いたことがある録音は1940年代のリバイバルか比較的最近の録音が多い。最近の録音だとスコットランドのThe Jake Leg Jug Bandの録音がとてもすき。

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