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資格取得を考える上で、まずは本を読んでみる -1 「資格貧乏物語」

自律的な暮らしを目指すための道筋として、士業の資格を取るのはどうだろうと考えている。

推測する仕事内容がそれなりに自分に合っていそうで、思い切り勉強すれば私でもいくらかの可能性があるかもしれないように思える(あくまで、「そう思える」だけ)のが、行政書士、社労士、中小企業診断士など。それらの資格について調べてみることにした。

ここで書いた可能性というのは、学び始めすらしてない時点で「この資格の勉強なら続けていけるかも」と思えるかどうかが基準になっている。どの試験であれ、そう簡単に受かるものではないことは、理解してるつもり。

士業には、「◎◎になるには」みたいな、その資格を解説する本が複数出ている。でも注意しないと、良い面だけにフォーカスしているものもありそうだ。それに、まずは一つの資格だけでなく、資格横断的に比較できる内容のものが見てみたい。ということで、タイトル名からして厳しめの内容が見込まれ、複数の士業を扱っている「資格貧乏物語」(末木紳也著)から読み始めることにした。

著者は「資格コンサルタント」をしてる方で、資格に関する著書を複数出している。この本は、著者のこれまでの経験をもとに、フィクションとして小説形式で書いたもの(モデルにしている人物や出来事はある)とのことだ。私が興味を持つ社労士、中小企業診断士、行政書士に加えて通訳案内士、気象予報士、税理士など、章ごとにひとつの資格が取り上げられている。

一読して感じたのは、やっぱり「資格取得=成功や自律的な暮らしとなるほど甘いもんじゃないよね」ということ。あえて厳しめの書き方をしているのかもしれないけど、資格をとっても順風満帆には行かない人ばかりがこの本には出てくる。

実際でも、少なくない資格取得者がこの本の内容と似通った状況になるのかもしれない。たとえば社労士の章では主人公が初心者対象の開業セミナー講師として活路を見出し、中小企業診断士の章では登録養成講座の講師となっている。

個人的には、どのような形であれ、その資格を生かして真っ当に生計を立てているのであれば尊敬に値すると私は思う。でも同時に、この本に書かれているような仕事内容に従事することで暮らしていくことにはあまり魅力を感じないのも確か。自分がその道をたどりたいかと聞かれたら「いや〜それは・・・」と答えてしまいそうだ。

この本は、小説としては全く面白くない。ただ、著者が「はじめに」で

一般的に資格は取得する前も後も、夢や成功などポジティブなイメージの言葉で語られることが多いのですが、実はこれは誤った常識です。私は、世の中に資格ほど理想と現実に大きなギャップがあるものはないと思っています。

「資格貧乏物語」p4

と述べている、その感覚は本文から伝わってきた。

資格は、「取ればバラ色」というものではない。特に私のようにアラフィフに差し掛かっている者にとってはなおさらそうだろう。そのことを意識した上で、なお資格を取りたいと思うのか。どの資格であればそういう気持ちになれるのか。そして、資格を取れたとしたらそれをどのように生かしていけるのか。そこをもっともっと深めていく必要がありそうだ。

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