【声劇台本】017「流れ星」

見えないものをみようとして……

BUMP OF CHICKEN の「天体観測」を聴きながら……

<配役>
男子(16):凌太くん
女子(16):そらちゃん
―――本編―――
そらのMO「今日も夜中にこっそり部屋を抜け出して、君と公園で夜空を見上げて流れ星探しをする。中学を卒業してから別々の高校になった私たちがずっと変わらないままでいられますように、と。そう、願いをかけたくて。流れ星を探しているのだけれど。全然巡り合えないでいた」

凌太「そっちは? 見つかった?」
そら「ううん、全然。凌太は?」
凌太「こっちもダメだ。今日も諦めるか」
そら「諦めない」
凌太「えー」
そら「諦めないよ!」
凌太「……本当に見えるのかな? 流れ星」
そら「探さないと見えないよ!」
凌太「なら、仕方ない。本気出しますか!」
そら「見つけたらすぐ知らせてよね!」
凌太「願い事は?」
そら「ん?」
凌太「『ん?』じゃないだろ。願い事、あるんだろ?」
そら「まあね」
凌太「そらに叶えたい夢とかあったっけ?」
そら「あるよ! 私にだって夢くらい」
凌太「それは知りませんでした」
そら「準備しておくから! よろしくね!」
凌太「あっ!」
そら「えっ!?」
凌太「うそー!」
そら「ちょっと真面目に!」

そらのMO「その時、私の見ていた夜空に星が流れた。私は『あっ!』っと思ったけれど。君に報告しなかった。報告したくなかった。だって、君とのこの時間が終わってしまうのが嫌だったから」

凌太「ちゃんと探してるか?」
そら「うん。探してる」

そらのMO「ずっと見つからない星探し。私の願いは叶っているのかもしれない」
―――おわり―――

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今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。