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【Scuola Cafe6月】 「子どもが中心の社会とは」 Part3

Scuola dei Bambini主催、
「子どもたちが最適に学べる」社会について共に考えるオンライン交流会
6月Scuola Cafeのレポート第3弾です♪

前回の記事までは、子どもの幸福度ランキングトップのオランダ社会について代表の大谷の実体験ストーリーを踏まえて考察していきました。

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Part3では、こどもが中心の社会を、「参加」の観点から見ていきます。

■子どもが自由に意思を発信できるとは

突然ですが、
皆さんは幼少期に
「家庭での意思決定に参加させてもらえたと思いますか」
「学校での意思決定に参加させてもらえたと思いますか」

もしくは、ご家庭をお持ちの方は、お子様が
家庭や学校での意思決定に参加していると自信を持って手を挙げられる方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。

子ども達が意見を表明する機会をもち、意思決定に参加することは、子どもの幸福度だけでなく、大人へと成長していく上でも重要視されています。
おとなになっても、「自由を享受できているか」は幸福度に大きな影響をもたらしています。

子どもの権利条約においても、
参加(Participation)
保護(Protection)
供与(Provision)

の3つのPが重要視されていますが、
「保護」や「供与」と比較して、「参加」に関する調査は世界的に少ないことが問題視されています。

■UNICEF調査 自由に意思決定できているこどもの割合

UNICEF のレポートでは、データがある国のみで調査した結果、
国によって自分の意見が聞いてもらえると実感しているかどうかは大きな差があることがわかりました。

日本社会の調査結果は残念ながらないのですが、
皆さんの日常生活を振り返ってみるとどうでしょうか。

子どもも大人と同様に一個人として意見を言える場がどれほどあるでしょうか。この問題の背景に、「子どもが中心の社会」、そして私たち一人ひとりの”幸福度”の根本的な課題が隠されているかもしれません。

参加者の皆様からも、
「子どもたちが自由に選べるようにしていたつもりだけど、本当は制限の中で選択肢を与えていたかもしれない」

「自由にさせてあげたいけど、どこまで自由に子どもたちに選択をさせていいのかわからない」

「子どもに自由がある一方で、親の決断一つで子供の将来は大きく変わってしまうことがあると思うと少し怖さを感じる」
など様々な意見が飛び交いました。

■『自由』≠『放任』

それでは、子どもにとっても、大人にとっても「自由」とはどのような状態のことを意味するでしょうか。

参加者の方からも声があがったように、
「自由は好き勝手やってよい」
ということではないでしょう。

『放任』
「好き勝手。」「何をやってもどうやってもどうでもいい。」という、規律がない勝手な状態

『自由』
規律を伴った(ルールがきちんと守られた)、上で選択や行動が自分の意志で決められる状態。

自由と放任の決定な違いには、
「規律」=大枠のルールが伴っているか否かがあげられます。

Scuola Cafeの中でも大谷からエピソードとしてあがりましたが、
例えば私達の日常生活の中では「交通ルール」が存在します。
自転車が乗れるようになれば、移動の幅が広がり、
運転免許を取得したら、自由に車で日本全国どこへでも行き来することができます。
しかし、自転車も車も自分の好き勝手に走って良いわけではありません。
全員が交通ルールを守る必要があります。

もし赤信号なのに、信号無視して進み続けてしまったら…青信号でルール上進めるはずの人がなぜか待たなければならないかもしれないですし、
渋滞や事故の危険性が高まってしまいます。
ルールを無視し始めたら、安心して自由に移動ができなくなってしまいます。

言い換えれば、
「交通ルール」=「規律」があるからこそ、私達は安心して自由に行きたいところに、好きな時間に移動をすることができるのです。

話をもとに戻して、
子ども達が規律のある世界で、安心して自由に意思決定をできるような環境を整えるためには
大人側もルールを必ず守る必要がありますし、
罰を与えたり、選択肢を奪うという方法ではなく、
自らが自由に意思決定を行った体験を通して、結果まで責任をもって体験することが大切ではないでしょうか。

■終わりに

6月のScuola Cafeでは、「子どもが中心の社会」について皆さんと考えていきましたが、1時間半では語り尽くせないほど、私たちの社会のあり方ついて意見交換をすることができました。
UNICEFのレポートカードで示された図では、中心にこどもがいます
そして、円心状に広がっていく世界には、必ず大人、コミュニティ、社会が存在しており、常に子どもを取り巻く世界には、子どだけでなく「大人」が存在しています。

だからこそ、子どもが幸せにな社会を考えるときには、
子どもの幸福だけでなく、大人がいかに幸せを感じられているか、
他者に寛容であるかは非常に重要であり、
大人が幸福度を感じられない社会では、もしかしたらどのような政策であっても、子どもが幸福度を感じられないのではないでしょうか。

私たち一人ひとりの幸福、”Well-being”について
今一度見つめ直す必要があるかもしれません。

今月もScuola Cafeにご参加くださった皆様、ありがとうございました!


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