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なぜクルマのHMI分野が中心なの?

まずは、よもやま話。

少し前のことになりますが、8月に家族で高知に行きました。
しかし、台風7号が通過した後の荒れた天候で、飛行機が高知空港に降りられないかもと機内でアナウンスがあったほどの大雨。
無事に着陸してくれて、大雨の中、レンタカーで高知旅行開始。

まずはお昼ご飯に食べに、かつお船というお店に。
かつおの藁焼き体験をさせてくれて、焼き立てをさばいた温かいタタキは、とても美味しかったです。

で、ここまでは計画通り。
この後に桂浜に行こうと思っていたけど、最終日に行くことにして、さあ、どうしよう?

インドアしかないわなと、美術館とか博物館とか探して、高知県立美術館に行くことが決定。

高知県立美術館(晴れてたら、こんななんだ)

思い付きで来たので、どんな展示があるかも、よく分からないまま、特に期待もなく訪れたわけです。
ところが、ところが、「ほんと来て良かったあ!」と大満足で帰ることになりました。

野町和嘉さんという高知出身の写真家の写真展をやっていて、衝撃的に素晴らしい写真がたくさんありました。
写真に見入ってしまって、立ち止まることが多く、思いがけず長時間を過ごしました。大雨のせいか空いていたので、ゆっくりと鑑賞できてよかったです。
野町さんという写真家は存じ上げていなかったのですが、これ以降、時々、野町さんの写真を眺めています。
写真をブログに載せる訳にはいきませんので、野町さんのオフィシャルへのリンクを貼らせていただきます。

野町和嘉さんのオフィシャルサイト:http://www.nomachi.com/

僕は知らなかったけど、有名な写真家のようです。「あっ! この写真どこかで見たことある」という一枚が出てくると思います。

写真家の撮った写真というのは、素人の撮る写真とは全く別物ですね。
芸術家が創ったアートは、AIの作るアートとは別物になるに違いないと思った次第です。

天気が良ければ、美術館に来てないし、こういうのは巡り合わせですね。
ほんと、美術館に行って良かった。

高知に旅行したのは、清流四万十川を観たいという家族のリクエストによるもので、高知市に一泊して、四万十に向かったのですが、大雨の後ですから、濁流四万十川でした。
帰る日に、水かさ下がってきましたが、本来、物凄く水が綺麗だそうなので、また来てみたいものです。

沈下橋が沈下している        最終日は水が引いて屋形船に

高知県内を、四万十を中心にして観光しましたが、自然がたくさんあって素晴らしいところでした。
最終日は無事に桂浜に行き、坂本龍馬に思いを馳せて帰路につきました。


なぜクルマのHMI分野が中心なの?

デザインエンジニアリングに取り組もう!と始まったエスディーテックの売上の多くは、自動車のHMI(ヒューマンマシンインタフェース)のデザインからソフトウェアの開発です。

クルマです。

どうしてなのか?

自動車産業は巨大な産業で、日本のメーカーが強く、人口の減る日本国内だけでなく、グローバルに展開していて、まだまだ市場が伸びているから?

もちろんそれはあります。そして、何よりクルマが好きです。

でも、自動車産業に目を付けて、この分野で何をしようか、HMI領域で活躍の場がありそうだ、ここに向けてデザインエンジニアリングをやろうという順番で考えた訳ではありません。

デザインエンジニアリングをやろう、どの分野で頑張るか。

本来、デザインエンジニアリングが求められる分野は、たくさんあります。ほぼすべての分野と考えて良いでしょう。

しかし、日本国内では、デザインの本質を理解している人(産業、企業)がまだまだ少なく、必要であることが分かっていないことが多いと思います。お絵描きと捉えている人が多い。

意味が分からず、故に、必要性に考えが届かずという人に、デザインを理解してもらう啓蒙活動的なことは、私たちがやるべきことですが、事業をやるのであれば、大いに必要と理解している人に当たるべきだと思いました。

なんでお絵描きの人がプロジェクトに入るの? から、人間中心のデザイン思考の専門家が入らないといけない、まで持っていくのは…頑張りましょう。

Webサイトやスマホアプリの分野は、デザインが必要なことを分かっている人も多いですし、お絵描きの要素も入るので、見積に入っているデザインについて、お絵描きねと捉えてしまわれたとしても、話は先に進むでしょう。有りの分野です。

ですが、この分野でデザインエンジニアリングをやっている会社は、設立した2015年時点でも何社かありました。
競合が居て、そこが縄張りを押さえに掛かっている感じでした。

エスディーテックのエンジニアは、組み込みソフトウェア開発の経験者が何名か居て、PCやスマホ以外のデバイスを狙った方が良いと考えていました。
まあ、そう考えたのは、エスディーテック開業前からであり、ある程度、知見もありました。

組み込みソフトウェア開発におけるデザインエンジニアリングをやる会社は、あまりないと思います。

自動車会社は、UXデザインの必要は分かっています。
世界で売るためにも必要なことだと理解していて、自動車会社にはデザイナもたくさん居ます。
しかし、2015年当時、自動車会社にはエクステリアとインテリアのデザイナは居ても、HMIのデザイナはあまり居なくて、慣れてもいませんでした。
HMIに関しては、メーターやナビを発注する取引先企業(Tier1)に、デザインも含めて任せていたようなところがありました。

ところが、欧州、特にドイツの自動車会社が、クルマのコックピット/HMIが、ブランドの体験(UX)として大切であると、思いきり力を入れ始めていました。大いに正しい。

日本の自動車会社は、外部に任せてられない、自分たちでやらなければとなりましたが、今までやっていないので経験不足です。
Tier1にデザインを全部任せず、自分たちでやるのですが、社内にHMIのデザイナが揃っているわけでもなく、外部のデザイン会社を自分の監督下で使ってやり始めました。

でも、デザイン会社はUI/UXデザインはできても、ソフトウェア開発はできないので、自動車会社はソフトウェア会社を使って開発します。
ソフトウェアエンジニアも社内で充実はしていないのです。

でもって、グラフィックス等の意匠系は、また別の会社を使う。

デザイン、ソフトウェア、意匠を、別々の会社に発注する。
分業になっていたのです。
それぞれに膨大な仕様書を用意して、やり取りをして開発をしていく。

それに加え、HMIというかUIは、誰でも何とでも意見が言える。
好みの話もあれば、やっぱりこうした方が分かりやすいとか、開発途中で意見が出てきて、開発の手戻りも発生しやすい。

これを分業でやるのは、自動車会社のプロジェクトマネージャーは、大変なんてものではないでしょう。

ユーザーに満足してもらうことが大きな目的であり、故に、開発中の手戻りが多いのは、ゲームソフトの開発にも、相通じる点があります。
クルマのHMIの開発ボリュームと複雑さも、ゲームと相通じるかも知れません。

僕はこう思いました。「ゲームを分業で作っているようなものだ。」

ゲームの開発会社は、デザイン、ソフトウェア開発、グラフィックデザインのメンバーが、チームとして一緒に開発をしています。
分業でゲームなんて作れません。

自動車会社はデザインの重要さは分かっている。
そして、HMIの開発は分業で苦労している。
エスディーテックが、デザイン、ソフトウェア開発、意匠系のメンバーを、三位一体でチームとして用意し、デザインエンジニアリングをやれば喜ばれるに違いない。

大変喜んでもらって、事業が立ち上がった。という流れです。

今は、自動車会社もHMIの分野のデザイナやソフトウェアのエンジニアを増やしてきました。
エスディーテック立ち上げ時ほどは喜ばれていないかも知れませんが、クルマは大きな変革期にあり、デジタルとの関係は、どんどん深まり、変化も大きく早い。

これからも切磋琢磨してクルマ分野で頑張りたいと思っています。

クルマに次ぐ分野が、カラオケのリモコンのソフトウェアです。
コロナ渦でカラオケ産業は大きな打撃を受けましたが、やっと多くの人がカラオケを楽しむ状況が戻ってきました。

クルマにカラオケ、やっぱり僕が好きなものをやっていると見られますね(笑)。

というわけで、クルマとカラオケで始まりましたが、あらゆる分野にデザインエンジニアリングを届けたいという目標があります。

社員が成長し、会社としてレベルアップしながら、引き続き励んでまいります。



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