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【要約備忘録】11月に読んだ本6冊

こんにちは、Yuriiiです。

更新が遅くなりましたが、11月に読んだ本の備忘録です。
小説系は要約できないなと感じたため、感想文形式にしています。

11月は各地への移動が多く、専門書というよりは小説系がメインでした。
専門書だと途中で閉じたらまた最初から読み直さないと内容についていけない…となるタイプの私が旅行中に持っていくのは、大体小説系です。


小津夜景『いつかたこぶねになる日』

パケ買いというのか帯買いというのか、買うつもりなかったのに買ってしまった本。

漢詩にも興味があるので、より身近に感じたい、現代俳人の方はどうとらえているのかを知りたいという目的で読み始めた。

フランスにお住まいの方で、フランスでの生活も垣間見ながら漢詩の幅広さ、詠んだ人の個性をエッセイ風に読めて、純粋に楽しかった。

各タイトルからは想像つかないし、言葉ひとつひとつが独立しているというか読んでいるのにすり抜けていくようなそんなエッセイだった。

もう1度読んでみたい。
読んだタイミングによって、多分また違った感覚を味わうことができる。


エドワード・ドルニック『ヒエログリフを解け:ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース』

久しぶりに一気読みした。

スマホも気にならず周りも気にならずただ本のみにのめりこむ。
そんな貴重な経験をさせてくれた本。

読み終わったあと、最初に頭に浮かんだのはこの2つ。
・細部に神は宿る
・いくら天才でも無尽蔵の体力と気力、継続力がなければ大発見ができない

ヒエログリフを解読したのは19世紀のシャンポリオン(仏)である、というのは歴史好きなら知っているかもしれない。

だけどその解読には、ライバルのトマス・ヤングを筆頭に、旅好き富豪やサーカス団(!)、いろんな人の発見があって、その発見がシャンポリオンの耳に入ることが必須条件だった。

いくら天才でも情報を集める貪欲さ、そして協力者がいないと達成できないということも感じた。


田辺聖子他『君を恋ふらん 源氏物語アンソロジー』

久しぶりの歴史小説アンソロジー!

24年の大河ドラマは紫式部ということで、源氏物語や平安時代の著作の再刊がよく本屋に並べられるようになった。

平安時代の前半が元専門でやっていたので、その動きは嬉しい限り。

その流れで見つけたこの本は、豪華女性歴史作家らが書いた、源氏物語や平安時代に関するアンソロジーである。

私が持っている歴史小説の作家が多かったのもあり、即買って読んだ。

そして感じたのは、これって源氏物語のあらましをある程度知っていないと楽しめないのでは…?というもの。

アンソロジーだからかもしれないが、最初の入りや話の展開で「あ、これ浮舟だな」とか感じることができれば、より楽しめる本だ。

入り口として読むには少々マニアックな部分があるかもしれない。

個人的に好きだったのは、『栄花物語』の作者とされる赤染衛門の目線から書いた「栄花と影と」。
直木賞作家の永井紗耶子が書き下ろした短編小説だ。

清少納言と紫式部の両方と時代が重なる赤染衛門が、どうして女性が物語を書いたのか筆を執ったのかに切り込んでいくのに惹きこまれた。


ジョン・フィッチ、マックス・フレンゼル『TIME OFF 働き方に“生産性”と“創造性”を取り戻す戦略的休息術』

タイムオフとは、休暇や余暇についてではなく、生きる意味を深く探って人生を充実させる概念である。本書は燃え尽き症候群や過労を遠さげる習慣によって、高尚な余暇文化を作ることを目的としており、タイムオフによって成功した人物の事例を多く取り上げている。そして休息倫理が労働倫理と並んで重要であると主張している。休息倫理とは、自分の一番深いところにあるクリエイビティと可能性を見つけ、解き放つためのものである。

200字ぴったり!

仕事ばかりの日が増えてきて、息抜きの重要性を見直すために読んだ本。

読み終わった後じっくり休めるようになって、燃え尽き症候群が減ってきたかもしれない。

コントロール可能な事柄に集中することなどは、『エッセンシャル思考』にもつながると思う。


宮嶋勲『最後はなぜかうまくいくイタリア人』

異文化と触れるときに、その国の法則を知り、その国の人の行動を予想して、笑い飛ばすことができれば、様々な衝突が避けられる。イタリア社会は寛容であり、先のことを細かく決めるよりも目の前のことを楽しみ、いざ何とかしなければならないときに火事場の馬鹿力を発揮する。また、コネで物事が動くことが多く、友人関係を広く築くことは生き抜くすべである。そして食事は友人関係を広げる社交的な場であるため、食事時間が長い。総じて少々のことではひるまない、しぶとさこそがイタリア人の最大の武器である。

252字

踏んだり蹴ったりの日だった時に、読んだ本。
ついていないと思っても、寄り道のための出来事だと思えば、気も楽になったし逆に楽しめた。

こういうところはイタリア人を見習ったらいいのかもしれない。
逆に盗難や脱税など、見習ったらうーん…となる特徴も多く書かれているため面白い。


斜線堂有紀『本の背骨が最後に残る』

すらすらと読めるのに、なんだか不気味。
始まりと終わりが不気味。

良い言葉が見つからないけど、そういう本は初めてだった。
『ハーモニー』を読み終わったときの感触と似ているかもしれない。

確かに帯にある通り、「読まない方がいい。虜になってしまうから。」は、この本の本質を表しているかもしれない。

だが虜になるというよりかは、後にも引きずられる感じ。

幻想小説に括られるらしいが、科学技術も取り込まれていたので、SF小説読んでいたっけ?と思うときもあり、ジャンルにとらわれない本だと思う。



この中にもし興味のある本がありましたら、幸いです!
今年も残りあと1ヶ月。
早いものですが、読書ライフを楽しみながら自分の世界を広げていきたいです。

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