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会社や学校へ行きづらい時は、無理しない、普通にする。

2年前に子どもが生まれた。
とても怖かった。
無事におなかの中で育つのか。心拍が止まるんじゃないか。
ちゃんと生まれてくるのだろうか。
私も、私の親もとても心配な日々を送っていた。


そんな心配をけとばすくらいの勢いで、予定日から1週間後に4,000グラム超えのビッグベビーが誕生した。

職場のみんなも、とても喜んでくれた。

死産から3年がたっていた。

死産後の産休からの復帰


知らなかったけど、死産でも産休がとれる。
あの年、規定通りの産休をとってから、職場に復帰した。
とても行きづらかった。
「腫れ物あつかいされるんじゃないか」
「どんな顔してみんなに会えばいいんだろう」
「気を遣われたくないな」
考えすぎて、困ったような笑っているような、微妙な顔のまま会社に行ったような気がする。


まず上司にあいさつをした。
うまくできた。
席に座った。
なんか大丈夫そうかも。
みんなにあいさつもした。
「おはようございます。今日からまたお願いします」

ふつうに接してくれる人たちの優しさが染みた。

励まそうとして、意を決したように声をかけてくれた人の表情も忘れない。
とても声をかけづらかったと思う。
ある女性の上司は、「大変だったね」と言ってくれた。
「変わらずよろしくお願いします」と言ってくれた後輩もいた。


普通でいい、苦しいことをしなくていい


事情を知らない人もいて、そういう時にどう返したらいいのかわからなかった。
「双子は大変だろう」と言われたこともあった。
死産したのは双子で、20週だったけれど、すでにだいぶおなかが大きくなっていたため、職場で目立っていた。
普通に出産後2カ月の休みを取って復帰したと思っている人もいたのだった。

取引先の人から「双子はどうしてます?」と声をかけられ、とっさに返事ができずにあいまいに笑ってやりすごしてしまったことがあった。
それを見ていた目の前にいた同僚がすぐに私に声をかけてくれた。
「ケイさんは自分の気持ち言わなすぎ!ちゃんと言えばいいんです」と諭された。
なんか、ありがたいなぁとしみじみ思ってしまった。
事情を言えば声をかけた人が気まずい思いをするだろうし、かわいそうと思われたくないし…と考えすぎていた。
普通でよかったんだ。
「普通でいい」と教えてくれる人がいるなんて、なんてありがたいんだろう。
この時の同僚は、転職して違う会社にいるけれど、今も大切な友だちだ。


「辞めてもいいんだから」と言ってくれたのは姉だった。
辞めるという選択肢もあると。
そのときも、ありがたくてしみじみしてしまった。
つらいことを増やさなくていい、しんどければ環境を変えればいい。
そういう意味だったと思う。
辞めなかったけど、いつもで切れるカードとして私の心の中に大切に保管してある。


いろんな事情があって、会社に行きづらいときがあると思う。
あるいは学校かもしれない。
そんなときは普通でいい。
声をかけてくれた人には、普通に返事をして、何も話したくなければ話さなくていい。
無理なんかしなくていい。
なんならもう少し休んだっていいし、行かなくてもいい。

会社や学校に行くために生きているわけではなく、自分が幸せになるために生きているのだから。


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