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ケイラと読みます。4歳の子を育てる兼業主婦。好きなものは海、時代小説、パン。本の感想や…

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ケイラと読みます。4歳の子を育てる兼業主婦。好きなものは海、時代小説、パン。本の感想やら誰かの助けになるといいなと自分なりに思う話を書いていきたいと思います。

最近の記事

仕事でお邪魔した「成人のつどい」で、ちょっと嬉しかったこと

1月7日、住んでいる市の「成人のつどい」があった。会場内に、会社でブースを出して、ちょっとしたPRをするというので、お邪魔してきた。 大規模なコンサートや展示会などで使われる、巨大なコンベンションホールが会場。あいにくの雪予報で、晴れ着の参加者たちを心配しつつ、開始の2時間前に到着した。 キラキラとした二十歳の皆さんが、友達と一緒に弾けるような笑顔をみせている。正直眩しい。 設営中に、介助型車椅子に乗った晴れ着の女性が、お母さんらしき方と一緒に開会前の会場にやってきた。係

    • 「存在のすべてを」って見た瞬間、心を射抜かれた気がした

      産後の一時期、本が全く読めなくなった。小説も、軽めのエッセイもだめだった。 開いても頭に入ってこない。そもそも書いてあることに興味が持てない。数少ない趣味の一つを失ったと思い、とても焦った。 寂しい気持ちになった。 落ち着いてくると、少しずつ本を読めるようになってきた。以前のように早歩きのように素早く読むことは難しかったが、ゆっくりと、時にページを戻ったりしながら、本の世界に入っていけるようになった。 体が回復して、頭にゆとりが出てきたのだと実感した。子どもが、小さい

      • 「Xファイル」で人生が変わった。と思う、たぶん

        1993年から放送を開始し、全米で大旋風を巻き起こしたという伝説のドラマ「Xファイル」。 95年から日本の地上波でも放送され、当時中学生の私は、2つ上の姉と共にドはまりし、すっかりその創造性溢れる世界観のトリコに。 地上波での放送が終わったあとも、つづきが気になってたまらず、当時街のあちこちにあったレンタルビデオ店で残りを借りて全部見て、2本の映画も見に行ってと、とにかく夢中で結末を追いかけてしまった。 もしかしたら、知らない人がいるかもしれないので思い出せる範囲で紹介

        • 仲良しじいちゃんばあちゃんの小さな鮮魚店に捧ぐ

          今は亡き母方の祖父母は、小さな鮮魚店を営んでいた。 その店舗兼住まいは、間口が狭く、町屋のような造りをしている。細長い建物の、表口から裏口まで土間様の通路がつながっている。 裏口に面した作業場は、仕入れた魚を運び入れて水仕事をする場所になっていて、いつも水で濡れている。朝、大量の魚をさばいた後はとんでもなく魚臭くなるのだ。 表口を売り場にして、いつも炭火に火を入れて串に刺した魚を焼いていた。 看板もない小さな魚屋は繁盛していた。 ひっきりなしにお客さんが入ってくるた

        仕事でお邪魔した「成人のつどい」で、ちょっと嬉しかったこと

          これはおせっかい?人命救助?田舎育ちの私は迷いながら人の家の門をくぐった

           仕事帰りに息子を保育園に迎えに行き、車に乗せて帰ってくるのが毎日17時半ごろ。この時間帯、私は常に焦っている。子どもの手を洗わせ、園から持ち帰った物を片付け、急いでご飯を作り、犬におしっこをさせ…と短い時間でやるべきことがてんこ盛りだからだ。 8月も終わりに近づいたある夕方、いつものように息子と帰宅し、焦っている私の耳に、人の声のようなものが聞こえてきた。いつもは静かで、あまり歩く人にも会わない、閑静を通り越して沈黙の住宅街。近くの家から人の声が聞こえてくるのだ。 静か

          これはおせっかい?人命救助?田舎育ちの私は迷いながら人の家の門をくぐった

          言いたいことを言える人になりたいと、43歳にして思う

          言いたいこと言えない人と何でも言える人って、ちがう国の人くらい理解し合えないかもしれない。 私は今日出来なかったあれこれを思い出しながら、そんなどうでもいいことに思いをはせた。 ……これはiPhoneのメモに残ってた文章。将来書きたい本のネタになるかもと夢想して、数年あれこれ書き留めていたことがあった。これを書いたのは3年も前。何かモヤモヤすることがあったんだろう、私。少しも思い出せない。 3年もたつというのに、その間に40代に突入もしたのに、性格が全く変わっていなくて

          言いたいことを言える人になりたいと、43歳にして思う

          読書感想文の書き方講座

          小学生向けミニ講座を行いました 2021年夏、勤めている会社で、小学生向けに自由研究のヒントを集めたイベントを行いました。私は地方マスコミ社の社員で、社では地域のためと、社業PRのためにいろんなイベントを行っています。アートの体験教室や、科学系の講座など様々ある中、私が担当した「読書感想文の書き方講座」をちょっとご紹介します。 お断りしておきますと、私は、誰かに何かを教える資格を有しているわけでもなく、ただの活字好きなイチ社員です。が、それなりに誠意を持って色々調べて、講

          読書感想文の書き方講座

          その存在が、新潟の子ども達をいつもワクワクさせてることを忘れないで

           本間至恩選手が海外リーグへ旅立つことになった。アルビレックス新潟の10番を背負う、才能あふれる21歳。新潟サポが、親しみを込めて「至恩」と呼ぶ、広く愛される選手。朝のネットニュースで飛び起きた新潟人がたくさんいたと思う。 正式な報道を待っていたら… ベルギー1部リーグとのこと。いつか移籍し、羽ばたいていくことは覚悟していたけれど、とても寂しい。 小柄な彼がボールを持つとワクワクした。華麗なドリブル。素早い切り返し。見る人を楽しませるサッカーがある。 昨シーズンも、移

          その存在が、新潟の子ども達をいつもワクワクさせてることを忘れないで

          戦争がつらい

           戦争が起きていることが受け入れられない。 ニュースがつらくて見られない。 いまこうしている間にも、理由なき武力で失われている命がある。 なぜこんなにつらいのか分析してみる。もともと性格がいわゆる繊細さんで、人にやたら共感してしまうところがある。 たとえば、朝通勤時に事故を見かけると、非常に落ち込む。あの人、今日一日困るだろうなとか、車壊れてかわいそうだとか。 パソコンにお茶をこぼして始末書をかく後輩を見ると、保護者くらいの濃さで同情してしまう。 人道に反する行い

          戦争がつらい

          亡き人の姿を探す私たちの旅 吉本ばなな著「ミトンとふびん」

          いくつかの短編を収めた小さな本。持っているだけで気持ちが落ち着くようなすばらしい装丁が施されている。こんな色合いで、こんな形の本を見たことがない。どんな発注をしたらこんな本に…?と、なんだかワクワクしつつ読み進める。 それぞれの話の中に、誰かの死が存在している。起きたばかりの死もあれば、遠い昔の死もある。確かにそれはあって、もう自分がもとに戻ることはないできごと。私の身にも起きた。大事な人との別れ。何とか乗り越えて、もう平気だと思えるまでになったけど、この本を開いている

          亡き人の姿を探す私たちの旅 吉本ばなな著「ミトンとふびん」

          街にアルビというサッカークラブがある喜びを忘れない〜肩を落とすのはやめよう

          新潟にはとても美しいスタジアムがある。 冬には白鳥が飛来する、自然豊かな鳥屋野(とやの)潟という湖沼の脇にそびえる、白いスタジアム。 その名も「ビッグスワン」。 どこから見てもでかいし、映える。とても大好きな建物だ。 2002年に開催された日韓W杯のために建てられた。完成はW杯の前年で、ことし、20周年の記念日を迎えたばかりだ。 さてこのすばらしいスタジアムで、J2アルビレックス新潟が死闘を繰り広げている。 そう、J2は昇格・降格争いがいずれも僅差で、まばたきもできない状態

          街にアルビというサッカークラブがある喜びを忘れない〜肩を落とすのはやめよう

          会社や学校へ行きづらい時は、無理しない、普通にする。

          2年前に子どもが生まれた。 とても怖かった。 無事におなかの中で育つのか。心拍が止まるんじゃないか。 ちゃんと生まれてくるのだろうか。 私も、私の親もとても心配な日々を送っていた。 そんな心配をけとばすくらいの勢いで、予定日から1週間後に4,000グラム超えのビッグベビーが誕生した。 職場のみんなも、とても喜んでくれた。 死産から3年がたっていた。 死産後の産休からの復帰 知らなかったけど、死産でも産休がとれる。 あの年、規定通りの産休をとってから、職場に復帰した。

          会社や学校へ行きづらい時は、無理しない、普通にする。

          小説「雄気堂々」と大河ドラマ「青天を衝け」を並走=最高

          本好きな会社員Kayla(ケイラ)です。職場の先輩から薦めてもらった本のことを何回か書いた。もっとたくさんあった気もするけど、思い出したらまた書いてみたいです。 この夏に、時間をかけながら読み終わったのは「雄気堂々」という城山三郎の小説。 近代日本経済の父・渋沢栄一の生涯を描いた長編で、薦められたのは今年の春だったと思う。 職場の昼休みで、大河ドラマ「青天を衝け」を見ているかどうかのおしゃべりがきっかけだった。 「日曜8時は大河ドラマを見る」ルールの家で育ったので、もちろ

          小説「雄気堂々」と大河ドラマ「青天を衝け」を並走=最高

          「ママ、かわいいかっこうしたら?」と息子が言った朝

          育休から仕事に復帰して2年目。去年とはくらべものにならないくらい、要領がよくなってきた。 とある地方のマスコミ会社で販促の仕事をしている私。業務量は増えたが、時間内にこなせる。何事も慣れだ。「慣れ」も良し悪しだな、と気づいたことがあったので、ちょっと書き留めてみる。 働く服装と、ファッション音痴普段、通勤はパンツスタイルが基本で、スカートをはくことはない。 ストッキングをはきたくないからというのが第一の理由で、冷えるから、が第二の理由。 仕事の行き帰りに子供の送り迎えもあり

          「ママ、かわいいかっこうしたら?」と息子が言った朝

          取引先の社長が教えてくれた「いのちの初夜」という本のこと

          職場や仕事先で会う先輩方にお薦めの本を聞いて20年、なかなかストックがたまってきた。 以前書いた「藤沢周平の本との出会い」もその一つで、自分より人生経験の長い人に好きな本を教わるのはおもしろい。 皆さんもぜひ何かの折に聞いてみてください。 勤め先には転勤があって、同じ県内にある支社の一つに、20代の終わり頃着任した。 長い歴史を持つ城下町で、山に囲まれた盆地にある県下2番目の街だ。 そのころは広告営業の仕事をしていて、営業職の場合は4年程度で本社に戻ると決まっていた。 前任

          取引先の社長が教えてくれた「いのちの初夜」という本のこと

          「用心棒日月抄」に出会った22歳の日のこと

             22歳まで「時代小説」に手を出したことがなかった。 はっきり歳を覚えているのは、初めて読んだのが新入社員として会社で働き始めた年であり、会社に入っていなければ読むことを勧めてくれる人にも会っていなかったからだ。  年上の人ばかりの小さな部署に配属になった。地方の小さなマスコミの会社。広告の記事を書いたり、会社が出す住宅雑誌を編集したりする部署で、営業でもなければ取材記者でもない、物静かな人たちが集まっていた。ここで文章の書き方や、校正の仕方、取材の方法を教わった。

          「用心棒日月抄」に出会った22歳の日のこと