見出し画像

【牙狼】魔戒烈伝1~12話 + 阿修羅

 公式が配信してくれるものを配信される順に見ているため、知っている時系列で言うとおそらくかなり飛び飛びの当方である。「魔戒烈伝」、聞くところによるとオールスターらしいが、オールのスターをすべては存じ上げないのが痛いところ。とはいえウルトラヒーローのことをあまり知らなくてもギャラファイは楽しいし、スーパー戦隊の歴史に明るくなくてもゴーカイジャーはワクワクしたものだ。短編集と言うこともあり、気軽な気持ちで再生ボタンを押す。毎回ゴンザによる各話の導入と締めがあるため、まるで一緒にひとつひとつのエピソードをのぞき見しているような気持ちになる。それぞれの話に連続性はないが、とっ散らかった印象にならないのは、登場する「守りし者」たちがみな同じような信念を胸に燃やしているからだろうか。すべての道がローマに通ずるがごとく、見据えるものが同じなのであれば、どの時間もいずれはひとつの光へ繋がっていくのかもしれない。
 いわゆる本編が主に魔戒騎士を中心に据えたお話である反動なのか、魔戒法師成分が多めに感じる。いざとなれば鎧を召喚する騎士とは異なり、法師は身一つでホラーと対峙せねばならぬ。どちらが上・下ということもなく、いずれもたゆまぬ鍛錬が必要に思われる。業界内の流行はホットパンツとみた。


牙狼-GARO- -魔戒烈伝-

第1話「鎮魂歌」


第2話「天満月」


第3話「無頼漢」「処方箋」


第4話「異邦人」


第5話「騎士道」

 邪美もワンチャン、強く願えば魔戒騎士たりえる……ってコト!?
 ホラーを倒せる魔戒法師や男の魔戒法師だってごろごろいるし、騎士と法師の違いって剣を使うか使わないかくらいで、実は結構曖昧なのかも。

 二次元の元老院、大抵悪い事しかしてないからな……。


第6話「根無草」


第7話「転校生」

 学園牙狼、いつもとはまた違う雰囲気でよき。
「誰にも言わないから」を頭から信用するのが若さであり青春っぽい。学校で過ごした楽しかった時間、なかったことにはしたくないよなあ。


第8話「絵空事」「試金石」

 シグトがとても好きになる回。ただし、世間の目は魔戒法師には厳しいのだ。
 あんな風に目撃され、人々の口端にのぼることで、「守りし者」たちの噂はまことしやかに囁かれてきたのだろうなあと思う。街中で戦う以上、誰にも知られないことは不可能だ。それこそホラーによって目撃者が全滅するか、あるいは異世界じみたVR空間に隔離でもしなければ、情報は広がっていくこと必須である。

 矜持! プライドで飯は食えないとはよく言うが、思いの強さを何より大切にする魔戒騎士たちにとっては、自分の心を守ることも大事な責務の一環なのであろう。心身ともに充実していなければホラーには立ち向かえまい。


第9話「青二才」

 上記は話のオチとなるシーンであると同時に、ただのストーリーテラーのように振る舞っていたゴンザが実はストーリー内に介入できることを示すシーンでもある。視聴者→ゴンザ→各ストーリーという入れ子のような構造ではなく、視聴者→ゴンザ←→各ストーリーとでも言おうか。ともすれば視聴者と同じく、外様めいてそれぞれの話を眺めているように見えたゴンザだが、彼もまた作中の人物であることには変わりないのだ(そしてそんなところも「世にも奇妙な物語」っぽいテイスト)。


第10話「破天荒」

 三つ子の魂百まで、と言うお話。


第11話「陰日向」

 こちらも10話に引き続き、役目を離れても教えは身から離れない、と言うお話である。

「白夜の騎士」だけは牙狼の系譜から独立しているのか、やっとこ知っている知識だけで十分に理解できる人たちが出てきたので嬉しくなった。翼のお衣装のプリーツが相変わらず素敵。


第12話「金字塔」

 語源を紐解くと、金字塔とはピラミッドのことであるらしいと聞いたことがある。かつての勇者の墓場、というよりは、太陽=光の方角を指し示す標、といったところか。
 本シリーズでは、さきに「青二才」で各ストーリーとゴンザの相互性が判明している。ゆえに、このゴンザが「やっと会えた」と言うからには、その台詞は視聴者の「待ってました!」とは若干趣を異にする。画面のこちら側の人間とは違い、ゴンザにはきちんと作中での時間が流れ続けているのだ。安堵と喜びと切なさの入り混じったような、大きな吐息がその証だ。

 10話がほぼ初対面なもので……。


牙狼〈GARO〉-阿修羅-

 翼言うところの「日陰者」であり、闇に紛れて魔を滅することが仕事の魔戒騎士たち。彼らの姿を正しく伝えるのは、ただ見ただけの目撃情報や町中に溢れるカメラのレンズではなく、案外誰かの手によって描かれた絵本のような物だったりする。
 カオルの父が突き動かされるように黄金騎士の絵本を作ったのは、自分のであったその騎士のことを形に残し、伝えたかったからだ。カオル自身もまた、父と同じように絵本を紡ぐ。彼女も彼女の大切な人のことを伝えたいのだ。平易でシンプルな文章は、幼い息子の心にもすっと染みわたることだろう。
 こうして黄金の光は受け継がれていく。途切れることなく、いつまでも誰かを守り続けるために。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?