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【GS翔】第17話

第17話「鏡」

 かつて魔戒騎士と魔戒法師の夫婦であったジンガとアミリ。特定の場所に定住せず、旅をしてはその先でホラーを倒す彼らは、その日もいつも通り、ある集落を守るためにホラー狩りへ出かけた。だが、集落の人々は、ふらりと現れたジンガ達になど鼻から期待はしていなかった。集落を襲うホラーを鎮めるためには、生贄を捧げるのがこの集落の習わしである。――強大なホラーを何とか討滅し、戻って来たジンガ達が見たのは、我が子が生贄とされ息絶えている場面であった。
 習わし通り生贄は捧げられ、結果的に集落からホラーの恐怖は消え去ったわけだ。表面上だけ見ればめでたしめでたしだが、誤算であったのは、ジンガとアミリがホラーを倒し、生きて戻ってきてしまったことだ。怒りと悲しみに身を焼かれた二人は、集落の人々を次々と手にかける。生き残ったのはガルドとハルナの兄妹だけであった。

 アミリに対して同情的な視線を向ける流牙。その念頭にはもしかすると、以前花嫁への憧れを語っていた莉杏のことがあったのかもしれない。魔戒騎士と魔戒法師に危険はつきものであるし、出会う人々の全てが善人であるとは限らない。夫婦ではないものの、パートナーとして二人で活動している流牙と莉杏である。まさに「鏡」映しのごとく、自分の身に置き換えて想像するのは、そう難しいことではないだろう。
 ガルドとダイゴは昔話を聞いたところでアミリに情けをかけるつもりはさらさらない。むしろガルドなど、両親の仇が目の前にいると分かったことでさらに感情をあらわにしている。だが、その激しい怒りよりも自らの使命を優先させる彼は、悲しいまでに立派な魔戒法師「ガルド」である。

 巻物や木簡を駆使して戦うリュメ様を見ていると、その華奢な身体の中にどれだけの知識と魔力を隠し持っているのだろうと感心してしまう。よっ長生きさん!

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