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暇に殺される

法人営業に異動して、お客様が企業の人になったので土日休みになった。だけれど、お店はやっているものだから、ときたまに土日当番なるものがあって、急な来客や電話に備えて出勤することがある。今日がその日だった。

あまりにも暇だった。平日にたまってしまった伝票の処理を沈黙を決め込む電話を横に粛々と処理していく。捗って仕方がない。

ともすると、予想よりもずいぶんはやく、処理すべき伝票たちは片付いてしまう。あれ、やることがなくなってしまった。売り場に赴いて、今の売れ筋だったり、お客様の動向をつかんだりをしたほうがいいのだろうと考えるのだけれど、先輩を差し置いて、ぼくが離席するわけにはいかない。

そうすると、どうしたものか、ぼくも電話と一緒に沈黙を決め込むしかやることがなくなる。ぼーっと座っていると、キーボードやらスクリーンやらデスク、電話の様々な汚れが次第に気になってきたような気がして、まるで取りつかれたかのように掃除をし始める。入念にアルコールで消毒して、軽く水拭きをして、そこから乾拭きで丁寧に仕上げる。おお、ずいぶん綺麗になった。いつも手で触っているところはこんなにも汚れているのかぁなんて妙に感心したりする。

ここで言っておきたいのは、決してぼくは潔癖症ではないし、A型でもない。めんどくさいことはあんまりやりたくないし、おおざっぱにすます生粋のO型だ。

やることがないときは、普段はめんどくさく感じるあらゆることがぼくの味方だ。なるべく時間がかかるめんどくさいことを集中して、熱中して、夢中でやりたい。こんなマインドになるとは、暇とは誠に恐ろしいものである。存在を忘れたころに電話はけたたましくなり始め、一緒に仕事をしている感を出してくる。なんて仰々しいやつなんだろう。

掃除も終わってしまうといよいよ本当にやることがなくて、そんなに便意もないのにトイレに行って用を足してみたり、無駄に屈伸や肩を伸ばしてみたりなんかもしてみる。所要時間実に20秒くらいの動きなので、全然時間は過ぎない。

こんなに暇なのであれば、思考の旅に出て、仕事に何か役に立ちそうなことなんかを考えてみたりすればいいのだろうけど、これだけ空白を手渡されるとなんだかやる気も出てこないのだ。(なんだかんだ本当にやることがないので、しぶしぶそんなことをやりだすのだけれど。)

はてさて、こんな日には何をすることが正解なんだろうか。少しでも自分に存在価値を見いだせる何かをしてやりたいとは思うのだけど、こんなことを書いているようじゃダメですね。

同じ暇な時間も家でただ過ごすのと、本来働くべき場所でやることがないのだとこうも感じることが違うというのはちょっとした発見だなぁ。

前提条件の差というのは、環境の決定であり、意志の決定の誘導であったり、行動決定を担っているということなのかもね。

最後にちょっと頭良さげな漢字を並べてみた。笑


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