見出し画像

逆好感度人間 only the young can fly !?(1/26)

お気に入りのカフェがあると毎日でもそこに入り浸りたいところだが、下手に店主に声かけられたり世間話する間柄になったら嫌だなとか、最も近しい他者以外から自分の好みや行動を把握されているのが好きじゃないとかのややこしい性分があり、連日通い避けをしている。It's absolutly 無駄な労力。
そのせいでいくつか自分の好きな雰囲気のカフェをリストアップして定休日を把握しておく必要があり、もしスティーヴ・ジョブズ氏が見ていたら「君はつまらない自意識で時間を無駄にしている」と言うだろうと思いながら、今日は前回の訪問から一定期間空いたのでそろそろ大丈夫そうなカフェへ読書をしに行った。

隣の二人組の女性の片割れが、好きな子を意識してわざと声がデカくなる小学生並みの不自然な大声で次から次へとお喋りを繰り広げていた。私は連れでもなんでもないので彼女にとって不要な意見だが、あまりにつまらない会話の内容に早々に辟易として、少しずつ席をスライドさせる。どうにもならない声がカフェ中に響き渡っていたため、最終的には一番遠い席まで移動した上に身体を90°傾けて頬杖をつくふりをしながら片耳を(珍しく器用に)人差し指で抑えて本を読んだ。あんな静かなカフェで自分の声だけが異様に響き渡っていることに無頓着だなんて、絶対に友人にはなれないタイプの人だ。人間なんて鈍感だから生きていられるものだが、それでも敢えて鈍感な人が苦手と言ってしまいたいと思う。

帰り道に食パンが食べたくなり、パン屋さん、と検索しながら歩く。パン屋さん、では出てこなかったパン屋さんが右手に出現したので窓を覗くと「キュルビス ブロート」のプレートが見えた。これは面白そう。
"かぼちゃ種、ひまわり種、亜麻仁を混ぜ込み、ライ麦とスペルト小麦で作ったドイツパン"と書いてある。私の好きな方向性だ。こういうパンは少し値が張るので試食がてら半分にカットしてもらい、お目当てだった全粒粉の食パンも発見したので厚めにスライスしてもらう。

私が好きなパンは大抵この国の友人たちから歓迎されない。逆に広範囲で愛されているらしい有名な何とかソフト的異様に白くて柔らかい食パンとか惣菜パンとか、菓子パンに及んではそれなりのカロリーを摂取しているのに満腹感は皆無で、底なしに食べて太るだけのものという認識だ。

同様の構造で、昔馴染みの渋い喫茶店や、狭くて汚いけど創業⚪︎⚪︎年で超美味い!みたいな赤提灯のお店とか、そういう「好きっていう人は味がわかってる玄人だね」的なお店はことごとく苦手である。(時と場合によっては、長らく好きなふりをしてきたことをこの場を借りてお詫びしたい。前にも書いたが、誰も不幸にならない嘘の相槌はそれなりに積極的に取り入れて生きてきた。神様、これは罪ですか。)

なぜなら私はシンプルに潔癖気味だし、トイレが汚いお店をあまり信用していないし、昔ながらのパンと言われるものは白砂糖にマーガリンなど恐ろしい素材がドバドバ入っているし、ノスタルジーより現実を優先してしまう性格だし、赤提灯(と呼ばれるようなお店)は美味しいところも実際あるけれども全体的に味が濃すぎなのと何より清潔感が低い気がするし。(半分くらい気持ちの問題)
そしてラーメンの匂いは好きだが幸運にもラーメンが食べられないので、店主はこんな迷惑な客が入店して来なくてさぞハッピーだろう。このように全ては私個人の問題であり相手に何ら非がないことは明記しておく。

この国において「好感度」はTOP OF 重要であり、抜群の安定感を誇る社会の物差し。その好感度辞苑に記載されている項目に照らし合わせると私の思考および嗜好は何かと逆行している。これを先天的悲劇と呼ぼう。音楽のような好感度ビジネス界隈に身を置いている私に僅かながら同情票を頂けると有り難い。

まだしつこく逆好感度〜食部門〜の話を続けるが、実際贅沢とは程遠い値引き大好きノンアル人間なのだが(健康的な食材が割高という意味では贅沢かも知れないが)赤提灯文化に能動的に参加しないばっかりに「スノッブ」「フランス帰りだからね」「お金かかりそう」みたいな頓珍漢(ギャグならば面白んなさすぎる)に遭遇したり、現代的で機能的で触れ合いのない放置カフェが好きなだけなのだが、映えを狙い流行が好きな女性像に当てはめられてしまって、いわゆる"そういう女子"を見下しがちの文化界隈逆張り男子たちから誤解されたりと、好感度業界では四面楚歌の満身創痍なのである。(韻でも踏めるかと思ったが踏めなかった)

このように、軽口程度の悪態を詳細に語ることで更なる誤解を生みつつ帰宅すると、何度も何度もポスターの中で目にしていた指名手配犯が50年くらい越しに身柄を拘束されたという速報が流れてきた。変な話だが、ここまでくると本当に実在してたのだろうか?という脳みそのバグが起きる50年という年月。あまりに壮絶だ。

夜ご飯までに少し時間があるので仕事でもと思ってパソコンを開くと、出かける前に間違って空中に吹きかけてしまったはずのボディオイルが、正確にはパソコンのキーに降り注がれていたことを知る。自慢のカキララを使って急いで拭き取った。
余計な軽口をぶちまけてる暇があったら、精密機器を丁寧に扱うなどのベーシックで重要なことをまずはきっちりこなして頂きたい。

牡蠣ララをご紹介しようと思って新まるせさんのHPを開いたら中島さんご夫妻が宣伝していて笑う。お仕事ご苦労様です。
"Only the young can fly" というキテレツで意味不明なスローガンを掲げてらっしゃいますが、製品は本物です!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?