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子どものネットトラブルの基礎知識【オンラインゲーム編】

こんにちは!セキュスタ 子ども安全情報局です。
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今回は、「オンラインゲーム」で子どもが陥りやすいネットトラブルについて解説いたします。

かつて、「ファミリーコンピュータ」や「ニンテンドーDS」などの家庭用ゲームは、一人で遊んだり、友達同士でゲーム機本体を持ち寄ったり、「その場にいる人だけ」で遊ぶのが主流でした。読者の皆様の中にも、「あぁ、そういえば新しいゲームを買ったという友達の家に行ったなぁ」とか、「公園に携帯ゲーム機を持って行って、みんなで対戦したっけ」のような思い出をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

あれから幾年かの月日が流れ…
インターネットの普及によって、ゲームのカタチは大きく変わりました。
常時インターネット接続されている端末や、スマートフォンを使うことによって、遠く離れた場所にいる友達と「オンラインゲーム(通信プレイ)」を楽しめるようになったのです。オンラインゲームの多くは、一緒にゲームをプレイできるだけでなく、ゲームをしながら文字や音声を使ってコミュニケーションを取ることも可能で、まるで友達とその場に集まったような感覚で遊ぶことができます。技術の進歩により、ひと昔前には想像もつかなかった遊び方が可能になりました。

しかしその一方で、オンラインゲーム上のトラブルも多く見られるようになりました。
ゲーム内で不特定多数の相手と交流することができるため、悪意のある相手と繋がってしまったり、「課金」と呼ばれるゲーム内決済でとんでもない金額を使ってしまったりという、いわゆる「ネットトラブル」です。
そこで今回は、「ネットトラブルの基礎知識【オンラインゲーム編】」と題して、オンラインゲームに潜むトラブルとその解決法、トラブルに遭遇しないようにするための心構えなどをご紹介していこうと思います。
ゲームは、ルールを守って遊べば楽しい娯楽です。まずは基本的な知識と対処法を身につけ、お子さんが安全にゲームを楽しめるようにしましょう。

多くのオンラインゲームは、文字を使って短文のやり取りをする「チャット」、電話と同じように音声で通話をする「ボイスチャット」などを使い、プレイヤー同士で意思疎通を図ることができます。友人同士でゲームをする際にはとても便利な機能なのですが、一部のプレイヤーの中にはこの機能を悪用してクレジットカードの番号を聞き出したり、住所や電話番号などのプライベートな情報を聞き出そうとする者がおり、トラブルの原因となる報告が相次いでいます。世代や性別を超えて不特定多数のプレイヤーと交流することができるため、お子さんが危険な目に遭わないよう、保護者側で利用を制限する必要があるでしょう。不用意にプライベートな情報を教えたりしないよう、確認しておくのも重要です。もしゲーム内で友人以外のプレイヤーと交流する機会を持つようであれば、一度お子さんとよく話し合い、チャットの安全な使い方について理解を深めておきましょう。

近年、スマートフォン用ゲームは「基本無料」を売り文句とするものが多く、お金を使わずにゲームをDL(ダウンロード)することができます。しかし、実は全てが無料というワケではなく、ゲーム内のアイテムや追加キャラクターなどを獲得する際に、お金がかかることもあるのです。代表的なのが「ガチャ」と言われる「クジ引き」のようなシステムで、実際にお金を使ってガチャを回すことで、アイテムやキャラクターを抽選で獲得できる、というものです。欲しいものが必ず手に入るとは限らないのがポイントで、お目当てのアイテム欲しさにガチャを回し続けてしまい、気付けばとんでもない金額を使っていたというトラブルが続出しています。
このトラブルは、スマートフォンやゲーム機に紐づいているクレジットカードで決済しているものが大半ですので(プリペイドカードが使えるものもあります)、お子さんと端末を共有する際には、「スクリーンタイム※1」や「Google Playプロテクト※2」を利用したり、「ペアレンタルコントロール※3」を使ったりして、安易に課金ができない状態にしておくと良いでしょう。

今回の例ではスマートフォン用ゲームを取り上げましたが、「ニンテンドースイッチ」や「プレイステーション」などのゲーム機、あるいはPCでも同様のトラブルが起こり得ます。お子さんが使っている端末に関わらず、ゲーム内の課金には注意を配っておきましょう。課金の詳しい仕組みや、ペアレンタルコントロールの具体的な設定方法などは、当コラムで改めてご紹介しますので、今後更新される記事もぜひチェックしてみてください。

※1 スクリーンタイム
iPhoneに備わっている機能。アプリやWebサイトなどの使用状況を確認・制限できる。アプリ内での課金を制限する機能もあるため、トラブルを予防しやすい。
※2 Google Playプロテクト
androidスマートフォンに備わっている機能。有害なアプリから端末を保護し、商品の購入を促す広告やポップアップをブロックできる。
※3 ペアレンタルコントロール
ゲーム機やスマートフォンに備わっている見守り機能。あらかじめ設定しておくことで、アプリのブロックや時間の制御など、利用を細かく制限できる。


オンラインゲームは、大きく分類すると「ゲーム機専用のゲーム」、「スマートフォン用ゲーム」、「PC用ゲーム」の3つに分けられますが、ゲームにはそれぞれ、映画などと同じように「推奨年齢」が設定されています。推奨年齢が上がるほどゲーム内容の表現が過激になる傾向がありますので、お子さんの年齢に合ったゲームをプレイするようにしましょう

■ゲーム機専用ソフトのレーティング区分
ゲーム機専用ソフトの多くは「CERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)」の審査を受けており、性的な描写や暴力などの表現レベルによって「A」~「Z」までのレーティングが付与されています。また、レーティング「B」以上のパッケージには、「コンテンツディスクリプターアイコン」と呼ばれる「ゲームの表現内容を示したアイコン」も記載されています。お子さんにとって好ましくない表現が含まれていないか、購入前に確認しておくと良いでしょう。

・CEROレーティングマーク

画像:CEROウェブページ レーティング制度より

・コンテンツディスクリプタ―アイコン

画像:CEROウェブページ レーティング制度より

■スマートフォン用ゲームのレーティング区分
iPhone用アプリ、android用アプリとも独自に年齢制限が設定されており、最も高いレーティング区分のアプリは18歳未満がプレイできないようになっています。スマートフォンで設定したID(プロフィール)の年齢を参照しているわけではなく、特に対策をしなければ誰でもアプリをDLできてしまうので、やはり「スクリーンタイム」や「Google Playプロテクト」などを使い、お子さんがゲームをDLできないようにしておくと良いでしょう。

・iPhone用アプリのレーティング

Appleサイト「 App Storeプレビュー」より

・androidアプリのレーティング

Googleヘルプページ「Google Play でのアプリとゲームのコンテンツのレーティング」より

■PC用ゲームのレーティング
パソコン用のゲームは、「EOCS(コンピュータソフトウェア倫理機構)」、「JCRC(日本コンテンツ審査センター)などがレーティング審査を行っており、「一般作品(一般向)」から「18歳未満禁止(成人向)」のように区分されています。PC向けの18歳未満禁止タイトルは、ゲーム機やスマートフォンのゲームに比べ刺激の強い内容であることが多いので、子どもに与える際は特に注意しておきましょう。

・PC用ゲームのレーティング区分

年齢制限についてはやや複雑なところがあるため、次回の「教えて先生!」の記事でも、実際のご質問に先生が解説を交えて回答いたします。

オンラインゲームの問題点のひとつに、「相手の顔が見えない」というものがあります。対戦に熱中するあまり、相手も人間であることを忘れ、「馬鹿野郎!」「何やってんだよクズ!」のような、乱暴な言葉が口をついてしまうのです。ゲームをプレイしている本人は全く気付いていませんが、周囲から見ると思わずため息が出るような光景です。ゲーム中、あまりにもエキサイトするようであれば、このような言葉遣いが習慣となる前に保護者がきちんと注意してあげましょう。ゲーム中のお子さんは「うるさいな!」と返すかもしれませんが、ゲームが終わって落ち着いたときにゆっくりと話せば、きっと伝わるはずです。こちらも怒ったりせずに、うまく気持ちをコントロールしてあげましょう。ときにはお子さんと一緒にゲームをして、感情を共有してあげるのも良い方法かもしれません。

オンラインゲームのトラブルは様々ですが、シンプルなこの問題はどこのご家庭にもあるのではないでしょうか。空き時間があればとにかくゲーム。スマートフォンや携帯ゲーム機を常にいじっているような状態で、他のことが全く手に付きません。なかには、学校の宿題や予習など、必要な勉強時間を削ってまでゲームをしてしまう子どももいるようです。
対処方法は環境にもよりますが、ゲームを取り上げたり禁止したりするようなやり方ではなく、「勉強が終わったらゲームしようね」というように、勉強と遊びの時間をきっちり区別するのが良いでしょう。他のトラブルの対処法と同様、お子さんと保護者の間でコミュニケーションをしっかり取ることが、トラブル回避への近道です。

【もし、トラブルが起きてしまったら?】

もし、お子さんがゲーム中にトラブルを起こしてしまった場合は、「国民生活センター」の「お昼の消費生活相談」や、消費者庁の「消費者ホットライン」などを使い、専門家にアドバイスを受けるのがおすすめです。オンラインゲームに限らず、消費者が抱えるトラブル全般において相談が可能な窓口ですので、ぜひ有効に活用していきましょう。

国民生活センター お昼の消費生活相談
TEL 03-3446-0999
消費者庁 消費者ホットライン
TEL  局番なし 188

いかがでしたでしょうか?
ネットトラブルを防ぐ基本は、「お子さんとのコミュニケーション」です。「ゲームのことはわからないから」と子ども任せにすると思わぬトラブルに発展する可能性があります。できれば一緒にゲームを楽しむくらいの姿勢で、子どもに目線を合わせてあげたいですね。

次回は、ゲームの「課金システム」についてご紹介したいと思います。「課金をして、一体何を買っているの?」「お金はどうやって払っているんだろう?」など、初歩的な疑問から課金トラブルの解決法までわかりやすく解説しますので、ぜひご覧ください!

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