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スローライフを取り戻せ(Stardew Valleyレビュー)

以前、「スローライフを掲げながらプレイとしては全くスローライフではないStardew Valleyに挫折したのでPalia最高〜〜〜〜〜〜!!(要約)」という記事をブログに書いた
あれから一ヶ月と少し。
今何のゲームにハマっているかというとStardew Valleyである。

( ˘ω˘)?

僕が悪かった。
Stardew Valley、神ゲーでした(華麗なる手のひら返し)。

以前挫折した理由を改めて見てみよう(先月のブログ記事を開く)。

注意しなければならないのは、「このゲームのプレイ自体は全くスローではない」ということである。ゲーム内の1日が終わるまで15分。(中略)
何かをするのに体力ゲージを消費するので、計画的に動かないと結局コスパの悪い1日を過ごすことになる。おや?おかしいな……スローライフを求めていたのに……コスパ……?という現実に引き戻される気持ちがここでうっすらと湧いてくる。(中略)
計画性という文字は私の辞書にはないので、最初は熱中してやるのだが、だんだんとゲーム内の日が巡るたびに「今日はコレをしてアレをして……ああ……なんか忙しいゲームだな……」と疲れてきて、ついにはスローライフと言ったではないか!コレのどこがスローライフだ!と投げ出して(物理)しまったのである。

真のスローライフ、その名はPalia

Stardew Valleyが楽しめなかった理由、自分が一番良くわかっていたということが今見るとわかる。
つまり「いろんなことが出来るからと言って初めからすべてやろうとして挫折した」ということに、この記事を書いた後に気付いたのである。

スローライフなゲームならばスローにライフ(プレイ)すればよいのだ。
攻略なんかも見なくていい。行き当たりばったりで、「今日はこれしたいな」と思うことは一つか二つに絞ってプレイする。
畑の野菜に水やりをし、住民に挨拶をしながらブラブラとそのへんを探検するだけの一日だっていいのだ。たまに釣りに興じてもいいし、思わぬところで野生の採集物を見つけてもいい。
見つからなくてもいいし、やらなくてもいい。
そこまで気付いたとき、このゲームの冒頭のシーンが思い出された。

主人公は、寂れた牧場(と言う名の空き地と掘っ立て小屋)でスローライフを始める前は、ブラック企業で急かされるように働いていた。
思えば僕らが生きている日常というのは大なり小なりこういうところがあるのではないか。
効率を重視し、漏れや見落としがないように、出来る限りのもう少し上を常に求められる。

ゲームだってそうだ。そもそも忙しい現代社会人は、あらゆる娯楽が時間の取り合いをしている。そのようなわけで周回プレイを前提としたゲームは少なくなってきたように思うし、あっても1プレイが短いゲームばかりだ。
いざゲームを始めれば、攻略を駆使して1プレイのなかで最大限の結果を取ろうとする。取り返しのつかない要素は事前にチェックし、それを取りこぼさないようにする。

Stardew Valleyというゲームも、僕はそういう目で見ていた。
でも、Stardew Valleyは冒頭のシーンで、既にそんな僕に語りかけていたのだ。

「そういうの、一回やめてみたらどうかな?」

主人公は気忙しいタイパ重視の現実から脱することで、Stardew Valleyでの生活を手に入れ、そこからゲームが始まっていく。
だからプレイヤーである僕も、そうすべきだったのだ。
でも、そう出来なかった。効率重視、攻略と進め方を事前に計画し、すべての要素を一周目から取りこぼさないようにしようとした。スローライフが場所を変えても社畜ライフになっていたのは、全て自分のせいだったのだ。

そんなわけで、たまに住民から「これがほしいんだよね」みたいなクエストが提示されても、その時にそのアイテムを持っていなかったらそのクエストをクリア出来ない。でもそれでいいや、と思えるようになった。
だって現実だってそうだから。
たまたま自分の手持ちにそれがあれば助けてあげればいいし、なくてもその住民に嫌われるわけでもないし、縁がなかったというだけである。それが現実。
逆に縁があれば仲良くなる(好意ゲージが上がる)機会がたまたま与えられたということだ。それも、現実と同じなのだ。

Stardew Valleyはスローライフとは何かを、改めて教えてくれるゲームであると思う。
この現実の日々の中で、気忙しく時間に追われている私たちだからこそ、Stardew Valleyはそこから何もかも捨て去って過ごせる時間を提供してくれる、あなたの心を「スロー(穏やか)」にしてくれるゲームなのだ。

あなたの心が、生きにくさを感じ、輝きを失ってしまいそうになった時には、ぜひプレイしてみてほしい。


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